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オズのムシノスケ

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第五幕その七

「何も理由がなくてもね」
「叛乱を起こしたい時がですか」
「来るかも知れないよ」
「何で理由がなくて叛乱を起こすんですか?」
「成長するとね、人は自立したくてね」
 そして、というのです。
「自分だけの考えも持ちたくなって」
「それでなんですか」
「自分だけの世界も持ちたくなって」
 そうした要因が重なって、というのです。
「叛乱や革命を起こしたくなるんだ」
「そうなんですか」
「将軍もそうだったんだよ」
「家事もしたくなくて、ですか」
「そう、女性の権利を主張してね」
「女の人の権利って」
 ここで言ったのはナターシャでした、首を傾げさせて。
「ロシアじゃそれこそ」
「女の人が強いっていうんだね」
「はい、うちのお祖母ちゃんなんか特に」
 ナターシャは実家のお祖母さんのことからお話しました。
「皆お祖母ちゃんの言うこと聞いて大事にしていますよ」
「それも女性の権利だね」
「認められていますよね」
「うちのお母さんネットビジネスやってますよ」
「うちのお母さんも働いていますけれど」
 ジョージと神宝も言います。
「それでかなりお金稼いでいます」
「部下の人も結構いますけれど」
「私のお母さんもです」
 恵梨香もでした、自分のお母さんについてお話します。
「パートに出て働いて」
「そうだね、今は女性の権利があるね」
「昔は違ったんですね」
「オズの国ではあったよ」
「それでもなんですか」
「将軍は叛乱を起こしたんだよ」
 沢山の女の子達を率いてです、その数は結構なものでした。
「女性の権利の為にね」
「あったのにですか」
「それ以上のものを求めてね」
「何か私も」
 恵梨香もでした、首を傾げさせてしまいました。
「わからなくなってきました」
「将軍の叛乱のことが」
「はい、どうにも」
「叛乱といっても色々でね」
「そうした色々な理由があって起こす叛乱もですか」
「あるんだよ」
「そしてその理由に何となく起こしたっていうことも」
 そのこともというのです。
「あるんですね」
「そうなんだよ。あるにはあってね」
 そしてというのです。
「将軍は一度はエメラルドの都を占領したんだ」
「それはかなり凄いですね」
「うん、とにかく叛乱はね」
「理由がなくてもですね」
「起こったりもするよ」
 教授はこう五人にお話します。
「自分達の世界なりを持ちたくてね」
「よくわからない理由ですね」
「若いとね」
「若いとですか」
「そうしたことをしたりもするんだ」
「何かどうにも」
 また首を傾げさせた恵梨香でした、やはり今はまだそうしたことはわからないです、この五人の子供達には。 
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