SWORD ART ONLINE ―穿つ浸食の双刀―
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04:戦士達の救援
前書き
今回はあの人気作からあの二人が登場!!
「ぐっ······がはっ······!?」
広がる光景は、地獄絵図と表すのが最適だろうか。全員の体力は危険域。地に這いつくばる戦士達からは絶えず赤いエフェクトが漏れている。
「「流石に、こりゃあ反則だろっ······」」
未だ立ち上がる事が出来ないライトとリンが悲痛の声を漏らす。他の面々は声も出せないあたり、彼等の鍛え方は異常なようだ。
「この程度で我に挑もうとは片腹痛い······もう消えてもらおうか、戦士達よッ!!」
無慈悲な斬撃がハリンに迫る。それを避けるだけの気力はハリンの中にはない。
――駄目だ、死にたくない······でも、もう力が······――
――10cm。
――7cm。
――4cm。
――1cm。
――ガキィンッ!!!――
薙刀は降り下ろされず、剣と剣がぶつかり合う音が響く。ハリンは重たい顔をゆっくり持ち上げ、それを見る。
「―――悪い、遅れた!!」
「どうやらピンチのようですね······囮は私達に任せて下さい!!」
少年と少女は叫ぶ。一人は、本来SAOには存在しない筈の両刃剣を携え、額にバンダナを巻いた少年。もう一人は、次元が違う美しさを持ち、巨大な鎌を構え、首にマフラーを巻いた少女。彼等の名は―――
「―――セモン君、セツナさん······」
力ない声で名を呼ぶハリン。神話剣世界の勇者と、その友人の妹。どちら共に実力はトップクラス。回復するまでの間、彼等に任せるとしよう。
しかし、いったい何故ここが?居場所を教えた訳ではないのだ、どうしたってこの場所は分からない筈だが―――
「――ハリン君ッ!!」
はっと、振り返る。息を切らしながら走りよってくる、小柄な少女。髪は茶色、ぱっちり開いた瞳は赤。前髪には以前ハリンがプレゼントしたピンクの髪止め。
「オウカッ······!?」
直ぐ様しゃがみ、高価なヒールクリスタルを使ってハリンのHPを回復させる。彼女がいるなら別だ、おそらくフレンドの追跡を行ってここに辿り着いたのだろう。
「やってくれたな髭ジジイッ、覚悟しろオラァッ!!!」
叫び、疾走したのはアツヤ。彼はいち速く回復を終えて体制を立て直し、愛刀で牽制する。
「「クソジジイゴラァッ、絶対許さねぇぞッ!!」」
ライトとリンも回復を終え、斬撃を浴びせて避けるヒットアンドアウェイ戦法で戦う。
「ぬぅっ、ジジイジジイと失礼なっ······我はジジイなどでは――」
「「いや無理があるからそれ!!!諦めて認めろよジジイ!!」」
ジジイに百のダメージ!!華麗なツッコミと華麗な攻撃、二重にダメージを与えるライトとリン。こんな中でも楽しむ事を忘れない面々には苦笑いするばかりだ。
「負けていられないっ······!」
大きく跳躍し、ボスの目に片手長剣を突き刺すナギ。引き抜くと同時に天井まで一気にジャンプし、壁に張り付く。そこから壁を蹴り、もう片方の目に片手長剣を突き刺す。
「ぬぉぉぉぉっ!?」
視界を奪われたボスはどうする事も出来ない。片膝をつき、防御体制に入ったボスに追撃をかける二つの影。言うまでもなくリオンとルスティグだ。
「らぁっ!!」
「せぇぇいっ!!」
交差するように斬るリオンとルスティグ。それだけでは止まらず、ルスティグはソードスキルを発動。片手長剣と体術スキルの合わせ技、《メテオブレイク》。斬撃と突進、交互に行われる攻撃に尻餅をつくボス。
「はぁぁぁっ!!!」
双刀で応戦するハリンもソードスキルを発動。双刀五連撃技《風花》。流れる動作から最後に切り払い、次いで腰に忍ばせていたピックを十本全て投げつける。
「ぬぉぉっ、姑息なぁっ!!」
「戦いに姑息もクソもないっ、悪いけど終わりだっ!!!」
「眠りなさい、巨人よっ!!」
止めの一撃となったのは、セモンとセツナソードスキル。淡いエフェクトを帯びた両刃剣と鎌が巨人の腹部を切り裂く。
「くくくっ······ははははっ、楽しかったぞ戦士達よっ······再び会い見える事を楽しみにしておこう······」
巨人は片膝をついた状態となり、体が光出す。長い長い静寂の後に、巨大な老人はその身をポリゴンの欠片へと変えた―――。
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