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『自分:第1章』

作者:零那
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『決心』

散々揉めて泣いて叫んでを繰り返した。
その結果、ユウは父親になるって覚悟を決めた。
零那は、今更やけくそで無理して不服そうな顔で言われても嬉しくなかった。
惨めで情けなかった。
なんでこんな奴のこと好きやったんやろ...


父親が居らんでも育児は出来る。
高松のオッチャンと兄ちゃんが『行き場所無いなら此処で産め!面倒見たる!』って言うてくれてる。
甘えることになるけど、やけくそで父親なるって言う人より断然良い。


『おまえが泣くしひつこいし産ますしかない思たんだろが!』

すぐ零那のせいにする。
零那だけが悪いん?
できたら産めばいいって言ったん誰?
信じた零那が馬鹿?
責任転嫁も大概にせぇ。
偉そうに口だけで。

ユウの両親とは、ユウが居らんときに何回も話してる。
ほんまに色々試して試されて、罵り合って、冷静な話し合いなんか殆ど無かった。
それでも両親は最終的に零那を認めてくれた。

何も知らんのはユウだけ。
試されてるとも知らず、覚悟も無く、情けない男。

ユウのお母さんが言ってた。
口だけは偉そうなこと言う甘ったれやけん苦労はするでって。

正直、ユウと一緒になりたいって事より、この子を産みたいって気持ちが最優先。

それをお母さんにも言った。
怒られるだろうと思ったら笑われた。
お母さんも10代でユウを産んでる。
ユウのお父さんのお母さんは、ごっつい頭の固い人。
凄く大変だったって聞いた。
でも、お父さんが凄くシッカリしてたから揉めることは無かったって。

だから、こんな事態になるのはユウがシッカリしてないからやし、それは育てた私の責任もあるって。


ほんまに出来た両親や。
せやのにユウは何でこんなんなんやろか...

 
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