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聖魔弾の銃剣龍神皇帝と戦姫

作者:黒鐡
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第1巻
  一日の行動×監視役ルーリック

俺がエレンからの質問や頸を刎ねる事を阻止してから、十日は過ぎた。客将扱いなのだが、捕虜とあんまり変わらないようであった。何でも今まで捕虜や客将扱いをした事がないらしいから、慣れていないとたまに俺には聞こえない声でそう言っていた。まあ聞こえるんだけど、風の精霊から呟きから内緒話まで何でも聞こえるのでな。生活はまあまあになってきたが、まず朝起きた後からの行動は見張り役の兵士を呼んでもらい、それから鍛錬を開始する。基礎トレーニングに筋トレや剣術をな、武器は貸してもらえないからいつも空間から出した木刀でやっている。そんで朝食を食べるんだが、見張り役の兵士というのが俺に粗悪な弓矢を渡して危うく処刑されそうになったルーリックという者だった。あの時は黒髪があったはずなのに、今ではまるで抗がん剤治療をしたみたいに頭がつるつるしたハゲとなっていた。

「ティグルヴルムド卿。今後はこのルーリックが、あなたの監視役を務めさせて頂く事になりました。とはいえ、この公宮におられる間、不自由で不快な思いをさせるつもりはございません。何なりとお申しつけ下さい」

最初に聞いた時がこれだったから、思わず呆気なかったほどの笑顔をしていたのだった。それと俺が捕虜ではなく客将となり、もし俺の国に危機があった時は一人では行かないようにと言われた。ライトメリッツから援軍として参るらしいが、俺としてはついて来られるのかな?と思った。そんな事よりこいつの爽やかな笑顔であったからか、俺は一度聞いてみた。

「ところでお前の黒髪はどうしたんだ?」

「剃りました」

その一言だったが、率直な返事でもあった。

「戦姫様に、命の次に大事にしているものを差し出すよう命じられまして。本来なら死ぬはずだったところを、ティグルヴルムド卿の慈悲によって生きながらえる事が叶ったのだからと」

なるほど、俺が許したから命の次の大事な物は人それぞれだがルーリックにとっては艶のある黒髪だったか。そしたら突然ルーリックはその場に膝をついた。

「今更ながらではありますが、あのような恥知らずな行いをお許し頂き、感謝の言葉もございませぬ。そして、あの見た事のない飛び道具での正確な腕を持つ事に感服致しました。あのような神技は見た事もなければ、あのような遠い所でも敵を倒せるとは思いませぬ。このルーリック、弓には些か自信があったのですが、今はただ己の未熟を恥じるばかりです」

「その見た事のない武器は弓から進んだ技術と言っておこうか、それにこれについては今の所どの国にも伝わっていないからしょうがない事だ。遠くの敵を倒せるのは弓だと思われがちだが、我ら神国は弓以外で遠くの敵を倒せる道具を持っている。あとあれは神技ではないよ、俺の部下でも出来る事だ。まあこれの事はあまり大きな声で言いたくないんでね、貴公は貴公の術や己自身を磨くが良い」

そう言ったら更に頭を下げてたけど、今では細かいところや些細なところでもついて来るようになった。俺が朝の鍛錬をしたいと言ったら、自分が見張り役をしますとの事なので、今では朝の鍛錬が出来るようになった。鍛錬が出来ない時は、空間にある疑似空間で鍛錬をした後にトレミーに行き風呂に入る。と言っても分身体は水で汗を拭いているが、本体は風呂に入っている事は知らないだろうな。風呂から戻った後に分身体と合流してから、俺は朝食を食べるのだがなぜか他の兵や侍女たちと一緒に食べる事が多い。たまに俺から作らせてくれと頼んだら監視付きでならと言われてから、俺らの国での料理を作ってから厨房付きの侍女やここの主であるエレンにも食べさせたら予想通りの落ち込む事となった。

『なぜ同じ材料なのに、こんなにも美味しいんだ!』

と侍女達やエレンにリムにそう言われたから、俺が料理好きと知るとたまに俺が朝食を作る時がある。客将の身分なのなと思いながらだったが、今はもう慣れた。あとはたまに厨房長からの頼み事も多いなと思ったら昼食の時に頼まれたのだった。

「ティグルさん。申し訳ないんですが、また手伝ってもらえませんか?」

手伝いというのは、野鳥や野兎、大鹿などの解体作業であるが、俺がやると血抜きをしてから内臓を取るので、これについても好評である。摩訶不思議な力で、一切汚れがないとか言われるけど。俺は快く引き受けた。

「今回は何だ?」

「大鹿です。今夜のシチューとして使いたいのですが、今夜のシチューはティグルさんが作ってもらえますか?リムアリーシャ様がそう仰っていたので」

俺は厨房の奥に行きながら今夜のシチューを俺が作る事を了承させてから案内されるが、刃物は俺のを使う事が義務付けれている。というより他のを使ったとしても、使い慣れたこっちの方が使いやすいからである。エレンに言ったらすぐにOKをもらった。剣から短刀にしてから、俺は手慣れた手つきで解体しながら血を浄化しながらの解体をする。浄化は肉以外のを消滅と浄化をしながら手でやりながら肉を切り分けて、臓器を素早く取り払ってから解体を終わらせる。

「いつも思うのですが、どうしてティグルさんはそこまで早くできるのですか?」

「そりゃ俺が料理好きだからだろうな、それに解体をするのはあんまりやった事はないが」

「何度見ても惚れ惚れする摩訶不思議な力はいったいどうやって身に付けたのですか?」

「そりゃ俺の国には摩訶不思議な力を持つ者が多い、俺の国にはこういう力を持つ者もいるからな」

俺がプトレマイオス神国の者だと言うのは、既に伝わっているからかこの間とは違うほどの目線を送ってくる。浄化は血や匂いを無くす事と消滅は肉以外を消滅する事が出来る神の力のだし。最もこの力を持つ者は俺以外はいないが、一応神国なのでいると言っておく。主に武装や武器がこの世界と違うからな、例えばオートマトンやISなどの兵器もない国だ。真上には戦艦が停まっているし、何千キロからの先でも索敵システムに引っかかる。そう思いながら解体をした後に駄賃をもらうが、牛や豚も同じく解体出来るので駄賃が高いけど。

「昼頃になったらまた来てください、シチューを作ってほしいので」

俺は分かったというような手を振りながら厨房を後にしたけど、そこからは歴史書や本などを読むと言って部屋に戻るが隣の部屋がルーリックらしいから俺が外に出たら呼ぶようにしている。俺の監視役=見張り役だからな、俺が武器を所持してもいい事になっているのはエレンが決めた事となっている。神国の者とは中立として見ているからかもしれんが、敵国ではない事だけは確かだ。昼まで待つ事となったが、俺はノーパソを出してから神国での報告書を見ていたりしている。あちら側が気になるからと同時にエレン達がいつでも出れるようにしないといけないのでな。約束の時間となったので外に出ると既にルーリックが待っていた。

「早いな、俺がいつ出てもおかしくないんだな?」

「先ほどの約束の時間を聞いていたので、それとあなたの行動を全て報告する義務がありますので」

とか言っていたから、俺は気にしないまま厨房に行きシチューを作り始めた。ルーは俺の国にあるモノで作り、そして味見を厨房長とルーリックに味見をするととても美味しいと言われる。驚愕というリアクションには飽き飽きだったが、まあいいやと思いながら散歩を始めた。ルーリックがそこから先は立ち入り禁止と言われるまで歩き回った。夕方頃になると俺は銃の腕が鈍らないか、弓の訓練場に行くけど、的がそこしかないし他でやったら音がデカいのでいつも人がいるときにやる。

「それにしてもあれほどの腕前を持っているのに、銃でしたかな?鍛錬を欠かさずやるというのは改めて感服致しました」

「今回は音が鳴らないようにしとくけど『出来れば音が鳴ってほしいところです。戦う時に慣れないといけませんので』そうかー?まあルーリックがそう言うなら音有りでやるけどな」

そう言いながら弾は自然消滅で水性のペイント弾にしたのだが、音は相変わらず同じ爆音だ。俺は訓練時にヘッドホンをつけないが他の者は訓練する時はつけている。まあ俺はもう慣れているからな、で、この爆音により兵士が集まってきたけどな、ドライグを召喚した後に素早い的として撃つ事もある。普通なら動きまくる的を射るのは不可能と聞いたが、俺らは動く的を射てるからな、訓練終了後になったら侍女達が俺の相棒の身体に付着したペイントを落としていた。最初は恐がっていたり喋ると離れたりとだったけど、今では慣れているようだった。

「戦場や今とは弾というのが違うのですね」

「まあな。訓練する時は水で落ちる弾にしている、的を穴だらけにするなとエレンから言われているからな。剣や弓も同じだと思うが、材質によって使い手の強さが違って来る事は知っているよな?」

「はい。高価なほどいいのかまでは存じ上げませんが」

「手に入りにくい物を使っても、手入れや修理が大変だ。まあ弓使いで教えとくなら竹という材質を覚えておいて損はないぞ、海の向こうにあるヤーファ国と我が神国に生えているモノだ。俺の国はたくさん生えているから、唯一他の国でも売りに行っている。ジスタートの弓使いにも売りに行った事があった」

「一度だけ神国から来た者に見せてもらいましたが、あれを弓にするのであればとても高いと聞きます。滅多に手に入らない素材ですが、ティグルヴルムド卿の国にはたくさん生えているのですか。竹もよろしいですが、竜から造られた弓が欲しいですな」

ルーリックが言った竜から造られた、というのは存在しない事を言う表現の事だ。ドラゴンというのは前にも話したが、山や深い森にて生息していて滅多に姿を見せないそうだ。野生のドラゴンも見た事ないと言うが、俺がここで初めてドライグを召喚したからかホントにいるという証拠になってしまった。俺のは喋れるし異世界にいるもんで、籠手に封印された魂なんだが。神国以外の者達にとっては、竜は御伽噺の存在しかないと思っているのがほとんどだ。角・爪・牙・鱗もこの世界では加工出来ず、斧で切ろうとも逆に斧が壊れるが、竜から造られたものは存在しない。が、俺は持っている、赤龍帝の籠手というのをな。

「ドラゴンの事を言うのであればあまり言わない方が身のためだと思え、俺の相棒であるドラゴンが少しお怒りのようだからな」

「それは申し訳ない、ティグルヴルムド卿は龍使いとも言われておりますからな」

『実際ドラゴンの鎧を纏える相棒何だがな』

『この世界ではドラゴンの武器は存在しない事になっている。まあ存在しなくとも、これからの戦で見せる時が来るかもしれんからその時は加減調整を頼んだぞドライグ』

『ああ任せろ相棒。そうしないと一国どころか、この大陸ごと滅ぶ力を持っているからな』

夕食になったら俺が作ったシチューを食べるが、男は泣きながら食べて女は落ち込みながら食べていた様子を見ていた。エレンやリムも女のプライドを粉々にしたとばかり言っていたとアリファールからそう言ってた。別名女殺しだからな、食べ終わるとそれぞれ部屋に戻って行くから俺も戻って行ったけど。風呂とかは時間で決められているようなので、井戸の水から汲んで薪で暖めるらしい。俺はそんなのはしないので、風呂の時だけトレミーに帰還したのだった。 
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