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『自分:第1章』

作者:零那
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『同居』

ユウの両親が、天理教出てコッチおいでって。
弟の寝る部屋移すからって。
弟も了承済みだった。
ユウが高校卒業する迄、約1ヶ月。
卒業したらスグ入籍しなさいって。
世間体や近所の問題もある...
でも、零那は断った。
強制的に夫婦になっても意味が無い。
それこそ形だけになる。

零那にとって『家族』『家庭』ってのには特別な想いや理想がある。
自分の生きる居場所として、子供にとって...今迄の事も含めて話してきた。
お母さんは『チャント解ってるつもり!ユウには今からキチッと自覚芽生えさしたら良いんやろ?』って。

零那は頷いた。

『とりあえずウチおいで。栄養も考えなあかんし放っといたらアンタ何するか解らんし。それに誰かに何かされてもあかんしな!!』って...
拉致レィプ事件のこと知ってる?
知るわけ無いよな?
ユウがそんなん言うわけないし...
今迄の事があるからかな...?


バイトから帰ってきたユウは、当然不満そうな顔。
ずっと喧嘩続きやし、大体他に人居ったら話さんし、そりゃあ気まずいわな。

お母さんがユウに話した。

『男の責任、父親の責任、覚悟』ってもんが、どんだけ大事か。
『女は子を身ごもれば母の自覚、責任は芽生える』と。

『実感がない男はソレが難しい』と。
そんなん零那も散々言ってきた。
マザコンのユウは、お母さんの言葉には素直に頷いてた。
普段うっさいクソババァとか言ってるくせに。
結局未だに甘えん坊のガキか。
見てて腹立ったから屋上行った。
寝るときは奥の部屋でユウと2人。
背中を向けて寝る。
そんな日々が続いた。

 
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