| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

オズのムシノスケ

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二幕その一

                 第二幕  王立大学に着いて 
 一行はエメラルドの都の緑からです、やがて。
 黄色い煉瓦の道を歩いているとでした、その左右の草原がです。
 緑からでした、まるで二色の絨毯の分かれ目の様に。
 青に変わりました、神宝は自分の青い服を見てからこうドロシーに言いました。
「マンチキンに入りましたね」
「そうね、今ね」
「ここからがマンチキンの国ですね」
「貴方達が最初に来た国でね」
 そしてとです、ドロシーも言います。
「私が最初に来たオズの国でもあるわ」
「そうでしたね、カンサスから」
「あの時が懐かしいわ」
 ドロシーは微笑んで神宝に答えました。
「最初にオズの国に来た時がね」
「かかしさんに木樵さん、臆病ライオンさんにもお会いして」
「エメラルドの都にも行ってね」
「ドロシーさんの最初の旅でしたね」
「その最初の旅からね」
「大冒険でしたね」
「エメラルドの都までのね」
 そして都に着いてからもでした。
「私の最初の旅行よ」
「そうでしたね」
「確かそれまでは」
 ドロシーがオズの国に入るまではです、赤い服のジョージが言います。マンチキンの青の中に赤が映えます。
「ドロシーさん旅行はされてなかったんですよね」
「殆どカンサスにいたわ」
「そうでしたよね」
「オズの国に来てからね」
「ドロシーさんの数多くの旅行がはじまったんですね」
「そう、トトもね」
「いや、ご主人とはね」
 そのトトも言うのでした。
「カンサスからの付き合いだけれど」
「オズの国に入るまではね」
「一緒に旅行はしていないよ」
 トトもだというのです。
「僕もそうだよ」
「そうだったわよね」
「それがね」
「オズの国に来てからなんだ」
「沢山の旅をして」
 そして、だったのです。
「沢山の人達に会ってきたわ」
「そうですよね」
「私の旅はそうした旅よ」
「だから今回の旅も」
「何が起こるのか楽しみよ」
 心からこう言うドロシーでした、ジョージにも。
「いつもいきなり起こるけれどね」
「何かはですね」
「若しくは誰かが出て来るか」
「いつもいきなりですね」
「そう、オズの国では特にね」
「私はあれですね」
 ナターシャはマンチキンの青い草原と遠くに見える青い森達を見ながら言うのでした、その黒い服をひらひらとさせて歩きながら。
「オズの国の不思議な人達と」
「会いたいのね」
「オズの国には面白い人達が一杯いますから」
「そうなのよね、このマンチキンの国も」
「そうでしたね」
「そうでしょ、マンチキンの国にはね」
 この国にはと言うドロシーでした。
「ジンジャー将軍がいたわね」
「あっ、あのかかしさんに反乱を起こした」
「そう、あの人がね」
「あの人マンチキンの人だったんですね」
「元々ね、そして今もね」
「マンチキンに住んでおられるんですね」
「結婚してね」
 今では将軍も奥さんです。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧