とある3人のデート・ア・ライブ
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第五章 楽園
第7話 既視感
前書き
既視感=デジャヴ
上条「ん……?」
上条当麻はゆっくりと起き上がった。
自分はベッドの上で寝ていたことが分かった。
時計を見ると7時前、外を見ると明るい。
つまり朝の7時前だ。
″昨日″は凜袮に起こされたが、″今日″は自分で起きたらしい。
″昨日″、凜袮の家に行って……そこからの記憶がない。
理由は分からない。
士道にも聞いてみるか。
そう結論づけて着替えを始めた。
と、
凜袮「当麻〜?起きて……る……」
着替え中に不意に凜袮が部屋に入ってきたのだ。
上条「ごごごごごごごゴメン!!」
上半身裸のまま全力土下座をした。
凜袮「そこまで謝らなくても……」
上条「こんな上条さんがお願いするのもなんですが……」
凜袮「えっと……何?」
上条「出来れば……部屋を出て行ってくれれば上条さんも助かるのですが……」
凜袮「あ、ゴメン!えっと……朝ごはん作ってくるから着替えたらリビングに来てね」
上条「面目ない……」
最後の最後まで土下座を貫いた上条だった。凜袮が颯爽と出て行き、ハァ、とため息しつつも着替え始めた。
しかし、このやりとりを前にもやったような……
いや、気のせいだろ。
デジャヴなんてよくあることさ。
ーーーー
ーーー
ーー
ー
デジャヴなんかではなかった。
十香「う〜ん!凜袮、今日も一段と美味いぞ!」
凜袮「十香ちゃん。そんなに褒めても何もでないよ?」
十香「う……それはおかわり出来ないということか……?」
凜袮「え?おかわり?」
士道「ハハハ。十香らしいな」
凜袮「あーくん、さっきから黙ってるけど……もしかして美味しくなかった……?」
一方「ン?別に食えなくはねェよ」
佐天「素直じゃないなぁ……」
一方「何か言ったか?」
佐天「いいえ。別に何も」
十香「うむ!凜袮の飯はいつもとてもおいしいぞ!」
凜袮「ちゃんと噛んで食べなきゃだめだよ?あ、四糸乃ちゃんは熱いの苦手だったからお味噌汁冷ましておいたんだけど、大丈夫だったかな?」
四糸乃「あ、ありがとう、ございます……っ!」
よしのん『いや〜凜袮ちゃんは気が利くねぇ〜理想のお嫁さんになれるよ』
士道「そうだな。安心して家事を任せられるし」
十香「うむ!料理も美味いしな!」
凜袮「もう、どうして今日はみんなそんなに褒めてくるのかなぁ……照れちゃうよ……」
昨日と同じ場所に座り、同じ朝ごはん。そして、ほとんど同じ会話。
佐天「あれ?上条さん、どうしたんですか?」
みんなが不思議そうに上条の方を顔だけ向かせた。
上条「え?いや、何でもないけど?」
凜袮「もしかして、私の朝ごはん……まずかったかなぁ……」
上条「いやいや!違いますよ?凜袮の朝ごはんは今日も美味しいですから、そんなに落ち込まないでくださいね!」
一方「何か考えごとか?」
上条「そ、そうそう!来週からの期末テストのことを考えてて……」
上条が言うと、みんながドッと笑い出した。
笑われるのはあまり嬉しい行為ではないが、今は誤魔化せたので良しとしよう。
だが、上条には一つだけ確認したいことがあった。
上条「なあ、今日って何日だっけ?」
今日の日付。
彼の日にち感覚なら、今日は『6月27日』だ。
だが、次に告げられる言葉は想像を絶するものだった。
士道「ん?今日は『6月26日』だろ?」
一瞬、世界が変わったかと思った。
ーーーー
ーーー
ーー
ー
その後、
上条は狂三と出会い、学校では殿町から『天狗牛』の話を聞かされ、凜袮と昼飯を一緒にし、上条、士道、十香、凜袮の四人でデートをした。
昨日と全く同じ展開。
ところどころ昨日と会話は違うものの、ここまで正確だと何かを感じてしまう。
夢、かと思ったこともあった。
だが、それにしては会話が正確すぎる。
一体何がどうなって……
そうこうしている内に士道の隣の家に着た。
凜袮の家だ。
昨日はここからの記憶が一切ない。
昨日はインターフォンを押したら気を失ってしまった。
なら、今日は……
上条「今日はいいんじゃないか?凜袮も忙しいだろうし」
押さないことを勧めた。
士道「……そうだな。今日は帰るか」
士道も諦めることにした。
昨日みたいな頭痛はなかった。
上条「(一体何がどうなってんだ……?)」
彼は、今までで一番難題を出されたような錯覚に陥った。
凜袮「そこで何してるの?」
タイミングを見計らったように凜袮がやってきた。
凜袮「うちに何か用?」
上条「(うち……?)」
士道「いや……凜袮と話したいなぁ……と思って」
凜袮「うん?そうなの?じゃあ話って何?」
士道「いや……特に何か話そうとは……」
凜袮「ふふ……士道らしいね。また夕飯作りに行くから、家で待っててね」
士道「あ、あぁ。(何やってんだろ……俺……)」
士道は自分の家へと帰って行った。
凜袮「当麻?どうしたの?」
上条「いや……何でもない……」
上条は何か思いつめたように歩いて行った。
凜袮は上条に何か話しかけようと思ったが、
ズルッ。
と、上条が空きカンを踏んでずっこけてしまった。
凜袮「だ、大丈夫!?」
上条「不幸だ……」
いつもの上条に戻って安心した凜袮であった。
今日は、6月26日。
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