旧エクリプス(銀河英雄伝説編)
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第03話 フリードリヒ四世即位
■帝国暦455年 6月16日
リヒャルトの死がクレメンツ一派の策略であったことが発覚。
■帝国暦455年 7月 2日
クレメンツ、自由惑星同盟に亡命の途中、事故死。
■帝国暦455年 7月10日
次男、フリードリヒ、皇太子となる。
■帝国暦456年10月20日
オトフリート五世病死。
フリードリヒ四世即位
帝国暦456年11月 5日 オーディン 新無憂宮 黒真珠の間
皇帝の玉座に近い位置には、帝国における高官達が佇んでいた。大貴族や高級の文官または武官達である。彼らは幅六メートルの赤を基調にした絨毯(200名の職人達が四半世紀を掛けて織り上げた物)を挟んで列を成している。
その片方は文官の列で、帝国政府国務尚書のリヒテンラーデ候を先頭にして、財務尚書や内務尚書などの高官が並んでいた。
反対側には武官の列がある。軍務尚書や帝国軍統帥本部総長、幕僚総監、宇宙艦隊司令長官などてある。
玉座の向かいには帝国を代表する貴族達が集まっていた。
古風なラッパの音が黒真珠の間に響き渡り、一同は姿勢を正し直す。
「銀河帝国フリードリヒ皇太子の御入来!」
式部管の声と共に、帝国国歌が演奏され、一同が頭を垂れる。
Side フリードリヒ皇太子
フリードリヒは国歌と伴に、ゆっくりと赤い絨毯の上を歩く。
そのまま玉座へ歩んで行き、玉座に座る。そう、本日は皇帝の即位式てある。
古式ゆかしい厳かな式典が行われ、皇太子の頭上に王冠が載せられ、重臣の文官と武官代表の二名が恭しく忠誠を誓った。
「銀河帝国第三十六代皇帝フリードリヒ四世陛下、誕生せしむるなり。」
式部官の声と共に、黒真珠の間に歓声が湧いた。
Sideout
この後、祝賀パーティーが開かれる。暫しの間、準備に時間が掛かる。フリードリヒはパーティー用の衣装に着替え、黒真珠の間控え室に赴いた。
帝国暦456年11月 5日 オーディン 新無憂宮 黒真珠の間控え室
Side リヒャルト・フォン・グリンメルスハウゼン子爵
控え室には光輝とグリンメルスハウゼン子爵が待っていた。
そこへパーティー用の衣装に着替えた。フリードリヒが訪れた。
「陛下、素晴らしい即位式でありました。」
グリンメルスは陛下に、恭しく礼を取った。感無量といった表情をしている。それもそうである。青年時代のフリードリヒ四世の侍従武官を務めており、色々世話を焼いていたのである。
「皇帝陛下、即位おめでとうございます。」
光輝も御祝いを述べる。
「コウキよ。準備の方はいかに。」
「はい、手筈通りに御座います。亡きリヒャルト皇太子とクレメンツ皇太子に近しい近衛兵士や宮廷医師は栄転させて、配下の者を帝国騎士に上げて配置しております。」
配下の者とはバイオロイド達である。
「陛下、皇帝が代わる時に、自分の家臣や支援者を叙勲や叙爵する事は良くあります。それに帝国騎士ですので、爵位を授けるのと比べ門閥貴族も気にしないと思います。」
グリンメルスが光輝の発言をフォローする。
「後、帝国直轄地になっているローエングラム星系の開発も先行して始めました。同盟とフェザーンの技術も習得済みです。老化防止薬も販売を開始します。門閥貴族の資金を吸い上げ、平民の福祉向上が狙いです。
またエクリプス社の本社をフェザーンに移して、同様にフェザーンと同盟の富裕層から資金を吸い上げます。
また陛下の肝入で中央病院を設立し、遺伝子治療を行います。5年から10 年内に劣悪遺伝子排除法を廃法にしたいと考えています。」
光輝が当面の方針を説明する。
Sideout
■帝国暦456年11月20日
光輝達は、フェザーンの戸籍を偽装して作る。
■帝国暦456年12月 3日
エクリプス本社をフェザーンに作る。
ルカ・アンジェローニにが、CEOに就任する。
■帝国暦456年12月20日
フェザーンに静止衛星を6基打ち上げる。
■帝国暦457年 1月 6日
エクリプス本社にマザーコンピュータを設置。
量子電導脳の1,200倍もの能力を持つスーパーコンピュータである。
■帝国暦457年 2月 1日
エクリプス社・総合技術研究所の光輝・一条博士が老化のメカニズムを発表。
エクリプス・バイオテクノロジー社が老化防止薬を開発。帝国・フェザーン・同盟に新薬の申請を行った。
この発表受けて、各国のマスコミがセンセーショナルな報道を行った。
■帝国暦457年 4月 1日
エクリプス支社をハイネセンに作る。
後書き
原作のアスターテ星域会戦まで、後30年です。
皇帝とグリンメルスハウゼンは、遺伝子治療で寿命を延ばしてあります。
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