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オズのムシノスケ

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第三幕その十一

「そうしよう」
「わかりました、皆で」
「まずはこの校舎を」
「そしてこの校舎で見付からないと」
 そうなってもというのです。
「後はね」
「後はですね」
「それからは」
「他の場所を巡ろう」
 それからもだというのです。
「そうしよう」
「本当に一つ一つですね」
「校内のあちこちを」
「そして探して」
「見付けるんですね」
「そうしよう、時間はあるから」
 このことについては問題ないというのです。
「焦ることはないんだよ。何でも焦ったらね」
「それで駄目になるのよね」
 それで、と教授に応えたのはドロシーでした。
「何ごとも」
「そう、だからね」
 教授もドロシーに応えて述べます。
「一緒に行こう」
「一つ一つの場所を」
 こうお話して皆で食堂を後にするのでした、そして次に行く場所は。
「私の部屋にも行こうか」
「えっ、教授のお部屋にもですか」
「学長室にも」
「うん、行こう」
 そうしようというのです。
「あそこにもね」
「ええと、流石にあそこは」
 カルロスが教授に言います。
「ボタン=ブライトもいないんじゃ」
「いやいや、それはね」
「わからないんですか」
「そうだよ、何でも絶対はないからね」
「だからですか」
「私の部屋も隅から隅まで探してね」
 そして、というのです。
「天井裏も探そう」
「あっ、言われてみると」
 カルロスもここではっとしました。
「天井裏になんかは」
「彼がいそうだね」
「はい、確かに」
 言われてみればでした、このことは。
「それじゃあ」
「私の部屋も探そう」
「隅から隅まで、ですね」
「天井裏もね」
 こうお話してでした、そのうえで。
 皆は教授の学長室にも向かいました、とにかく大学の中を隅から隅まで隈なく探してです、ボタン=ブライトを探すのでした。 
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