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ロックマンX~5つの希望~

作者:setuna
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第九話 エックスSIDE4

 
前書き
エックスSIDE3の続きです。 

 
エックスがレスキュー部隊で活動するようになってから数日経った。
被災者を救助し、ライフセーバーが応急処置を施していく。
被災者への処置があらかた終わったライフセーバーはエックスの方を見ていた。

エックス「瓦礫を向こうに運んで、後はビートブードはあっちのレスキューを手伝って欲しい。ヤンマークは…」

彼は指示を飛ばしていていた。
テキパキとした動作は流石は栄えある精鋭部隊の隊長である。
ヤンマークは基本的にゲイトの護衛をしているのだが、本人の意志でレスキュー部隊に加入している。

エックス「ヤンマーク。そっちを持ってくれ」

ヤンマーク「分かった」

2体の戦闘用レプリロイドの怪力で瓦礫は持ち上がった。
産廃処理用のトラックに放り投げる。

エックス「すまない助かった」

ヤンマーク「いや構わない。僕もこの惨状を見て黙って見ていることは出来ないからな」

エックス「そうか、じゃあビートブードを手伝ってやってくれないか?こっちはあらかた片付いたから」

ヤンマーク「分かった。あまり無理はするな」

羽を動かし、ビートブードの所に向かうヤンマークを見遣るエックスにライフセーバーが歩み寄る。

「お手を煩わせて申し訳ありません」

エックス「構わないさ。俺がしたくてやっていることだから、それと昨日は悪かった。手配に手間取ってしまって」

レスキューの増援を頼んだ時、エイリアに繋ぐはずが、運悪く彼女は席を外していた。
おまけにアクセルと険悪なムードになってしまったが…。

エックス「アクセルに辛く当たりすぎたな。どうも相性が悪いようだ」

「そんなことはありません。彼はあなたに似ていますよ。我先に敵に突っ込んでいくところなどは特に」

エックス「そうかな…俺はあんなに無鉄砲だったかな?いや、確かにそうかも。昔、シグマのやり方を認められなくて、たった1人で敵に挑んだ。まあ、ルインやゼロに助けられたんだけど…」

昔の自分はとても非力でルインとゼロに助けられてばかりだった。

エックス「似ているな…でも俺と彼とでは決定的な違いがある、彼は何の迷いもなく戦っている。自分の信念に従って戦うことが出来る。時々迷う俺とは“心”の在り方が違う」

「“心”…」

ライフセーバーは先日のことを思い出していた。




































『由々しき事態です』

指令室にはシグナスとエイリア、アイリスとゲイトがいた。

『エックスが戦闘不能なままではイレギュラーハンターは痛手を被る』

エイリアの表情が険しくなるが、同僚は気づかない。

『アクセルやルイン、ゼロやルナだけでは限界がある。一刻も早く治ってもらわねば。今の彼には何も出来ない。レスキュー部隊で補助を行うのがせいぜいでしょう。戦ってこその英雄なのに』

アイリス『あなたには心がないの!!?』

心優しい少女が遂にキレた。

エイリア『アイリス…』

アイリス『あなたは“戦ってこその英雄”と言うけれど、エックスが…エックス達が今までどんな気持ちで戦ってきたか分からないの!!?』

全員がアイリスの怒声に目を見開いた。

ゲイト『アイリス、落ち着くんだ。』

直ぐさま冷静さを取り戻したゲイトが宥めると、全員を見渡しながら口を開いた。

ゲイト『これは時間の経過でしか解決出来ないだろう。僕達に出来るのは、今まで通りに接してやるだけだ。』

シグナス『そうだな…』

エイリア『……』




































エックス「…ライフセーバー?」

「あ、いえ。何でもありません。それにしても酷いものです。レッドアラートのせいで街は目茶苦茶です。やはりバウンティハンターなどならず者。認めるべきではありませんね」

エックス「そう、だな…」

答えながらエックスは附に落ちなかった。
レッドの突然の宣戦布告。
レッドアラートの狂暴化。
自分の知らぬ何かがうごめいていると思った矢先。

「エックス隊長!!」

エックスについてきた部下が血相変えて飛んできた。

「大変です!!ラジオタワーから雷が昇っています!!」

エックス「何!!?」

エックスがラジオタワーの方を見遣ると確かに雷が昇っていた。

エックス「借りるぞ!!」

部下から金属製の剣と実弾のライフルを拝借するとラジオタワーに向かう。
長らく剣を使ってはいないが無いよりはマシだ。
ライフルも比較的に古い型だがまだまだ使える。
最近は実弾兵器を蔑ろにする傾向が多々あるが、まだまだ現役で使えるものだというのは実弾を主に戦うVAVAと戦った自分が身を持って知っている。
このハンターも実弾兵器の有用性に気づいているのだろう。
エネルギーの消費がゼロなのも実弾兵器の魅力だ。
途中で会った部下が携行していたバズーカも拝借してラジオタワーに向かう。




































ラジオタワーに辿り着いたエックスは道を阻むメカニロイドを見つけるとラジオタワーがレッドアラートに占拠されてしまったことを悟る。
メカニロイドが複数エックスに襲い掛かる。
エックスは剣を構え、一閃した。
それだけでメカニロイドは破壊された。

エックス「(いい剣だ…)」

かなり磨き込んであるのかメカニロイドの装甲すらものともしない凄まじい切れ味だ。
貸してくれたあのハンターには後でボーナスが出るようにしようと心に決めた。
近寄る敵には剣で、距離が離れた敵にはライフルの弾を喰らわせる。




































しばらくしてエックスはラジオタワーの頂上に辿り着いた。
そこには玉葱を模した恰幅の良い男である。
エックスが駆け付けた時には彼は雷の渦を纏い、苦しそうに立っていた。
顔面には脂汗が浮かんでいる。
男は侵入者に気づいたのか、エックスを見遣る。

「エックス…ダスな?」

エックス「お前は一体…」

と言いかけて分かった。
レッドアラートの戦士、トルネード・デボニオンだと。

デボニオン「頼みがあるダス。オラ達を…レッドを止めて欲しいダス…」

エックス「!?どういうことだ?」

デボニオン「センセイの…改造を受けて…オラ達は…」

エックス「センセイ…?センセイって何のことだ?」

エックスは状況を把握出来ぬまま、事態は最悪の展開を迎える。

デボニオン「止まれないダス…コントロール出来ないダス…お願いダス。自分でなくなる前に救ってほしいダスー!!」

デボニオンがエックスに襲い掛かる。

エックス「くっ!!」

ライフルを放つエックスだが、雷に阻まれ、攻撃が届かない。

エックス「何!!?」

驚愕すると同時にデボニオンがエックスに迫る。
渦から離れようともがくが、天高く突き上げられ、地面に叩き落とされた。

エックス「ぐっ…」

デボニオンは再びエックスに体当たりを仕掛ける。
バズーカの弾はここまで来るのに全て使ってしまった。
しかしライフルの弾では雷に弾かれるだろう。
しかし牽制のためにライフルの弾を連射する。
動きを止めたところを叩き斬る。
ライフルを撃ちながらエックスは剣を構えた。
その瞬間、皮型のアーマーが武器となり、それをまともに受けたエックスはライフルを手放してしまう。

エックス「しまった…」

これで武器は剣のみ。
ジリジリと迫るデボニオンを見ながらエックスはデボニオンを倒す方法を探す。

エックス「そうだ!!」

剣を構え、デボニオンに突進するエックス。
電撃が放たれる寸前で剣を投擲した。
貸してくれたハンターに心の中で謝罪しながら。
剣に雷が吸収された。
エックスは剣を避雷針にしたのである。

エックス「うおおおお!!」

皮型のアーマーを攻撃に使用したことで剥き出しとなったボディに拳を叩き込んだ。
自我を失い、改造の代償の下に戦うデボニオンは尚も電撃を放とうとする。
しかしエックスの一撃が効いたのか、それともデボニオンの自我が破壊衝動を打ち破ったのか…。
デボニオンは地響きを起こしながら倒れ伏した。

エックス「何とか倒せたか…」

エックスが呟いた直後、デボニオンの身体が光り輝き、次の瞬間、デボニオンの周囲に紅く輝く物が零れていた。

エックス「これはDNAデータか?何故デボニオンからこれが…?」

レプリロイドの精製情報の塊であるのと同時にアクセルとルナがコピーする際に必要な物。
デボニオンを連行し、エイリア達に頼んで調査してもらおう。
エックスはそう思い、ラジオタワーを後にした。




































~おまけ~

エックス達がロックマンロックマンをプレイ。

ルイン「ロックマンロックマンのイラストって可愛いねえ!!」

ルナ「ああ、こっちはXシリーズとは違って子供向けって感じだな」

アクセル「子供向けな描写だから子供にやらせても…」

カットマン撃破。

全員【………………】

木っ端微塵となるカットマンを見て全員が沈黙した。

エックス「兄は鬼子です…」

PSPを持つエックスの手は震えていた。

ゼロ「お前の兄貴は兄弟にも容赦無いな」

アイリス「これはこれで残酷な表現だわ…」

弟より兄ちゃんの方が戦いに躊躇いがないというか、ソフトな世界観というか…。 
 

 
後書き
デボニオン撃破。 
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