転生赤龍帝のマフィアな生活
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三十二話:聖魔剣の輝き
前書き
シリアス「次回からは俺は休みだな」
カオス「後は俺に任せな」
はい、今回はシリアスさん最後の輝きの回です。
それではどうぞ。
光輝く一本の聖剣、それを様々な表情で見つめる者達、驚く者、笑う者、
憎悪の表情を浮かべる者………誰もが動きを止めて一本になったエクスカリバーを見ます。
いえ、一人だけ動いている者―――狂ったように笑うバルパーだけが動いています。
「ふははははは!!!ようやく私の夢が叶ったのだ!!!!!………そう言えば、君は『聖剣計画』の生き残りだったな?感謝しよう、君達の尊い犠牲のおかげで私の夢が叶ったのだ!!!!!」
まるで祐斗殿の怒りを煽るようにそのようなことを語り掛けるバルパー。
勿論、祐斗殿は怒りのままに叫び返します。
「ふざけるな!!!貴様に殺された、皆の想いが分かると言うのか!!!??」
「ははははは!!!……今日は気分がいい、特別に君には本当の事を話してあげよう」
「本当の事…だと?」
もはや、正気を保てなくなってしまったのではないかと思わせるほど顔を歪ませて笑う
バルパーが祐斗殿にそんな言葉を投げかけてくる。
それを聞いて戸惑った表情を浮かべる祐斗殿。
真実とは一体……?
「何、生き延びたご褒美だ……聖剣を扱うにはある特殊な因子が必要だ。まあ、簡単に言えば聖剣因子とでも言うものかね。私は『聖剣計画』において君達を集めて因子の有無を研究した……だが、誰一人として聖剣を扱えるほどの因子を持った物はいなかった」
「僕達に……聖剣因子が無かったからか…!!」
「残念だがそうではない」
違う?それは一体どういう事でしょうか?
「君達にも少なからず因子はあった……だが、足りなかったのだ。だからこそ私は考えた、足りないのなら寄せ集めればいい―――出来損ない共から因子を抜いてね」
「何……だって…?」
茫然とした顔をする祐斗殿の前に青い瓶が一つ、乱雑に投げ捨てられる。
あれは…まさか…!?
「因子を抜いて、それを集め、結晶化すれば、聖剣を第三者が扱うことが出来る!!!たとえ才能が―――因子がなくともな!!!その瓶に詰まっている物こそが君達から抜かせてもらった因子だ。もう私には必要が無い物……ゴミ同然の物だ、ご褒美として君にあげよう」
真実を知ってしまった祐斗殿は
もはや、怒りも忘れてただ茫然と青い瓶を見つめるしか出来ませんでした。
バルパー……どれだけ祐斗殿を苦しめれば気が済むのですか!!!??
「バルパー・ガリレイ!!!その理論だと殺す必要はないはずです!!!なぜ祐斗殿の仲間達を殺したのですか!!!??」
「君は余ったゴミを処分しないのか?」
「人はゴミではありません!!!!!」
ゴミ?どうして……どうして、そのような言葉を平然と言えるのですか!!?
お主だけは誰が何と言おうと地獄に落ちるべきです!!!バルパー!!!!!
「僕は…ずっと思っていたんだ…何で僕だけだが生き残ってしまったんだろうって……」
祐斗殿が青い瓶を手に取りまるで懺悔するように静かに語りだします……。
「みんなだって生きたかったはずなのに僕だけが生き残って、それで部長の眷族になって、学校に通えて、友達が出来て……僕だけが幸せになっていいのかと考えた……僕だけがここにいてはいけないって思った……」
止まることなく祐斗殿の頬から流れ落ちる涙が青い瓶を温かく濡らしていきます。
すると突如どこからともなく不思議な声が響いてきました。
『君は生きてていいんだよ、だって君は―――僕達の希望なんだから』
「みんなっ!!?」
光に弱い悪魔の拙者ですら居心地よく感じてしまうような光に包まれて
拙者には良く見えませんが祐斗殿の周りには何やら薄ら青い透明な影が次々に現れてきました。
あれは……いえ、あの方達はきっと祐斗殿の………
「僕は何も出来なかったっ!!!僕は……皆を見捨てて!!!
今は平和に暮らしているのに……っ!!!」
まるで自分を責めてくれとでも言いたいかのように泣き叫ぶ祐斗殿に
優しい言葉が投げかけられます。
『君は僕達を見捨ててなんかいないよ』
『だって、君は今までずっと、僕達のことを想い続けてくれた』
『それが復讐なんだとしても―――君が私達を忘れた日は一日たりともなかった』
「ああ…!!忘れるわけなんかない!!!」
両手で抱きしめる様に因子を持ちながら震える声でそう言う祐斗殿。
拙者達はその様子をただ黙って見つめ続けます。
『君が僕達を想い続けてくれたように僕達も君を想い続ける』
『あなたは一人じゃない』
『一人の力は弱くても、みんなと一緒なら大丈夫』
『だから受け入れよう……聖剣を』
『さあ、歌おう……みんなで歌った歌を―――』
光に包まれた中から聞こえてくる歌―――聖歌
それはとても優しく……美しい歌でした。
『君には神なんていらない』
『だって君には私達が付いているから』
『たとえ神が僕達を見ていなくても僕達はずっと―――』
「一緒だ!!!!!」
全ての光が祐斗殿に纏われそして祐斗殿の中に溶ける様に消えていきます。
そうして、立ち上がった祐斗殿の目には以前のような憎しみは宿っておらず
今はただ、強い覚悟だけを灯していました。
「…………バルパー・ガリレイ。僕の仲間は復讐なんて、望んでいなかった……優しい彼らが、そんなことを考えるわけがなかった……。だけど―――貴方はこれからも人を傷つけ、殺すだろう」
魔剣を創り出しバルパーを静かに睨みつける祐斗殿。
「僕は第二、第三の悲劇を繰り返さない為に―――貴方を、滅ぼす!!!」
「黙れ!!!フリード!!新しいエクスカリバーを使って私を守れ!!!」
「はいはい、ようやく僕ちんの出番ですねえ!!!」
待ってました、とでも言うように嬉々としてエクスカリバーを手に取るフリード。
それに対応するように構えを取る祐斗殿。
……今の祐斗殿なら何も心配する必要もなさそうですね。
「祐斗…暴れてきなさい。私の『騎士』は―――エクスカリバーになんか負けないわ!!!」
「はい!!部長!!!」
頑張ってください!!
そして、拙者達グレモリー眷属の『騎士』の強さを証明してください!!!
エクスカリバーへの勝利という最高の形で!!!
「皆、越えよう…あの時を……叶えることの出来なかった聖剣を―――越えよう!!!」
『魔剣創造禁手化』
祐斗殿の声に呼応するように魔剣が白と黒のオーラに覆われていき
魔剣の形状が変化していきました。
そして、変化が終わった後には一本の白と黒の剣が握られていました。
「『双覇の聖魔剣』……聖と魔を司るこの剣を受けてみるがいい!!!」
「あっひゃっひゃっ!!!何だか知らないけどおんもしろそー!!!!!」
刹那、高速で動き出す両者、恐らくは祐斗殿は『騎士』の速さで、
フリードは『天閃の聖剣』で己の速さを上げているのでしょう。
フリードも聖剣の力のおかげで油断できる相手ではありません。
しかし―――迷いのなくなった祐斗殿の敵ではありません。
「うおっと!?いつの間に後ろに居たの!!?」
「以前戦った時と同じと思わないことだね」
フリードを上回る速度で背後に回り斬りつける祐斗殿。
しかし、それは紙一重のところで躱されてしまいます。
「速さで勝てないなら見えないように動くだけですよー」
そう口走ったかと思うとその場から突如消え去るフリード。
あれは……一体……まさか『透明の聖剣』の力で姿を消している!?
「厄介な能力だね……でも―――」
突如横から現れたはずのフリードの斬撃を簡単に受け止める祐斗殿。
「はあっ!!?なんで見えないのに分かるんですかああ!!!??」
「見えなくても聖なるオーラを感知すればいい…即席のそんなものは僕達には通用しない!!!」
「ああもう!!!厄介ですね、ちみ!!!ムカついてすぐにでも八つ裂きにしてやりたいんですよ!!!!!」
「甘いよ!!それに……敵は僕だけじゃない」
ふと気づくと祐斗殿の後ろの方に立ちゼノヴィア殿が何やら呟き始めていました。
「ペトロ、バシレイオス、ディオニュシウス、そして聖母マリアよ。我が声に耳を傾けてくれ」
ゼノヴィア殿が何やら呪文のようなものを呟くと、
ゼノヴィア殿の手元の空間にひびが入り、
そこから……鎖で包まれている大剣が出現しました。
あれは……聖剣!?しかもエクスカリバーよりも大きなオーラを!!!
「この刃に宿りしセイントの御名において、我は解放する―――デュランダル!!!」
「デュランダルだと!?貴様はエクスカリバーの使い手ではなかったのか!?それに私の研究ではまだデュランダルを扱う所までは到達していないはずだ!!!」
「私は天然ものの聖剣使いでね。そのおかげでこうしてデュランダルが使える」
デュランダルと言えばエクスカリバーと並ぶほどの聖剣です。
ゼノヴィア殿………意外と凄かったんですね。
普段の不遇っぷりのせいで拙者の中での評価が知らず知らずのうちに落ちていたようです
………失礼なことをしてしまいました。
「その威力、その身をもって味わうがいい!!!」
「ひょっ!!?」
フリードに向かって振るわれたデュランダルは惜しくも避けられてしまいましたが
振るわれた軌道にある地面がいとも簡単に削られたのを見ても
その力は一目瞭然です。
「ゼノヴィアさん!!そいつの相手は僕だ!!!」
「ふむ……そうだな。悪魔にこんなことを言うのも何だがエクスカリバーを粉々に砕いてくるがいい」
「ああ!!!」
聖魔剣をもう一本創り出して二刀流とする、祐斗殿。
「生意気な奴らばっかですねえ!!!ほんっと!!!!!所詮は作り物の剣が天下のエクスカリバーに勝とうなんてふざけてんじゃねえよ!!!!!」
「僕達はふざけてなんかいない!!!フリード!!これで最後だ!!!!!」
「いいねえ!!!ぶったぎってやんよ!!!!!」
真正面からぶつかり合う両者、辺りに響き渡る激しい金属音
そして、それは次の瞬間には剣の折れる音に変わります。
跡形もなく折れた剣は―――
「………皆、やったよ…僕達の剣は―――エクスカリバーを越えたんだ」
―――フリードの持つエクスカリバーでした。
「おいおい、まじっすか!!?エクスカリバーが折れちゃうとかどんな冗談だよ………と言うかこの状況っておれっちやばくない?てなわけでエスケープしまあす!!!」
いつものように閃光弾を取り出して目くらましをを企てようとするフリードでしたが
その手は不意に現れたか弱い腕によって掴まれました。
「フリード神父……これ以上罪を重ねないで下さい」
「え!?あ、アーシアちゃん?その構えた拳は何なのかなあって思ってるんですけど?」
明らかに引きつった表情で恐る恐るアーシア殿に声をかけるフリード………
どうやらここでお主とはお別れの様ですね。
まあ、未練など欠片もないのですが。
「すみません―――えい!!!」
「ゲホアアアアアアアアッッ!!!!???」
あっという間に夜空に瞬く星となって消えていくフリード……少しだけ同情します。
まあ、前も生きていたので今回も何だかんだで生きていそうではありますけど
取りあえず、しばらくは顔を合わせることはないでしょうね。
「ば、馬鹿な!?そんなことがあり得るわけがない!聖と魔、二つの相反する力が混ざり合うことなどあり得ない!!!!」
「そんなこと、どうだっていいさ。ただ僕は貴方を斬る!!それだけだ!!!」
何やら混乱したように叫ぶバルパーに淡々と近づいていく祐斗殿、
しかし、バルパーは何やら考え事をしているのかそれに気づく素振りを見せません。
「そうか、わかったぞ!!聖と魔、二つが混ざり合うということは、つまり神が創ったシステムは消失しているということだ!!!つまり魔王だけでなく神も―――」
「ごちゃごちゃ、うぜえんだよ!!!ドカスが!!!!!」
最後まで台詞を言い終えることなく、業火に包まれ、一瞬で灰に変わるバルパー……
ああ……ようやく帰ってきたんですね。
ゼノヴィア殿が何やら意気消沈してますが気にしないでいいでしょう。
「ゔおおおおおい!!!!!遅えんだよおおお!!!!!クソボス!!!!!」
「スクアーロ、後でイッセーにカッ消されるのケッテーイ♪」
「ゔおおおおおい!!!??今のはノーカウントだああああ!!!!!」
スクアーロ殿とブルーベル殿は少しは空気を読んだらどうでしょうか?
まあ、これも気にしないでいいですよね。
ようやく帰ってきたその人―――一誠殿は拙者達を軽く一瞥し、無事を確認すると
突然の新手に驚くコカビエルを見上げて口を開きました。
「人のシマで好き勝手やってくれたじゃねえか……コカビエル風情が」
「貴様何者だ?……いや、この感じは―――『赤龍帝』か!?くくく……ならば相手にとって不足はないな」
「…………………」
コカビエルは今まで見たことのある光の槍とは明らかに格の違う槍を創り出し
それを投げつけます。しかしその槍が届くことはありません。
「……イリナ」
「任せて!!ロール!!!」
『雲ハリネズミ開匣』
「なんだと!!?」
突如、横から現れたイリナ殿が出した匣により一瞬で砕かれる
コカビエルの光の槍。イリナ殿の匣はハリネズミですか……。
あ、ゼノヴィア殿がそーっと戦場から去ろうとしています。
「……どこに行く気?ゼノヴィア」
「じょ、冗談だから許してください!!!」
「まあ、いいわ。今は―――」
一誠殿の隣に立ちトンファーをコカビエルに突き付ける様に腕を伸ばすイリナ殿。
「何、人を見下ろしてやがんだ、コカビエルが!!!人を見下ろしていいのは俺だけだ!!!!!」
「てめえはいいのかよ!!!??」
「カスザメ、てめえは後でカッ消す……だが、今はな―――」
銃を構えてイリナ殿に合わせる様に銃口をコカビエルに向ける一誠殿。
「あなたを―――」
「てめえを―――」
「「カッ殺す!!!!!」」
今ここに『世界最恐』のコンビが誕生しました。
後書き
白龍皇についての報告があります。
取りあえず、ヴァーリたんになります。
そして変態達との協議の結果一先ず多数決で『僕っ子ロリ巨乳』になることが決定しました。多分意見があればまだまだ、属性が追加されていきます。
これで一誠君も巨乳好きの人もWINWINだね(ニッコリ)
だって一誠君はロリコ―――「決別の一撃!!!」
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