転生赤龍帝のマフィアな生活
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三十三話:最恐コンビ
前書き
風邪ひいた……誤字があったらごめんなさい。
それではどうぞ。
さてと……まずはどうやっていたぶってやるか。
そんなことを考えながらコカビエルを見やる。
俺を見下ろしやがって…!引きずりおろしてやる!
「おい、イリナ。まずはあのコカビエルを地面に這いつくばらせるぞ」
「うん、わかったわ」
「『赤龍帝』に『聖剣使い』しかも、相当な力の持ち主ときた……これ程の戦いはそうはない!!」
あ?なに勝手に気持ち悪い笑顔で笑ってやがんだよ。
俺達と戦うだと?馬鹿も休み休み言いな。
戦いってのは同じレベルの奴らじゃねえと起こらねえもんだ。
要するに今から始まるのは―――虐殺だ!
「怒りの暴発!」
取りあえず、コカビエルの座っていた椅子が玉座っぽかったのでカッ消す。
玉座に座っていいのは俺だけだ!
ついでにその後ろにあった校舎も吹き飛んだが大したことじゃねえだろ。
「籠手ではない『赤龍帝』など聞いたことが無いな」
「俺をカス共と一緒にするんじゃねえ、落ちな!」
続けざまに連射してコカビエルを狙う。
だが、それは避けられちまう。
……まあ、今回はそれでいいんだがな。
「恐ろしいまでの威力だな…だが、直線的なだけの攻撃など恐れるに足らんぞ?」
「はっ!喋ってる暇があるなら下でも見てみな」
「堕天使らしく醜く地面に堕ちなさい!」
「さっきの攻撃は目くらましか!?」
トンファーから出した玉鎖を雲の増殖で伸ばして足に絡ませるイリナ。
そしてそのまま反動をつけて―――地面に叩きつける!
「ぐあっ!?」
はっ、ひび割れた地面に埋まってるなんざいい気味だ。
「おまけよ、ロール達!」
『『きゅきゅっ!』』
「ぐああああっ!?」
そしてその上から降り注ぐハリネズミの大群。
ぶはっ!地割れが起きてさらにコカビエルが地面にめり込んでやがるぜ!
笑いすぎて腹が痛え!
(イリナたんイリナたんイリナたん……くそっ!なぜ目の前に生唾物の光景が広がっているのに我々は外に出れないのだ!?)
(今は耐えるのです。いつか訪れる、生身の体でご主人様にカッ消される日々まで)
(教祖様、しかし、我々はこの湧き上がる被虐心をどう処理すればいいのですか!?)
(ゼノヴィアたんとクロームたんが近くに居るのにペロペロ出来ないなんて…!)
(という事ですので一誠様。あのカラスと一緒に私達もいたぶり尽してください)
俺の顔から一切の笑顔が消えた。
………もう嫌だこいつら。イライラが収まらなくなってきた。
仕方ねえ、このイライラはコカビエルで晴らすとするか。
「堕ちた天使には羽なんざいらねえだろ?」
「ギャアアアアアッ!?」
埋まっていたコカビエルを引きずり出して一枚ずつ丁寧に
羽をもぎ取っていく。はっ、きたねえ羽だ。
因みにコカビエルはイリナに縛られた状態なので動けない。
「イッセー君、そんな面倒くさいことせずに一気にむしろうよ」
「ぐああああっ!?」
コカビエルの羽、二三枚程をブチブチと抜きながら笑顔で
語り掛けてくるイリナ。まったく……こういうのはじっくりと相手の断末魔を聞きながら
やるのが楽しいんだろうが。何も分かってねえな…たくよ。
(((それはそれでありだと思います!!)))
(てめえらには聞いてねえよ!?)
てめえら歴代赤龍帝にかかりゃ、何やっても
快感に変換できるだろうが!!
カストカゲ!てめえもそう思うよな!?
(………………………)
まだ、再生していねえ…だと!?
まさか本気で死んじまったのか?……はっ、いい気味だ。
これでうるせえ奴が一人消えたぜ。
だが、死んだとなると神器が十二分に使えねえな……
ちっ、仕方ねえ、起きろカストカゲ。
起きねえなら―――また殺すぞ?
(相棒よ!俺は帰ってきたぞ!!)
よし、起きたな。何やら涙を流しながらの復活だが俺にはさっぱりだな。
『死のうが生きようが相棒からは逃れられんのだな……』
何やらブツブツと呟いているが俺には何も聞こえねえな。
後で、こいつの羽も、もいでやろう。
(聞こえているではないか!?)
(うぜえ、話してる暇があったら俺に力を寄越せ)
(ああ、やればいいのだろう、やれば…!)
そんなやり取りをしていると放置していたコカビエルが俺の隙をついて
縛りから腕を逃れさせ光の剣を創りだそうとしていたので―――
「おっと、足が滑った」
バキッ!
俺がコカビエルの左腕を踏んでへし折る音。
「悪い事をしようとしたのはこの腕?」
ベキャッ!
イリナがコカビエルの右腕の関節を曲がらない方向に曲げる音。
「う、腕が、腕がああああ!?」
コカビエルが痛みで叫ぶ声。
(((そこ代われやあああああああ!!)))
歴代赤龍帝の嫉妬の雄叫び。
イリナの奴……俺のやりたいことを的確に見抜いて迷わず実行するとはな。
流石は俺の幼馴染みだ。
(正直言って、相棒と同じ思考を持っている人間がこの世にいるのが信じられない)
(後で、首洗って待ってやがれよ、カストカゲ)
失礼なことを言いやがるトカゲには後でたっぷりと絶望を味あわせてやるとしよう。
それを聞いた歴代赤龍帝が
『俺が先だ』、『いいえ、私が先です』とか言い争っているのは無視していいな?
「ぐううっ!?こ、この俺が赤子のようにやられるとは…!貴様たちは一体何者なのだ!?」
「てめえをカッ消す人間だ」
「あなたを咬み殺す人間よ」
そう言うわけで―――
「「続きを始めるぜ(わよ)」」
Sideバジル
「毎度のことながら出鱈目よね……一誠って。それと紫藤さんも」
目の前で繰り広げられる凄惨な光景を見ながら呆れた様にそう呟く親方様。
まあ……そうも言いたくなりますよね。
拙者も軽く現実逃避しそうになりながら今起きている光景を見ます。
「イッセー君!これでも食らいなさい!!」
「ぬかせ!その程度屁でもねえよ!!」
仲良くドッジボールを行うお二方。これだけ見ると微笑ましい光景です
………いえ、どれだけ見ても殺気全開では微笑ましいなんて思えませんよね。
ただ、そんなことよりも遥かに酷いことがあります。それは―――
「ゴハッ!グベッ!?た…助けてくれ…」
「ボールが喋ってんじゃねえよ!」
「そうよ!大人しくイッセー君に当たりなさい!!」
投げ合っている、いえ、殴り合っているボールが―――コカビエルという事です!!
何がしたいんですかね?お二方は。
そんなことを白い目で見つめながら考えます……
あ、今コカビエルの頭にイリナ殿の凄まじい一撃が入りました。
物凄いスピンがかかっていますがそれを一誠殿はジャストのタイミングで
腹に拳を入れて叩き返します。
コカビエル……敵ながらに哀れです。
「ちっ!しぶとい奴だぜ!!」
「昔からスポーツは得意だからね。ゼノヴィアと一緒によくやってたんだよ」
「なるほどな、『友達はボール』ってやつか」
それは恐らく『ボールは友達』の間違えではないのでしょうか?
しかし、ゼノヴィア殿は心当たりがあったのかバイブのように震えています。
そして、アーシア殿の後ろに隠れて裾をギュッと握っています。
見た目的には逆ですよね?まあ、実力で言えば合ってるんですけどね。
「あ!?イッセー君蹴りは反則だよ!!」
「るせえ!俺がルールだ!!文句あるか!?」
「なら、私も蹴りを使うもんね!イリナちゃんキーック!!」
可愛らしい声とは裏腹に速すぎる速度故に空気との摩擦熱で燃え上がるコカビエル
もう何なんですかね?この状況。
あの時のコカビエルの威厳はどこにいってしまったんですかね……はあ。
……シリアスが懐かしいです。
Sideoutバジル
振り返ればまさに死闘だった。
高速でぶつけ合うコカビエル、極度の緊張の中で生まれる独特の空気
そして、『何であなただけ美味しい思いをしているのですか!?』
『イリナたんに蹴られるのは俺だ!』
『ゼノヴィアたんが震えるの最高オオオオオオオッッ!!』
『イッセー様、どうか私にもお仕置きを!』
『そうです!その残虐性こそが一誠様です!そしてそれを私達に向けてください!!』
といった、独特な歴代赤龍帝の応援(現実逃避)を背に受け
ぶつかり合った結果―――
――コカビエルが壊れた――
しかも俺の番でだ。
くそっ!そのせいでイリナに負けちまったじゃねえか!!
(待て、相棒。壊れたという表現の時点で色々とおかしいだろ)
(あ?じゃあ、他にどう表現するんだ?スピンをかけるために殴ったはずの下半身が消し飛んだせいでコカビエルが飛んでいかなかったんだぞ。おかげでイリナを吹っ飛ばせなかった俺の負けだ。)
(そもそも禁手状態で全力で殴ればいつかはそうなるとは思わなかったのか?)
……………取りあえず、カストカゲはカッ消す。
(俺は真実を言ったまでではないか!?)
(るせえ!てめえは引っ込んでろ!)
(では、私達がその怒りをこの身で受け止めましょう)
(((どこからでもかかってこいやああああああ!!)))
仕方ない、このことは忘れよう。
それがいいな。うん。
「イッセー君………」
「………けっ、何の用だ。イリナ」
いつになく、しおらしい様子で俺の方をチラチラと見つめてくるイリナ。
はっ、そんなに俺がコカビエルを壊したことが可笑しいか?
笑いたきゃ、笑いな。
「今の勝負って……私の勝ちでいいの?」
「………負けは負けだ」
「ホントに?」
「るせえ!これ以上言わせんな!」
その言葉を聞いて悩ましげに瞳を揺らすがやがて覚悟を決めたように俺を見つめるイリナ
……なんだ?何かいつもと違って心臓がドキドキするような気が……。
「ず、ずっとね……イッセー君に言いたかったことがあるんだよ」
「…………さっさと、言え」
イリナの顔が真っ赤になりまるでトマトみてえだなと何となしに思う。
………唇まで震えてやがるじゃねえか。おまけに目は右往左往してるやがるし。
こいつ、何言うつもりなんだ?
(最近、相棒はただの鈍感ではなく、病気なのではと思い始めたんだが……)
(短え遺言だな。覚悟は出来たか?カストカゲ)
(死ねるものならとうの昔に死んでいる……)
何やら打ちひしがれているが俺には関係ないな、カッ消す。
ついでにカストカゲ抜きで神器を使えるようにもしておくか。
それなら何の問題もないからな。
「あ、あのね…イッセー君!私――「はーはっはっは!まさか俺がこんな最後を迎えるとはな……傑作だ!!」――ごめん、イッセー君、ちょっとあのボールを完全に潰して来るから待ってて」
正直に言って空間にひびが入ったと思った。
いや、そのぐらいえげつない殺気がイリナから発されてるんだよ。
あれはやばい……表情を見ただけで背筋が凍りそうだ。
凄まじい殺気を放ちながら、コカビエルに近づいていくイリナ。
歩くたびに大地が揺れているように見えるのはきっと俺の気のせいだ。
「聖剣使いの娘、面白いことを教えてやろう」
「取りあえず、咬み殺すからその薄汚い口を閉じててよ」
やばい、明らかにキレてる…!
(イリナたん!どうかその罵倒を私にも!!)
そしてこっちは平常運転の変態。
「―――神は既に死んでいるんだよ、当の昔に……戦争の時に魔王どもと共にな!!」
コカビエルの言葉と共に辺りが静まり返る………
神が……死んだ…だと!?
そうだとしたら俺の……俺の―――
「カッ消す対象が減っちまうじゃねえか!!」
「咬み殺そうと思ってたのに残念だわ」
先程よりも酷く辺りが静まり返る……。
なぜだ?俺とイリナが何かまずいことでも言ったとでも言うのか?
(相当、不味いことを言っただろ。仮にも教会のお膝元の人間と聖剣使いだぞ?それが神を殺そうとしていたなど前代未聞過ぎるだろ)
(俺が目指すのは最強だ。俺の上には神だろうが何だろうが立たせるつもりはねえ。
全て、カッ消す!!)
(まあ、相棒らしいと言えばらしいんだが……イリナまでとはな)
やはりあいつは俺の幼馴染みだ。
実に気が合うな。
「やはり……神は死んでいたか……ふっ、道理でどれだけ祈ってもイリナから逃れられないわけだな」
何やら悟り切った様子で呟くゼノヴィア。
ゼノヴィアも大してショックを受けてねえみてえだな。
所詮神なんざその程度のもんだ。
その程度のカミングアウトなんざ屁でもねえよ。
「そ、そんな……なら、神の愛はいったいどこに……」
おぼつかない足取りでフラフラとしだす、アーシア。
アーシア、空気を読め。
いや、優しいアーシアのことだからコカビエルの言葉に
乗ってやっているんだろう。
全く、あんなカスに気を使う理由なんざねえのにな。
(むしろ、相棒たちが空気を読むべきだと俺は思うぞ?)
(多数決の原理で俺達の勝利だろうが)
(範囲を広げれば間違いなく、相棒達の方が少数派だ)
(カス共の意見なんざ知ったこっちゃねえよ)
とにかくだ。取りあえず、アーシアを何とかするか。
あの状態だと、帰り道にこけそうで心配だからな。
「アーシア……神の救いも愛もてめえにはいらねえ……」
「え?……イッセーさん?」
「てめえが救いの手を求めたら俺が握ってやる!愛がほしいなら俺が愛してやる!
てめえは俺のファミリーだ!
てめえにあだなす奴は神だろうが何だろうが俺がカッ消す!
てめえは俺にだけ従ってりゃいい!俺がファミリーであるてめえを守ってやる!!」
「イッセーさん……はい…!はい!」
少し涙目になりながら何度も何度も頷くアーシア。
それを見ているイリナからどす黒いオーラが放たれているのは多分気のせいだろう。
『私もショックを受けてたらイッセー君にあんな羨ましいことを言ってもらえたのに…!』
何やら聞こえてくる声も多分気のせいだろう。
「だいたい、あなたが邪魔したからこんなことになってるのよ!咬み殺す!!」
「ぐああああっ!?」
トンファーの一振りで残っていた上半身が消え去るコカビエル……
そう言や、これで丁度半分ずつカッ消したことになるのか?
まあ、その辺はどうでいいか。
「さてと……イッセー君、待たせてごめんね」
先程とは打って変わってもじもじしながら近づいて来るイリナ。
仕草は可愛らしいんだが……さっきの光景が目に焼き付いて離れねえから微妙だ……。
「へえ、随分と面白いことになってるね」
突如、聞こえてくるハスキーボイス……女の声か?
あ、イリナがまた超絶不機嫌になりやがった。
「コカビエルを倒しに来たんだけど、来てみたら跡形もなくなってるなんて、僕も驚いたよ」
結界を砕いて降りてくる白の鎧を纏ったガキ位の身長の奴。
そして、俺達の前に着陸する。
あの鎧は……確か―――
「やあ、僕は今代の白龍皇、ヴァーリだよ――わきゃ!?」
何故か何もない所で転ぶ白龍皇(?)
「うう……何で、僕、何もない所で転ぶのかな?」
「あうう、分かります。その気持ち」
何故か白龍皇(?)『認めたくねえので(?)を付けている』に分かりますと言って
うんうん、と頷くアーシア。天然ドジっ子同士通じるものがあるというのか?
はあ……まあいい、取りあえず―――
「ガキは寝る時間だ。とっとと帰りやがれ」
「ガキじゃないもん!ちゃんとおっぱいあるもん!!」
はあ……面倒くせえのがまた増えやがったな。
後書き
ヴァーリたんの属性はまだ全て出てません(キリッ)
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