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鎧虫戦記-バグレイダース-

作者:
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第5話 旅行先は大抵親が先に決めているものだ

 
前書き
どうも蛹です。
今回は諸注意を。
小説なので、どんな姿をしているかは読んでいる人のイメージなので
重要な人以外は好きにイメージしてもらって構いません。
しかし、たまに説明していない自分のイメージを
間違って書いてしまうかもしれないので
その時はあなたのイメージに付け加えてください!

それでは第5話、始まります!!
 

 
迅の発言に5人は口をあんぐりとさせていた。

「‥‥‥あれ?言ってなかったっけ?」
「まったく聞いてねえよ!!」 

ホークアイは迅に豪快にツッコんだ。

「実はそこにはオレの友達がいて、そいつが"鎧人"なんだ。
 だから、そいつを仲間にしてから本格的な旅に出ようと思ってね」

笑いながら言う迅にマリーはきいた。
  
「でもロシアって海の向こうにあるんでしょ?船があるの?」
「北のある場所に行けばわかるよ」

迅はまだニコニコしている。アスラはたまらず訊いた。

「さっきからどうしたんだ迅?‥‥‥ちょっと怖いぞ」
「だって3年ぶりだからな。会えるのが楽しみなのさ」

迅はいつも落ち着いているが、こういう一面もある。

「アスラ、お前は人類の希望とも言える強大な力を手に入れたんだ。
 だからみんなの為に頑張れよ!」
「おうッ!!」 

アスラは元気に答えた。

「みんな、もう準備はできたかい?」
「できたぁーー!」
 

マリーは答えた。

「それじゃあ出発だ!!」
「おーーーーーッ!!」

今、アスラ達6人の旅が始まった!



**********



 ーロシア 巨大基地ー

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
「‥‥‥隊長?」

隊員は若い隊長に話しかけているが、無視されているようだ。

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
「隊長‥‥‥きいてますか?‥‥‥隊長!!」

まだ無視されているようだ。

「‥‥‥‥‥はっ!‥‥‥ゴメン寝てた」
「‥‥‥‥‥‥‥ハァ」

寝ていただけだった。 しかも立って。

「迅さんがココに来るらしいですよ」
「えっ迅さんが?‥‥‥確かか?」

隊長は隊員に確認した。 隊員はあいずちを打った。

「ということは迅さんは見つけたんだな‥‥‥彼を‥‥‥‥」
「一体どんな少年でしょうね?」
「いい奴だといいがな‥‥‥」



   **********



ーアメリカー

「ハッ‥‥ハッ‥‥はっくしょん!!」

アスラは大きなくしゃみをした。

「‥‥ズズッ‥‥風邪かな‥‥?」
「アスラ、大丈夫?」
「うん‥‥」

旅に出てからこれで4日目(展開早‥‥‥‥)
北へ北へと歩いているが迅の言うある場所へはまだ着かない。

「なぁ迅。あとどのくらいで着くんだ?」
「ん~~~~あと‥‥‥‥3日位かな?」
「え~~~3日ぁぁ~~~~~ッ!?遠~~~~~ッ!!」
「もう疲れたぁ~~~~ッ!」 
「オレももう無理‥‥」

マリーとホークアイはその場に倒れこんだ。

「2人共だらしがないわねぇ。」
「仕方ないよ。もう何日も歩き続けてるんだから」
「いいよなアスラと迅は。"侵略虫"と"鎧人"だから余裕そうだし」
「いや、かなり疲れてるよ‥‥‥‥そろそろ休もうか」 

6人は道端に座り込んだ。

「‥‥‥そろそろ話しておこうと思うことがあるんだ」

迅は5人に向かって言った。

「"将軍"についての事だ」
「"将軍"?」

アスラ、マリー、ホークアイの上に?が浮かんだ。

「今日までに何人か出てきた"侵略虫"は"衛兵"という
 階級でいうなれば、ザコだ。
 でも"将軍"は"超技術《オーバースキル》"という超常現象を引き起こす能力を
 全員が持っていて、戦闘力も高い奴が多いんだ」

それを聞いたアスラは迅にたずねた。

「つまり元"将軍"って言われてた迅もそれが使えるのか?
 だとしたら、迅がどんな能力持ってるのかオレ気になる!」
「私も~~~~!」
「オレも!」

3人は目を輝かせて迅を見ている。
迅は口を閉じた。そして、再び口を開いた。

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥秘密だ」
「また秘密かよ~~~~~~ッ!!」
 
アスラはうんざりした声で叫んだ。

「私達は知ってるわよ。でも教えなぁ~~い♡」
「イジワルぅ~~~~~~!」

クレアの言葉にマリーも叫んだ。
迅はそれてしまった話を元に戻した。

「つまりアスラ。もし“将軍”が来たら、これまでみたいに
 一筋縄にはいかないから注意するんだぞ」
「おぅ 分かった」
『ちゃんとわかってるのかな‥‥?』

迅は少し心配していた。



    **********



現在、午後5時17分。秋が近づいているので少し肌寒い。
アスラは毛布をひざにかけて座っていた。
マリーは毛布にくるまってアスラにもたれかかったまま寝ていた。
みんなも体を休めているようだ。
アスラはつぶやいた。

「‥‥来ないな‥‥‥」

この4日間にも1日5,6回程のペースで来ていたが
今日はまだ1回も来ていない。

『‥‥‥やはり胸騒ぎがする‥‥‥』

迅は確信した。絶対に何かある‥‥と。


 ギュオオオオオオォォォォォォォォォッ!!


高速で何かが飛んでくるような音がした。

「まさか‥‥‥‥みんな避けろぉッ!!!」

迅は叫びながら飛来物のもとへジャンプした。
そしてその物体を剣で受けた。しかし‥‥‥‥

「と‥‥‥止まらない!!クソッ!」

 ドゴォォォォォォォォォォン!!

そのまま迅は建物まで押し込まれて行った。
飛んで来たものはそのまま建物を突き抜けて
どこかへと飛んで行った。

「迅ーーーーーーッ!!」

アスラは叫びながら迅に駆け寄った。 

「ガハッ!‥‥これは‥‥一体誰の‥‥‥」
「大丈夫か!?何なんだあれは!!?」
「わ‥‥‥わからない‥‥‥だがこれは確実に‥‥‥"超技術"だな‥‥」
「これが“将軍”の能力だってのか!?」

アスラは周りを見回した。しかしこの6人以外誰もいないようだ。

「投げたんだ‥‥」
 
ホークアイは言った。迅も答えた。

「ああ‥‥さっきのはきっと誰かがここまで投げてきたものだろう。
 しかもありえない程の猛スピードでな」
「迅でも止められないなんてどんなパワーした奴なんだよ‥‥」
「多分、パワーかスピードに関する能力だと思うけど具体的に
 どんなものかはまでは分からないな」
「迅にもわからないのか?」
「“将軍”は大抵自分の能力は他人には隠してるんだ。
 オレも隠してたしな‥‥‥」

 ガチャッ

近くで物音がした。建物の陰に誰か隠れたようだ。

「おい!そこに隠れてる奴!出てこい!」

アスラは建物に向かって叫んだ。
観念したのか建物の陰から姿を現した。

「いやまだ来たばかりなのだがね‥‥‥丁度よく
 足元に落ちていた瓦礫を踏んでしまったようだ」

初めは人間に見えたが、この雰囲気‥‥‥間違いない。

「出たぞ‥‥‥"将軍"クラスの"侵略虫"が!」

アスラは出てきた奴に言い放った。
それを聞いたソイツは言った。

「みんなひとくくりにしてそう呼ぶのはやめてくれないかい?
 ワタシは立派な“人間”だよ?」
「嘘つけ!お前なんか人間じゃあねぇ!!」

ソイツは首をかしげた。

「君は何か勘違いをしているようだねぇ。
 私たちは自分のことを“人間”と呼ぶのさ。
 君たちもそうだろう?」

ホークアイは中指を立てて叫んだ。

「てめぇも オレたちと自分をひとくくりにしてんじゃねえぞ!」

ソイツは少し眉間にしわを寄せ言った。

「ひとくくりにはしていないよ。
 君たちが後から勝手に自分たちのことを“人間”と
 呼びだしたんだから仕方ないじゃないか」
「てめぇ、デタラメ言ってんじゃねぇぞ!」

アスラとホークアイはソイツの言葉にイライラしていた。

「元々、この星で使われている言葉のほとんどはワタシたちの星で
 使われているものなんだよ。それなのに、アナタたちは
 ワタシが嘘つきだのデタラメだの‥‥‥傷つきますねぇ」

2人のいら立ちは限界を迎えた。

「ごちゃごちゃ言ってねぇでかかってこいやぁッ!!」

ソイツはため息交じりにつぶやいた。

「ハァ しょうがありませんねぇ。あっ、申し遅れました。
 ワタシはチャールズといいます」

チャールズはそう言いながら足元の瓦礫を持ち上げた。

「その瓦礫で戦うってのか?」

アスラはチャールズを馬鹿にするように言った。
しかし、彼の目は明らかに本気だった。

「‥‥‥‥喰らいなさい」

そうつぶやくと、チャールズは瓦礫を投げた。 
すると、その瓦礫のスピードがどんどん加速し始めた。
そしてそれは、マリーのいる方向へ突っ込んで行った。

「危ない!!」

 ドンッ

「きゃっ!」

アスラはマリーを突き飛ばした。瓦礫はマリーには当たらずに
そのままどこかへ飛んで行ってしまった。

「‥‥今のは‥‥やっぱりさっきのはお前の能力だったんだな!」

アスラはチャールズの方を向きながら言った。
チャールズは口元を歪ませてこう言った。

「次は‥‥‥‥‥当てますよ」

そういってチャールズは走り去っていった。

「あっ、待て!逃げんな!!‥‥‥クソ、逃げ足の速い奴だぜ。」

アスラはチャールズの小さくなっていく後ろ姿に向かって言った。

「奴が加速の能力者だということは‥‥‥‥やばいな」

迅の脳裏に最悪のイメージが浮かんだ。 
 

 
後書き
ついに出てきた初"将軍"、チャールズ。
"侵略虫"にもちゃんと名前はあるんです。
まぁそれは迅がいますから、もうわかってたでしょうけど。
それよりも気になるチャールズの能力!
本当に加速の能力と決めつけていいのか?
チャールズの能力の恐ろしさとは!

次回 第6話 できたらいいなと思う物はいつかきっと必ずできる お楽しみに! 
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