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ソードアート・オンライン~Guilty Player~

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第4話~チュートリアル~

 
前書き
ナギくんの特性はイノシシに好かれるみたいです。
なんていらない・・・。
ナギくんと山に行ったらイノシシと高確率で遭遇します。
それでは第4話、どぞどぞ~ 

 
「・・・・え?」
淡く青い光が僕の目の前を覆ったと思ったら・・・・。
「ここ、は・・・・」
先ほどとは全く違う風景。
モンスターが蔓延(はびこ)る草原とは違い、中世のヨーロッパを思わせる、レンガ街がそこには広がっていた。
そう、ここは。
「最初の・・・広場。チュートリアルが・・・ある場所」
強制転移。
おそらく、運営側がやったのだろう。
僕みたいにチュートリアルの開始時刻に間に合わない、来る気がなかった人たちのための配慮だろうか。
それならば、おそらく、僕たちプレイヤーが知っておかなければならないことでもあるのかな。
だって、強制参加だし、ベータテスターならやり方とかわかってるだろうから、任意参加で構わないはずなんだよね。運営側が伝えたいことがなければ強制参加なんて真似はしないわけで・・・。
「まぁ、聞いておくべき、ってことかな・・・」
続々と集まるプレイヤーたち。
たくさんの淡く青い光が次々と現れ、そして、消えていく。
ざわざわとざわめきが伝染し広がっていく。
「・・・・・?」
急に、空が、黒く、塗りつぶされた。
「先ずは、お礼を言おう」
そんな機械質な声が黒く染まった空から聞こえた。
そして、その黒いキャンパスに、赤い何かが生まれ、形作っていく。
「私の作ったゲームを・・・」
徐々にヒトの形を作っていく。
「私の“夢”そのものであるこの世界を・・・」
空中に大柄な、赤いマントを羽織った、ヒトが作られた。
「この世界を・・・私の夢をっ!!!」
大きく手を広げ、どこか熱を帯びたような、声で、確かに無機質な声で、叫ぶ。
「完成させてくれて・・・ありがとう!」
子供が夢を語るような、そんな声、口調が、容易に想像できた。
「さて、それでは今から、『ソードアート・オンライン』のチュートリアルを始める」
再び、無機質な音声に変わる。・・・いや、さっきも無機質な音声だったことに変わりはないんだけど・・・。
「まずは、疑問を解消しよう」
疑問?なんのことだろう?
「君たちのメニューからログアウトボタンが消えていると思うが・・・それは、バグや誤りではない」
僕は慌ててメニューを開き調べる。
・・・・・・・・・・・ほ、ほんとだ・・無い。
「それはソードアート・オンライン本来の仕様である。繰り返す、ログアウトボタンがないのはソードアート・オンライン本来の仕様である」
・・・・え?じゃぁ、どうやって・・・どうやって、帰るんだ?
「君たちは・・・君たちが、この世界から現実へと帰る方法はただ一つだ」
・・・・・・・・・・。
「このゲームを・・・この世界をクリアすること。それが、現実へ帰る唯一の方法だ」
・・・・・・なるほど。
「そして、もう一つ、重要なことがある」
「君たちのHPバーが0になり、消滅したとき・・・現実世界の君たちも同時に死ぬ」
・・・・・・・・・・・・・。
「この世界での“死”は、現実での“死”に直結している。どうやってか。それは君たちが身につけているナーヴギアが脳に高出力の電磁波を送り、君たちの脳の神経系を焼き切ることになっている」
・・・・ふむ。
「また、強制的にナーヴギアを外そうとしても同様の事が起こることになっている。さらに、電源を抜いても、内部バッテリーがあるため、数年は持つだろう。故に、君たちが生きてこの世界を出るにはこの世界を・・・『浮遊城アインクラッド』をクリアするほか術がないということだ」
・・・・・・・・・・・・・・・・。
「私は最上階、第100層の『紅玉宮(こうぎょくきゅう)』で待つとしよう!君たちが私の目の前に現れることを楽しみに待っているよ」
誰も、何も、喋らない。常識を逸している。
「最後に、私から、君たちへプレゼントだ。この世界が、君たちにとって本当の世界であるために」
ポロン♪
そんな音が聞こえた。メールだ。
題名なし、本文なし、アイテム添付・・・あり。
そのアイテムは・・・『手鏡』
「それでは諸君らが、いつか私の目の前に現れてくれることを願っているよ・・・健闘を祈る」
チュートリアルは終わった。
誰も、言葉を発せなかった。
錆び付いたように体は動かないで。
それでも、引き寄せられるように、開いたメールに添付してあった物を受け取るために。
そして、それを、僕は、使った。
淡い光が僕を再び覆った。


ゲームとは楽しむものだ。
ゲームだからこそ、成し得ることがある。
しかし、ゲームと現実とは決して相容れないことを理解しなくてはならない。
たとえ、どんなゲームでも。
どんなに現実(リアル)と似ていても。
それはゲームであり、現実ではない。
もし。
もしも。
ゲームが現実に影響を及ぼすようなものができてしまったら。
それは。
『もう一つの現実』
そう言っても差し支えないだろう。 
 

 
後書き
おわった~・・・・
イノシシの肉って美味しいんですかね?
今度ナギくんに頼んでみようかな・・・。
それでは、また次回、お会いしましょ~! 
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