少年少女の戦極時代Ⅱ
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禁断の果実編
第111話 救出作戦 ④
『は、やっ、たりゃ!』
踊るように回りながら連続で、亀のオーバーロードの甲羅に双刃を叩き込む。こうしていれば、亀のオーバーロードは月花に背を向けざるをえない。
鎧武も気づいたらしく、がら空きの正面から亀のオーバーロードに大橙丸で斬りつけた。
(あたしの体力が保つ内に紘汰くんが片付けてくれればいいけど……!)
パッションフルーツアームズでの双刃連撃は、単純に体力を消耗する。ダンスと同じ要領だから、ジンバーアームズよりマシという程度だが。
「このまま見ていたかったけど、さすがにここまで手駒が少なくなったら、そうもいかないよね」
凌馬がついにレモンのエナジーロックシードを取り出した。
「変身」
《 レモンエナジーアームズ ファイト・パワー ファイト・パワー ファイ・ファイ・ファイ・ファイ ファ・ファ・ファ・ファ・ファイト 》
レモンの意匠の青い鎧が凌馬に落ち、凌馬を装甲した。
アーマードライダーデューク。性能だけなら貴虎の斬月・真をも超える戦士。
デュークは赤い弓で、鎧武と月花に挟まれて攻撃されていた亀のオーバーロードに、躊躇なく斬りつけた。
『設計者自ら特別にチューニングしたゲネシスドライバーの性能、見せてあげようじゃないか』
言うだけあって、デュークの能力は確かに、今までの月花たちが知らないものが追加されていた。
まず威力。甲羅への攻撃ではないとはいえ、無双セイバーや双刃では通じなかった攻撃が通用している。
次に、特殊能力。
《 レモンエナジースカッシュ 》
デュークがレバーを一度押すと、4体のデュークの幻影が出現したのだ。
デュークの幻影に翻弄される亀のオーバーロードに向けて、デュークはソニックアローの弦を引き絞る。
すると光の弦がハープのように何重にも連なり、発射された矢は螺旋を描いて着弾した。亀のオーバーロードはもんどり返って倒れた。
『ちょっとズルイとは私も思うよ』
デュークは弓を下ろし、歩いてきて鎧武の肩を叩いた。
『さ。後は任せた』
『なっ』
『ほら。さっさと決着をつけないと、お仲間が来ちゃうよ?』
鎧武は悔しげに、デュークと亀のオーバーロードを見比べた。そして、カチドキロックシードを取り出した。
『咲ちゃんはそこにいて!』
『う、うんっ』
なぜ留められたか知らないが、あれだけダメージを与えた後ならば、鎧武だけでも大丈夫。月花は自分をそう納得させた。
《 カチドキアームズ いざ出陣 エイ・エイ・オーッ 》
《 フルーツバスケット 極アームズ 大・大・大・大・大将軍 》
白銀の鎧武は次々と武器を呼び出し、亀のオーバーロードに連続して射出した。そして、火縄大橙DJ銃にオレンジの錠前をセットし、発射した火砲で、亀のオーバーロードを爆散させた。
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