八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第九話 はじめて見たツンデレその九
「それじゃあ貰っていいかしら」
「アイスとホットどちらがいいでしょうか」
「お抹茶の冷たいの?」
ダオさんは小野さんの今のアイスかホットかという問いに対して怪訝な顔になって問い返した。
「日本じゃ冷たいお茶も飲むっていうけれど」
「はい、そうです」
「冷たいお抹茶ね」
「そしてお砂糖を入れることもありましが」
「そうなの、それじゃあね」
ダオさんはここまで聞いてから小野さんに答えた。
「アイスで、お砂糖を入れてね」
「そちらをですね」
「頂いていいかしら」
「どうぞ」
小野さんは微笑んだままダオさんに答えた。
「では暫く後で」
「ええ、お茶を持って来てくれるのね」
「他の方々は何を飲まれますか?」
小野さんは僕達にも尋ねてきた。
「一体」
「そうですね、じゃあ僕も」
僕は小野さんにこう答えた。
「アイスで」
「お抹茶をですね」
「はい、お砂糖を入れて」
ダオさんに合わせた訳じゃないけれど興味を持ったのでこれにした。
「それでお願いします」
「わかりました、それでは」
「私は。そうですね」
小夜子さんは少し、それもわりかし深刻な顔で考えてから小野さんに答えた。
「普通は熱いものですが」
「今回は、ですね」
「アイスでお願いします。ただお砂糖は抜きで」
「わかりました」
詩織さんと千歳さん、早百合先輩もアイスのお抹茶、つまりグリーンティーだった。三人ともお砂糖も入れている。
けれど美沙さんは考える顔でだ、こう言った。
「冷やしたお抹茶って美味しいのかな」
「それかなり興味深いネ」
「お抹茶は知っているあるが」
ジューンさんと水蓮さんも言って来た。
「それでもネ」
「どんな感じあるか?」
「その美味しさを知って頂ければ何よりです」
小野さんが三人に笑顔で答えた。
「お三方にも」
「よし、それじゃあな」
「ワタシもアイスグリーンティーネ」
「それにするある」
勿論砂糖も入れてだ、そのうえでだ。
皆でそのアイスグリーンティー、つまり冷やしたお抹茶を飲んだ。そうしてそのうえで僕は一口飲んでからだった。
そのうえでだ、こう言った。
「美味しいね」
「ええ、そうよね」
ダオさんが僕に応えてくれた。
「実際に飲んでみると」
「熱いお抹茶も美味しいけれどね」
「こっちも美味しいわ」
「しかも甘くて」
「案外お砂糖にも合うのね、お抹茶って」
「不思議な味だよ」
「何かね」
こう二人で話した、そしてだった。
他の皆も美味しいという顔だった、そして。
その中でだ、小夜子さんはこんなことを言った。小夜子さんのアイスグリーンティーはお砂糖が入っていない。
「茶道本来の飲み方ではないですが」
「それでもよね」
その小夜子さんにだ、詩織さんが応えた。
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