ロックマンX~5つの希望~
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第十二話 アクセルSIDE7
前書き
アクセルSIDE6の続き。
アクセルは廃墟となった街を歩いていた。
ハンターベースへの近道は酷く寂れ、傷心の彼の心情ピッタリであった。
灰色の地面に捨てられた建物、戦いの最中は真っ青だった空が今は雲に覆われていた。
とぼとぼと歩いていた時、子犬の姿があった。
アクセル「捨て犬…?」
おいでおいでをする。
子犬は丸い瞳を、心なしか潤んだ目をした少年に向けた。
だが、少し見つめた後、子犬は何処へと行ってしまう。
アクセル「…そっか、あいつも自分の道を歩いて行くんだね。どんなに辛くても、自分で全て決めていくんだ。僕と同じように…」
しばらくしてアクセルは心に喝を入れて、ハンターベースに戻る。
帰還後、ハンターベースの屋上に行った。
空を見上げれば月も星も見えぬ暗い夜が映る。
見て何になるわけでもないが、アクセルは空を見上げていた。
屋上には先客がいた。
紺色の狙撃手の名を冠した女戦士。
彼女の隣に立ち、地上を見遣る。
アクセル「子犬は、どうしてるかな?」
ルナ「子犬?」
アクセルは独り言が聞かれていると知って狼狽する。
アクセル「う、うん…道端で見かけて…どっか行っちゃったけど。今頃どうしてるかなって…」
ルナ「大丈夫さ。きっとな」
自信を持って答える彼女にアクセルも笑みを浮かべた。
朝、目が覚めるとハンターベースにはちょっとした騒ぎがあった。
聞けばエックスがいなくなったらしい。
ルナ「何処行ったのかねえ」
ゼロ「いなくなったのが早朝だったのが、幸いしたな。全員に知られたらどうなるか分からん」
アクセル「確かに」
この状況で冷静な意見を言えば、返って怒りを買いそうである。
エイリアは憔悴しきっている。
アイリス「ルインが探しに行ったんだけど、ルインも帰って来なくて…」
ルナ「信じて待つしかねえよ。俺達に出来るのはそんくらいさ。あいつが戦いを放り出すわけがない。だろ?ゼロ。」
ゼロ「ああ、あいつはいつも迷ってばかりいる意気地無しだが、逃げるようなことはしない」
アクセル「っ、みんな!!あれ見て!!」
アクセルが指差した先には…。
アイリス「バスターの光…」
天に向かって伸びる光にアイリスは喜色を浮かべた。
少しして、2つの影が見えた。
朝の日差しが強くなり、大地を優しく照らし出し、蒼と朱の影が大きくなる。
屋外で待っていた全員がざわめく。
ルインとエックスの表情は晴々としていた。
何か吹っ切れたような顔である。
エックス「みんな…心配かけてすまなかった。もう、大丈夫だよ」
全員が彼を取り囲む。
エックスはもみくちゃにされ、それでも幸せそうに笑っていた。
おまけ
もしハンターズが子供の世話をすることになったら…。
ルイン「赤ちゃんって可愛いね♪」
エックス「ああ、本当だ。この子の笑顔を見ていると癒されるよ。未来の塊だ」
アイリス「可愛い盛りだものね♪」
赤ちゃんの頬に触れながらアイリスは満面の笑みを浮かべる。
アクセル「こんにちは!!アクセルお兄ちゃんだよ!!って、うわあ!!?」
目潰しを喰らいそうにアクセルは慌てて避ける。
エイリア「赤ちゃんってこういうところが怖いわよねえ…」
苦笑するエイリア。
ルナ「か、髪を引っ張んねえでくれ!!痛い痛い!!」
髪を引っ張られるルナ。
ゼロ「………」
ゼロが子供を見つめていると向こうも視線を向けた。
ゼロ「随分、肝の据わったガキだな…」
「ぁぅー」
ゼロ「う…っ…」
泣き出すのではないかと思い、表情を顰めるゼロ。
しかし子供は泣かず、ゼロを見つめる。
傍目からはとても奇妙なにらめっこである。
エックス「それにしてもルインは子供の世話が上手だな。いいお母さんになれるよ」
ルイン「そ、そうかな?でもエックスだっていいお父さんになれるよ~」
エックス「そう?ならいいんだけどな」
ルイン「もし子供が出来たらライト博士はおじいちゃんだね!!」
エックス「兄さんと姉さん達は叔父さんと叔母さんだな」
そして会話を聞いていた女神は異空間でエックスの兄弟達に顔を向けた。
「だってさ君達」
ライト「おじいちゃんですか…DNAデータを使えばレプリロイドも子供が出来る時代ですから、孫を見る日が楽しみですよ」
ロック「叔父さん」
ブルース「叔父さんか…」
ロール「叔母さんかあ…」
ライトナンバーズ【叔父さん…】
「まあ、君達は全員十代前半くらいの設定年齢だし、叔父さん叔母さんはきついかなあ?」
ライトナンバーズ【………】
キュン…。
「って、何ときめいてんのお!!?」
動力炉を押さえるライトナンバーズ達に女神のツッコミが炸裂した。
後書き
短いな…。
エックスSIDEでエックス復活を書きます。
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