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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第十話 剣道少女その五

「そしてお風呂とおトイレは共有です」
「お掃除は」
「私共がさせて頂きますので」
 心配は無用だというのだ。
「それとなのですが」
「それと、とは」
「本日は日曜です」
「そうでしたか」
「はい、ですから」
 それで学校はないというのだ。そういえば今日は日曜だった、どうも最近慌ただし過ぎて何曜日かもわからなくなってきている。
「授業はありません」
「そうですか」
「そして夕方ですが」
「夕方?」
「皆さんで甲子園球場に行かれます」
 このこともだ、畑中さんは留美さんに話した。
「日笠さんも如何でしょうか」
「甲子園ですか」
「左様です」
「甲子園といえば阪神タイガースですね」
 留美さんは畑中さんにこのことを確認した。
「そうですね」
「本日のカードは阪神対広島です」
「わかりました、実は私は」
 ここでだ、留美さんはこう言った。
「京都で生まれ育ったせいか」
「それで、なのですか」
「サッカーは京都パープルサンガを応援していますが」
「野球は、ですね」
「阪神です」
 このチームを応援しているというのだ、まさにそのチームを。
「ですから是非共です」
「行かれたいのですね」
「お願い出来るでしょうか」
「はい、それでは」
 是非にと言う留美さんだった、そうしてだった。
 留美さんも一緒に甲子園に行くことになった、そのことも決めてだった。
 留美さんは八条荘に入った、すると。
 すぐに朝食となった、その場でだった。
 留美さんは他のみんなにも挨拶をした、それを受けてだった。
 ジューンさんが楽しそうにだ、自分の席で両手を剣道の構えにして上から下に振り被って振ってからこんなことを言った。
「いいネ、剣道ガールネ」
「確かに私は剣道をしているが」
「ジャパネスクだネ」
 笑顔で留美さんに言うのだった。
「小夜子と一緒デ」
「小夜子さん、こちらの方か」
「はい」
 その小夜子さんも留美さんに挨拶をした。
「宜しくお願いします」
「小夜子は茶道と華道、書道をしてるんだヨ」
 ジューンさんが留美さんに小夜子さんのことを笑顔で話す。
「このことは覚えておいてネ」
「わかった、それではな」
「剣道は何段あるか?」
 水蓮さんは留美さん本人に剣道の段位を尋ねた。
「剣道には段位があると聞いているあるが」
「二段だ」 
 はっきりとだ、留美さんは水蓮さんに答えた。
「今度三段を取りに行く」
「そうあるか、二段あるか」
「道場でも剣道をしていたが」
 このことは留美さんから話した。
「中目録までいっている」
「中目録?何あるかそれは」
「道場の段位の様なものだ」
 それにあたるというのだ。
「免許皆伝が最高位だ」
「ああ、それは中国でもある」
「拳法でもだな」
「私もそこまでいっていないある」
 水蓮さんもだというのだ。 
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