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オズのムシノスケ

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第六幕その二

「その時はオズマが助けてくれるわ」
「そうしてくれますね」
「必ずね。いざという時はね」
 だからだというのです。
「安心してね」
「一人か二人で駄目なら」
 ナターシャも言います。
「皆で、ですね」
「三人寄ればともいうわね」
「はい」
 このこともその通りでした。
「そうですね」
「そう、だからね」
「いざという時は」
「皆がいるから安心してね。ただね」
 ここでドロシーはこうも言いました、五人に。
「私達が必死にやれば出来る場合はね」
「そうした時はですね」
「私はオズマの助けを借りないわよ」
「私もだよ」
 教授も微笑んで言います。
「まずは自分で出来る限りすることだよ」
「人を頼らないということですね」
 恵梨香はそのドロシーと教授を見てこの言葉を出しました。
「そういうことですね」
「そうよ、人を頼ってばかりだとね」
「駄目だからね」
 それでだというのです。
「私達は出来る限りはね」
「自分達で物事を解決していくよ」
「いいわね、そのことは」
「しっかりとね」
 こうお話してでした、皆でドロシーのところに向かいます、そうして歩いているうちに黄色い煉瓦の道に出ました。ですが。
 その煉瓦のところにです、一匹の大きな青い像が寝ていました。カルロスはその象を見て首を傾げさせたうえで教授に尋ねました。
「あの、象は」
「オズの国にもいるよ」
「そうなんですね」
「他にも動物は色々いるよ」
「オズの国には象もいたんですか」
「君達の世界にいる大抵の動物がいるよ」
「そうなんですね」
 カルロスは教授の説明を聞いて納得しました。
「だから象がいても」
「オズの国では普通だよ」
「そうなんですね」
「この象は君達の世界で言うアフリカゾウだね」
 教授は象の種類についてもお話します。
「マンチキンにいるから青いんだ」
「じゃあギリキンにいれば」
「うん、紫になるよ」
「紫の象ですか」
「フラミンゴもいるがね」
 例えとして鳥も出すのでした、あのピンク色の鳥です。
「その鳥もね」
「マンチキンだと青ですね」
「その通りだよ」
「動物も全部青なのは知っていましたけれど」
「青い象を実際にその目で見てだね」
「少し驚きました」
 そうだというのです。
「どうにも」
「そうなんだね。しかし」
「どうしてこの象さんがここにいるかですね」
「そのことだよ。おおい象君」
 教授は今も道の上に寝ている象に声をかけました。
「何故そこで寝ているんだい?」
「誰かな」
「私はムシノスケというのだがね」
「ああ、王立大学の学長さんの」
「ほう、私のことを知っているのだね」
「オズの国で貴方を知らない人はいないよ」
 こう言いながらです、象はゆっくりと目を開けてです。そのうえで教授達に顔を向けて言葉を返してきました。 
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