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仮面ライダーディケイド 〜覇者の帝具〜

作者:カツゲン
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目的

エンペラーの両手に現れた光の中から
二本の剣が現れる
時計の針のような形をした剣だ

「先手必勝!」

マインがパンプキンを撃つ
だが、銃弾はエンペラーの目の前で消えたかと思うと、
彼の背後に現れ、そのままどこかへと飛んでいった

「え!?」
「これがエンペラーの力…」

ナジェンダが呟く

「その程度の速さなら簡単に避けられる」

マインの元へと走りこみ、剣を降る

「ぐっ…」

ギリギリ、パンプキンで受け止めるが
重さで後ろへと押し飛ばされる

「かかったな!」

いつの間にか背後へ回っていたラバが
大量の、糸で出来た槍をエンペラーへと向かって投げる
数本は視認出来ないほどのスピードでよけたエンペラーだったが
背後からの完全な不意打ちに、避けるのが遅れてしまい
膝を負傷する
が、その傷はすぐに消えてしまった

「不意打ちか…なかなかやるじゃないか」

瞬間、エンペラーは剣を振り上げ、
ラバの目の前へと現れる


「死ね」
「どうかな?またまたかかっちまったな」

エンペラーは剣が振り上げたまま、動かない事に気づく

「二段構えだ!」

ラバが両手を広げるとエンペラーの周りに
大量の糸が集まり、身動きが取れない状況になった

「変幻自在、細さによっては目に見えない糸…
やっかいだ…」

立ち直ったマインが歩み寄ってくる

「どうだ!思い知ったか、この…」

マインが少し考える

「この…マスク野郎!」
「まんまじゃん…それにほとんど何もしてなかったじゃん…」

マインの迷言にラバが突っ込む

「二人ともよくやった
思ったより簡単に捕まえられたな」

あまりにも簡単に捕まえられたため、
ナジェンダが驚いたような表情で言う
後ろには同じように驚いているチェルシーもいる
ナジェンダがエンペラーの方を向く

「正直、ここにいるのはかなり驚いた…」
「フフッ…ただの気まぐれだよ」
「単刀直入に聞きます
エンペラー…いや、セーファス殿…あなたの目的はなんだ?」
「この腐り果てた世界を変える
それが私の目的…だった」
「だった?」
「つい最近、
拷問場を襲う直前までは
集めた人々と共に
帝都を侵略し、そこを拠点として世界を一つにまとめ
苦しむ人々がいない世界を作るつもりだった
だが、拷問場の様子を見て、
この世界は既に手遅れであると気づいた
だから私は決めた…」
「何をだ」

エンペラーはベルトに触れた

「この帝具はな…覚醒すると
時空の壁を超える事ができるらしい
それを使い、新たな世界を作ることを決めたのだ
そこには私が見つけた優秀な人間だけを住まわせる」

エンペラーは続ける

「そうすれば!
人が少ないから統制もしやすく!
よからぬことをしでかす者も現れない!」
「…話が随分と突拍子もないが…
恐らく本当なのでしょう
しかし、あの者達はどうするのです?
拷問場から失踪した人々は貴方の元にいるのでしょう?
彼らは貴方にとってなんですか?」
「私は彼らを救済した
彼らは私の駒だ」
「救済?何が救済ですか?
今も戦いで何人も命を落としているのですよ?」
「彼らはあのままでは拷問をうけ、
ただ死ぬだけであった
だが、私があそこから連れ出すことで
拷問は受けない
そして、戦わせることで
新たなる世界を作るために死ねる!
最高じゃないか!
大いなる目的のために犠牲になる!
素晴らしい名誉だ!」
「そこまでくると狂ってやがる…」

ラバが引きながらいった

「狂っている?
私を否定するのか?
私は新たなる世界の神となる男だぞ?
争いのない平和な世界の神に!」

エンペラーが叫ぶ

「私は大いなる目的のために
行動している!
その過程で何人死のうと
それは必要な犠牲だ!
そいつらにとっても名誉な事であるはずだ!」

エンペラーは両手に持っていた剣を振り、
恐ろしいほどの力で
ラバの紐を斬った
先ほどまでより明らかにパワーアップしている

「おお…素晴らしい…
この帝具もだいぶ体に馴染んできた…
またさらに力がついているのを感じるぞ…!」

マインは咄嗟にパンプキンを放った
だが、エンペラーはラバを掴むと
盾の代わりにして防いだ

「ガ…クッソ…」
「ラバ!」

ラバの体が地面に崩れる
急いで両手で糸を操り攻撃を防いだようだが、
それでも気絶してしまった

「今のは近くにいた…こいつが悪い」

今度は一瞬でマインの目の前に現れ、
腹を蹴り上げた

「グハッ…」

マインの身体も地面へと倒れる

「ナジェンダ…それと…貴様…」

エンペラーがナジェンダとチェルシーの方へ向き直る

「お前達なら私の新しい世界にピッタリだ
どうだ?こないか?」
「「断る!」」

二人が口を揃えていう

「そうか…実に残念だ」


ナジェンダが最後に覚えているのはこのセリフだった
次の瞬間、目の前は真っ白になり…意識をなくしてしまった


「生かしてやる…
我々が目的を達成したあと、
さらに腐っていくであろう世界を、
存分にその目に焼き付けるがいい
この世界がどれだけ救いようのないものか
きっとわかるはずだ」












エンペラー達から少し離れた所にアポロガイストがいた

「やはり、狂気に飲み込まれ始めているか…」

アポロガイストが静かな声で呟く

「ククク…いいぞ…もっと暴れるがいい…
すべて我々の計画通りだ…」

アポロガイストはエンペラー達の様子を見届けると、
ひっそりとテクシスの城へと向かった
 
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