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遊戯王GX 〜プロデュエリストの歩き方〜

作者:ざびー
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エピソード13 〜紫苑×保健室×トラウマ〜

 
前書き
今回はやらかします(´・_・`)
けど、後悔してません!(^○^)
 

 
「せい!はぁ!とぉりゃぁ!」

紫苑は銀髪をなびかせながら、ボールを相手のコートへと打ち返す。

現在、紫苑達、一年生は体育の授業でテニスの真最中である。
なぜ、デュエルアカデミアなのに体育の授業が組み込まれているかというと
創立者曰く『健全なデュエリストの精神は健全な肉体に宿る!』だそうだ。

何かと運動神経のいい紫苑は人物よりも体格がふたまわり上の相手に優勢である。まぁ、紫苑が女子みたいな体格のせいなのだが…

「「「あ!?危ない!!」」」

周りの生徒が叫ぶが試合に集中していた紫苑は反応が遅れ、隣のコートから飛来したボールが側頭部を急襲する。

ゴン!!という音をたてて、バタンキューとコートへと倒れこむ

『相手の頭へ、しゅぅぅぅぅぅぅと!!超!エキサイティング!』

天の声(作者)を聴きながら視界が暗転する。

絶対犯人突き止めて吊るしてやる!!

気絶した紫苑は割と物騒なことを思っていた。

一方、ぶつけた犯人ーーー丸藤翔はものすごく悪寒を感じ身を震わせた。
どうしてこうなったかというと対戦相手の十代がテニプリの波動球並の剛速球を放ち、それを翔はフレームで弾いてしまい、角度が90度変わり、紫苑の側頭部を急襲したのだった。

その後、十代が気を失った紫苑を抱きかかえて急いで保健室へと向かったのだった。

尚、腐女子たちは十代×紫苑よ!!とか言ってあらぬ妄想を繰り広げたとか…















「知らない天井だ…っ、痛…」

目を覚ました紫苑は早速お決まりのボケをかます。だが、今だ残る鈍痛に顔をしかめる。

「あら、もう目を覚ましたのね。ざんね、じゃなかったよかったわ。」

目を覚ました紫苑に声をかけたのはこの学校の保険医ーー桜井京子先生だった。彼女は見た目、20代くらいの若い先生で茶色っぽいセミロングと澄んだ黒色の瞳は大学生のように見える。
どうやら今自分が居るのは保健室で寝かされているのはそこのベットの上だろう。

「友達に感謝ね。十代君だったかしら?あの美味し……もとい活発な子に」

「お、美味し?」

「あら、あなたをお姫様抱っこで抱えてきたのよ。腐がつく女の子たちなら歓喜しそうな光景だったわよ。まぁ、私にそっちのけはないけど」

ずいっと顔を近づけてくる京子先生。美人とここまで距離が近くなれば心臓がドキドキと高鳴るはずなのだが紫苑は昔感じたことのあるような寒気を感じた。
実際それは悪寒というやつだが、悲しいかな。紫苑はその事が分かるはずなのだが、昔起こったトラウマを忘れるため、その記憶を深層意識のさらに奥へと封印し、それが悪い事が起きる予兆だと気づけなかったのだ。

そして、ニタリと笑う京子先生。
その笑顔に身の危険を覚えた紫苑。

…なにかこのままではキケンな気がする。大切な何かを失う気が…

紫苑の防衛本能が必死に警鐘を鳴らす

「じゃ、じゃあ授業に戻りますね」

ベットを降り、保健室を出て行こうとするとガシっと肩を掴まれた

「あらぁ、ダメよ。あなたは頭に大きくて硬いものが直撃したのよ。もっと休まなきゃ」

「大きくて硬いものとか怪しい発言しないで!?」

なんかこの人ヤバイ!?

「それに脳は生物にとって大切なところなのよ。今はなんともないかもしれないけど、明日…もしかしたら一年後とかにいきなり倒れたりするのよ。
万が一のためにあなたをじっくり舐めまわさなきゃいけないのよ〜」

「初めはマトモだけど後半のせいで台無しだよ!
いいです、後で病院に行って見てもらうので」

「あら、私にはこの学校の保険医としての義務があるの。だから、責任持ってあなたを検査させてもらうわ」

「あんたが見てもらえ!!もういいです、俺は授業に戻るんで」

強引に腕を振りほどき、出口に向かって走る。だが、ダメージが抜け切っていないため足元がふらつき、京子先生もとい変態に先回りされ、出口を通せんぼされてしまう。

「くっ…」

「さぁ、じっくりと悪戯。じゃなくて、性的でもなくて…触診を受けなさい。初めてだろうから優しくしてあげるわ。グフフ」

既に本性を隠す気はないのか後半には背筋が凍るような笑い方をする変態。手をワキワキさせながら、紫苑を追い詰めていく。そして、ついに背中が壁へとついてしまい逃げられなくなってしまう

「ふふ、ゲームオーバーよ。さぁ、じっくり愛撫してあげるわ」

「いやだぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

紫苑が悲鳴をあげ、変態が紫苑に触れようとした時…


「うぉぉぉぉお!!やぁぁめぇぇぇえろぉぉぉぉぉ!!」

誰かが走ってきて変態へと強烈なタックルを決める。

「じゅ、十代!けど、なんで?」

今は授業中のはずなのだが…

「あぁ、何か嫌な予感がしたから授業抜け出してきたんだ。それより、大丈夫か、紫苑?」

「なんとかな。けど、危なかった。」

「しかしよ、なんだなんだアレ?京子先生じゃないよな?」

タックルをマトモに受けて伸びている人物を指さす

「アレは京子先生じゃない。ただの変態だ。あいつが目を覚ます前に逃げないと望まぬ子供ができることになるぞ!」

「はぁ?なんだそりゃ!?っ!!??」

倒れていた人物がフフフフフと不気味な笑い声をあげながらむくりと起き上がる

「ふふふふふ、痛いじゃないの。それに私は変態じゃないわ〜。ただ単に、好みの子をとっても愛おしくて愛してて喰べたくなっちゃうだけよ〜。グフフフ」

「「それを変態と言うんだよ!!」」

息ピッタリで叫ぶ男子二人

「くそ、十代逃げるぞ!」

「ああ、わかった」

変態とは反対側、保健室の出口に向かって走り出す…が…

「グフ、逃がさないわよ〜」

口元を三日月のように曲げて笑うと空中へとジャンプし、内村○平選手もびっくりな3回転ひねりを決めつつ紫苑達の目の前へと着地しようとする。

「せいっ!」

紫苑は近くに置いてあったタオルを変態の着地点へと投げる。それを踏んだ変態はバランスを崩し、後頭部を強打し動かなくなる。

「や、やったのか?」

「いや、多分気絶しただけだ。変態の生命力はG並だからすぐに起き上がってくるはず、だから今のうちに…「グフフ、痛いじゃないの〜」っ!?」

糸に引っ張られるかのように起き上がる。変態は人類を進化させるのか!?

「グフフフ、お痛はダメじゃないの〜」

「「んなっ!?」」

マジでゴキ以上の生命力を見せつけた変態に驚愕する。

「そこまで拒否するなら………デュエルで決着をつけましょう!」

そう言い放つ変態はドクドクと血を流し、その目は獲物を前にした獣そのもの。ペロリと頬をつたう血を舐めとる。
そして、どこからかデュエルディスクを取り出し腕へと装着する。

「おい、俺らデュエルディスクもデッキも持ってないぞ!?」

十代のその発見は変態を喜ばせ、より狂わせる

「あらァ、それじゃあ私の不戦勝ということで合法的に貴方たちを食べられそうね〜。もちろん、性的な方でね〜。うふふ、うふっ」

※デュエルするしないに関わらず非合法です。健全な交際を心がけましょう。

「くっ…ここまでか。紫苑、何かいい案はないのか?って、紫苑?」

諦めかけ紫苑へと助けを求める十代。だが、紫苑の顔は青ざめぶるぶると小刻みに震えていた。

この時、紫苑は封印していたはずの過去のトラウマが蘇ろうとしていた。

嗚呼、なんでこんなことに…
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐いい恐いこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイ


誰か!

助けてよ!

だれか!!



感情が負へと染まっていき、だんだんと視界が暗くなっていく














「大丈夫か!おまえら!」

突如保健室内へと響いた声が紫苑を負の感情から引き上げる







SIDE刹那


『刹那さ〜ん、授業抜け出してよかったんですか〜』

少し間の抜けた言い方をする青い髪をツインテールに束ねた少女ーーー【氷結界の舞姫】が話しかけてくる。

「別にいいさ。それよりこうやってぶらぶらしてた方がいい」

刹那と呼ばれた短髪黒髪に琥珀色の目をした少年はめんどくさそうに返事をする。

『はぁ…真面目なのか不真面目なのか…まぁ、刹那さんがそれでいいならいいですけどね〜。ん?アレ?誰かが叫んでいるような…』

不意に誰かの助けを呼ぶ声を聴いた舞姫。それを聞き、刹那も耳を澄ませてみる

………か!だ…か!!

「っ!?確かに。少し気になる。行ってみるか案内してくれ!」

『はい!!恐らくこっちです』

二人は声のする方へと駆け出して行く

おかしい…あれだけ叫んでいる人がいるのに周りが何かしらリアクションを起こす気配がない……俺らだけに聴こえる声か?いや…もしかすると精霊か!

そう結論づける刹那。

それだとヤバイな…もしかすると精霊の持ち主に何か身の危険が迫ってる恐れがある

『刹那さん、いました。って、【ガーディアン・エアトス】!?めっちゃレアな精霊じゃないですか!?彼女がどうして?』

何処かずれた発言をする舞姫を無視し、エアトスへと声をかける

「おい、おまえ。どうした?おまえの持ち主に何かあったのか?」

『っ!?あなた、私が見えるんですね。それより、マスターが危ないんです。このまま行けば、精神がやられちゃうかもしれないんです!くっ…こんなことになるなんて…守護者として失格です…』

ギリっと奥歯を噛み締め、自らの失敗を悔いるエアトス

「反省なら後にしろ!とりあえず、そのマスターの場所に連れて行け!何が起こったのかは走りながら聞く」

『わ、わかりました!こっちです!時間があまり残されていませんのでマッハで行きます!それで実は……』


走りながら何が起こったのか説明をするエアトス

まとめるとマスターである紫苑の感情が負に染まりつつあると感じとったエアトスは彼のトラウマの記憶の封印が解けてしまいそうなのだと推測し、とにかく誰かに助けを求めたとのこと。最悪、紫苑の精神の崩壊があるとのこと。

『いました!あそこです!急いで!』

エアトスの視線の先には扉の開いた保健室。そして、その出口には血だらけの女が異様なオーラを纏い、デュエルディスクを構えている。そして、その奥には男子が二人。

「っつ!?間に合え!」

ギアをもう一段階あげ、保健室へと突入する

「大丈夫か!おまえら!」

その声を聞き、少し安堵の表情を見せる男子と薄気味悪い笑みをやらに気持ち悪く歪める女


これから男子三人の未来を決める決戦の火蓋が切られる


 
 

 
後書き
今回、ヒーロー的な登場をしてくれたのはルカさん考案のオリキャラ
冬琳 刹那くんです!ルカさんありがとうございます!

ーープロフィールーー
名前 冬琳 刹那
年齢16歳
容姿 癖っ毛のある黒髪のショートヘア、琥珀色の瞳
クラス オベリスクブルーの2年
性格 寡黙、クール
その他 カードの精霊【氷結界の舞姫】を従えており、刹那同様に精霊が見える 
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