オズのムシノスケ
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二幕その六
「学校のお勉強も出来ます」
「そういうことだね」
「はい、ですから」
「うん、私の見た通りだね」
「そうです」
「そして君も」
今度は恵梨香に言う教授でした。
「成績は悪くないね」
「私もですか」
「そう思うけれどどうかな」
「恵梨香は優等生なんですよ」
カルロスが笑顔で教授にこうお話しました。
「八条学園の中でも」
「いえ、私はそんな」
「実際に凄く頭いいじゃない」
成績がいいとです、カルロスは謙遜しようとする恵梨香に言います。
「特に国語と社会が」
「そうかしら」
「英語だって出来るし」
「皆とお話してるから」
だからだと返す恵梨香でした。
「そのせいよ」
「それでも出来るよね」
「まあ。お話したり書いたりとかは」
「ほら、とにかく恵梨香はね」
「お勉強がなの」
「そう、出来るよ」
そうだというのです。
「僕達の中で一番ね」
「だといいけれど」
「とにかく君達にはね」
五人には、とまた言う教授でした。
「ベンキョー錠は不要だよ」
「そうですか」
「別に」
「そうだよ、だからね」
「だからっていいますと」
「私達は」
「うん、身体を動かすべきだよ」
つまり体育に励むべきだというのです。
「この大学の学生の諸君の様にね」
「そうですか、じゃあ」
カルロスは教授の言葉を聞いてでした、こう彼に言いました。
「サッカーも」
「フットボールかい?」
「いえ、アメリカンフットボールじゃなくて」
「あちらのフットボールをかい」
「していいでしょうか」
「いいよ、ただね」
教授はサッカーをすることはいいと答えました、ですがそれと一緒にです。カルロスにこうしたことを言いました。
「ただ、この大学だけでなく」
「オズの国で、ですか」
「スポーツは盛んなんだがね」
「サッカーはですね」
「ドロシー王女から聞いているかも知れないが」
ここでドロシーを見た教授でした。
「この国はアメリカの風俗文化の影響が入るから」
「だからですね」
「そう、楽しまれるスポーツもね」
アメリカのそれに近いというのです。
「だから野球やバスケ、アメフトが盛んでね」
「そしてですね」
「サッカーはね」
そちらはといいますと。
「あまり、だね」
「アメリカでもサッカーは盛んなんじゃ」
「うん、楽しんでる人は多いよ」
実際にとです、アメリカ人のジョージがカルロスに答えます。
ページ上へ戻る