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神の左手を持つ雀士

作者:湯鵜
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18話

『優勝は三嶋選手です。』

疲れたー。喜びよりも疲労感が先にくるもんかぁー。
いやでも、確かにこの疲れから達成感は感じる。
へへっ、やっべー。顔がにやける。
「負けたよ、三嶋君。今回は完敗だ。」
「どうもです。やっぱり、引退する前にリベンジはほしかったですよ」
「やっぱり、君も相当な負けず嫌いだね」
「負けてたまんま引き下がって2位のまんまは男の恥ですよ」
「そうだね。それなら、僕は全国でリベンジさせてもらおうかな」
「いいですよ。決勝で待ってますから」
お互い笑いながら健闘を讃える握手をした。



表彰式が終わり帰ろうと会場を出ようとすると
『三嶋選手、全国に向けて抱負を』
『今日の対局についてコメントを』
『今の気持ちを一言で』
記者に囲まれた。
「すいません。対局で今日はくたくたなんで取材は後日でお願いします。
でも、全国に向けて抱負は去年の王者である、えびす筑波高校の拓夜選手に勝つことです」
 おぉー、記者がざわめいた。
では、失礼しますと一言断りそばを足早にさった。
少し歩くと「大分でかいことをいったねぇ」と後ろから声が聞こえた。
「いや、俺は目標を言っただけですよ。三尋木プロ。」
「確かにねぃ。お前は強くなったけど、あいつは化け物だよ。」
「そんなこと、俺が1番理解してますよ。」
分かっている。今のままじゃ相手にならないことくらいわ。

「その様子だと、今のままじゃ勝てないことは分かってるようだねぇ」
「だから、全国までの短期間で強くなるしかないんですよ」
「でも、まだその方法が分からないと」
「.....」

「この場の沈黙は肯定だろ。
 三嶋知ってるか、男女ともに団体全国出場者は同じ団体全国出場者と練習試合は禁止されている。」
「それ位は知ってますよ。だから、男子の実力者とは2位以下としか戦えないんでしょ。」
 でも、今は経験じゃなく上の奴と..」
「そこまで分かってるなら強いやつとやる方法はお前なら分かるだろ」
 強い奴と戦う方法?
 そうか、女子のチームとなら禁止されてないのか。

「三尋木プロ、そんなに俺に肩入れしていいんですか?」
「何いってんだ?ただの世間話をしているだけだろ
 それに、流石に女子も男子もアイツの身内ばかり勝つのは面白くないからねぇ」
「成る程、やつ当たりですか。」
「おまっ、お前はな。師匠にもっと敬意を持ってよ」
「そうですね。三尋木プロ、ご指導ありがとうございます。」
「ふっ、全国終わったらまた稽古つけてやるから、楽しみにしてな」
「マジっすか、なら優勝して高校生代表として稽古を受けますよ」
楽しみにしてるよと言い残し三尋木プロは去って行った。
よっし、明日からもガンバっかな




 
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