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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第九話 はじめて見たツンデレその四

「それで詩織さんも」
「はい、私もです」
 僕に微笑んで答えてくれた。
「テニス部に入りました」
「掛け持ちでね」
「テニスもしたくなりまして」
 それで、というのだ。
「入りました」
「身体も動かして」
「そちらも楽しませてもらおうと思っています」
「合唱もいい運動になるわよ」
ダオさんは合唱のことも言ってきた。
「筋力トレーニングもするし腹筋いつも使うから」
「だからだよね」
「そう、合唱部も痩せられるわよ」
 こう言うのだった。
「だからダオも痩せてるのよ」
「というかダオって随分ちっちゃいネ」
「そうあるな」
 ジューンさんと水蓮さんがダオさんの小柄さを指摘した。
「そのちっちゃいのも可愛いっていうカ」
「いいあるな」
「そこも売りだしたらネ」
「彼氏ゲット出来るあるぞ」
「そうね」
 ダオさんは僕の方をちらりと見てから二人に答えた、畑中さんは見なかった。
「ダオ小さいことは気にしていないから」
「別にコンプレックスに持っていないんだネ」
「じゃあ言ってもよかったあるな」
「ええ、小柄って言われてもいいのよ」
 ダオさん本人の言葉だ。
「胸のこともね」
「それもなのネ」
「いいあるか」
「あんた達が大きいのもいいわ」
 そして、というのだ。
「ダオの胸がないこともね」
「へえ、そっちもなのネ」
「気にしていないあるか」
「ある日本の人に故郷で言われたのよ」
 ホー=チ=ミンにおいてというのだ。
「子供の頃、胸が大きくても小さくてもね」
「どっちもそれはそれでいいっテ?」
「そう言われたあるか」
「子供の頃にね、ダオもそれならと思ってなのよ」 
 それでだというのだ。
「背と胸のことは気にしてないの」
「成程、その日本人いいこと言うネ」
「背が低い、胸が小さいでもそれはそれでいいあるか」
「確かにね、ワタシも小柄な娘好きだシ」
「胸がなくても人気があるものある」
「小柄、貧乳は一つの世界って言われたのよ」
 その日本の人にというのだ。
「その人お医者さんで左右にアオザイの女の子達持ってたけれどダオを見て言ったのよ」
「お医者さん!?」 
 ここで僕はまさか、と思った。それでダオさんに身を乗り出す様にして尋ねた。
「ちょっといいかな」
「どうしたのよ、急に」
「どうしてお医者さんってわかったのかな」
 まずはこのことを確認した。
「それはどうしてかな」
「ええ、その人が自分から名乗ったのよ」
「お医者さんって」
「ついでに日本人ってね」
「それでダオさんもその人が日本人ってわかったんだね」
「ええ、そうよ」
「そうなんだ、それじゃあ」
 このことを確認してからだった、僕はダオさんにさらに問うた。 
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