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願いを叶える者(旧リリカルなのは 願いを叶えし者)

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揉め事

「さて、俺を殺したんだ。
それなりに腕はあるんだろ?」

俺は顔面凶器なおっさんを前に手をプラプラさせて言った。

「上等だ…もう一度殺してやるよ…ガキィ!!」

ザブザは太刀を構えて突貫してくる。

このザブザ、ユウジがどういう成り行きで死んだのか話さない。
話せないのか、話さないのかはわからないところである。

「そんな短直な攻撃があたると思ってんのか?」

横なぎにふるわれたザブザの太刀を軽がると回避するが、

「水牢の術」

後ろにいたザブザの水分身につかまってしまった。(ワザとである)

「おいおい、さっきの異性はどうした?」

「空のかなたへ吹き飛ばしたさ」

お互いに叩き合う軽口はほかのやつらに更なる警戒を与えた。
カカシは「あのユウジがあんなに簡単に…」と。
ナルトは「遊びすぎだってばよ…」とため息を吐き、
その他2名は論外である。

「どうした、そんなに固まって…。
見せしめに殺してやろうか?」

一歩も動かないカカシたちにニヤリと笑い、水の球体にいる俺に太刀を向けた。

「んー…よし、術式は読めた」

「ああ?何言ってやがる」

「こういうことだ…放電!」

瞬間、バチバチとユウジの体から電気が放出され、片腕を突っ込んでいたザブザもろとも、
感電し始める。

「あがあああああああああああ!?!?!?」

放電する水の球体は一種の雷玉のように、近づくことはできないほどの電力を持っていることがわかる。

そのため、カカシたちは放出される電気にのた打ち回るザブザを、
ただ見ていることしかできないのであった。



















「あっけないくらいの決着だったな」

数分後、ザブザあが気絶したことによって"水牢の術"はとかれ、かいほうされた。

ザブザはプスプスと煙を上げて気絶。
死なないところから、さすがは忍者であるといえよう。

「んで?何で俺の分身はやられたんだ?」

いまだに固まっているカカシたちに言葉をかける。

「え?あー…その、ね?」

俺の言葉に挙動不審になるカカシ。

「かばった兄ちゃんをピンクが蹴り飛ばして、運悪くその先に飛んできた太刀でクビチョンパだってば」

「なるほど把握」

ナルトの報告で理解した俺は、ピンクのほうを見た。

「な、なによ!こっち見ないでよ変態!」

…ま、いいや。

「なあ先生、俺この任務中、あいつ守るの辞めるわ。
たとえ死にそうになろうが誰かに捕まろうが助けに行かないし見向きもしない。
どこかで野たれ死のうと知ったことじゃない」

「あー…俺も強くは言えないね…」

カカシは俺の言葉に反論を示さず、その場で了承した。

「ちょ、何言ってるのアンタ!
チームワーク乱す気!?」

「件のきっかけはお前だ馬鹿ピンク。
何がチームワークだ。
お前のそれはかばってくれた仲間を蹴り飛ばして死に陥れるってことなんだろ?
おれはそいつには賛成できないし、するつもりもない。
あーあー、次の犠牲者は誰かなぁー」

わなわなと震えるピンクはこぶしを握り、まさに自分は悪くないと体現するようだった。

「なら…」

「ん?」

「なら勝手にしなさいよ!
アンタなんていなくてもどうにかなる依頼なんだから!」

「おおー、そりゃいい。
んじゃ先生おつかれー、また里で会おうねー」

俺はその言葉とともにカカシの真横を通り過ぎ、ナルトに目を向けてその場から去っていった。

「…ふん」

今まで黙っていたサスケは足手まといが一人消えたことに安心を抱いている。

「…カカシ先生、後で…」

「ああ…」

カカシとナルトは小声で話し、簡潔に相槌を打つのだった。

 
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