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ロックマンX~朱の戦士~

作者:setuna
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第七十八話 Central Museum

 
前書き
セントラルミュージアムに向かったゼロ。 

 
セントラルミュージアムには誰もいない。
宇宙と古代遺跡、恐竜、海の資料を展示する博物館は、コロニーの破片落下による被害は奇跡的になかった。
しかし、復興作業の続く現在では訪れる者はいない。

ゼロ「静かでいい…静かで何もしないナイトメア…。そんなのもいいけどな」

ルナ『とにかく行けるだけ行ってみな』

ルナに言われるまでもなくゼロは前進する。
すると半透明のトーテムポールがゼロの前に立ちはだかる。
何をするでもない。
ただただゼロを見下ろすだけ。

ゼロ「このトーテムポールは何だ?」

ルナ『んー?何だろうなこれ?俺はオペレーターじゃねえからな…反応は無し…多分ナイトメアの一種だと思う』

レプリロイドに見せる幻…。
話には聞いていたが不可思議な物だ。
このようなわけの分からない物はゼロは嫌いだった。
トーテムポールに軽く触れると、急に視界がぼやけた。

ゼロ「何だ!!?」


































気がつけば先程とは違う場所にゼロは立っていた。
恐竜の化石がでかでかと展示されている部屋である。

ゼロ「ルナ、ここは何処だ?ルナ!!?」

通信が聞かない。

ゼロ「チッ…厄介だなナイトメアめ…」

とても不可解だった。
ナイトメアは何がしたいのだろう。
部屋はとても広かった。
静寂に包まれている。
恐竜の化石…ホログラムで、青いパネルに映し出されている。
ブラックライトで照らされた恐竜はそれなりの迫力があるが、所詮本物には及ばない。
エックスのアーマープログラムが置いてあるのは、そういう場所であった。

ライト『ゼロ…』

ゼロ「Dr.ライトか…」

ライト『今回このカプセルには今までのように別々に渡すのではなく、女神殿の助力を借りてこのパーツファイルにまとめて渡す。このカプセルで手に入るアーマーは“ブレードアーマー”じゃ、ルインの武器、ZXコンポジットを元にしてバスターとブレードを切り換えられる仕組みになっておる。ブレードとの連携を重点に置いてあるため、チャージショットのディバートチャージショットの威力は今までの戦いで渡したアーマーより低いので注意して欲しい』

ゼロ「(ZXコンポジット…あいつの武器の正式名称はそんな名前なのか…)」

セイバーとバスターの2つの機能を持つあの武器は確かにコンポジット(複合)の名に相応しいだろう。

ゼロ「分かりました。ルナに頼んで渡しておきましょう」

ライト『すまないゼロ…』

そう言うとゼロにパーツファイルを託すと直ぐさま消えてしまった。

ゼロ「(一体どうしたというんだ?)」

ライト博士の様子が明らかにおかしい。
彼は何か急いでいるように見えた。
そうでなければ女神の力を借りてまで最初から完成されたアーマープログラムを渡すはずがない。

ゼロ「……まあいい…気にしたところで俺にどうこう出来ることではないだろう」

パーツファイルを入手したゼロはスカラビッチの元へ向かうべく、足を進める。





































ゼロはその後、宇宙、海、古代遺跡の展示場を抜ける。
時々現れるイレギュラーを破壊しながらゼロは調査員がいるセントラルミュージアムの最深部に辿り着いた。
そしてようやくルナとの通信が繋がった。

ルナ『お?やっと繋がったぜ。ゼロ、近くに強力なデータ反応があるから気をつけろ』

ゼロ「ああ、調査員のスカラビッチだろう。遺跡荒らしからいつ調査員になったのか…」

やっていることは録なもんじゃない、どちらも。
ゼロは肩を竦めながら言う。

ルナ『いや、スカラビッチもだけど、もう1つ強力なエネルギー反応がセントラルミュージアムに近づいているから頑張ってくれや』

ゼロ「もう1つのデータ反応か…」

用心に越したことはない。
気を引き締めて扉を開ける。
先には岩石を転がす奇妙なレプリロイドがいた。

ゼロ「グランド・スカラビッチ!!今回はナイトメアと仲がいいみたいだな」

スカラビッチは岩を転がし、顔だけをこちらに向けて言った。

スカラビッチ「ほおっ、ゼロさんではありませんか?死んだと聞いていたが?」

ゼロ「お前に聞きたいことがある。お前達ナイトメア調査員は何を考えている?俺の亡霊の正体は?後、俺のDNAデータの使い道は?」

スカラビッチはDNAデータに関する質問にだけ答える。

スカラビッチ「以前はお主のDNAデータが欲しくてたまらんかったが、今は用済みじゃな」

ゼロ「その“用”を知りたいんだ。早く答えろ」

鈍そうな老人相手にゼロは苛立ちを感じた。
当の本人は彼の心中など意に介さず、ポイッと岩をゼロに向けて放り投げた。

ゼロ「答える気はないというわけか。なら無理矢理にでも吐かしてやる」

チャージしたリコイルロッドの一撃を岩に喰らわせ、吹き飛ばすと同時にセイバーを抜き放ち、スカラビッチに懐に入る。
勝敗は呆気なくついた。
地面に転がる調査員。
見下ろすハンター。
ゼロは相手の目の前にセイバーを突き付ける。
スカラビッチから喉に詰まったような悲鳴が聞こえた。

ゼロ「さあ、答えてもらおうか?俺のDNAを何に使ったのか?まずこの質問に答えろ」

スカラビッチ「…………」

ゼロ「さっさと言え、俺はエックスやルインとは違って気が長い方ではないんでな」

スカラビッチはガタガタと震え、顔を地面に擦りつけた。

スカラビッチ「それだけは言えん!!頼む、別の質問に変えてくれ!!」

ゼロ「ならばあの亡霊の正体は?あれは何なんだ?何故俺と似た姿をしている。」

スカラビッチ「し、知らん!!本当じゃ、わしゃ何も知らんのじゃ!!」

ゼロ「チッ…結局何も答えられないのか?」

スカラビッチ「………」

怒りが爆発する寸前、ゼロはスカラビッチに最後の質問をする。

ゼロ「最後の質問だ。お前達の目的はなんだ?あんな下らん芝居を打って、アイゾックは何を企んでいる?」

スカラビッチ「そ、それは…あいつが望んだことで…」

ゼロ「あいつ?」

スカラビッチ「ゲ、ゲイト……」

ゼロ「(ゲイト…やはり…ん!!?)」

異変を感じた刹那、激しい衝撃波と轟音が降ってきた。
天井が大きな塊のまま落下し、スカラビッチを押し潰す。

ゼロ「ぐっ…」

ゼロは瓦礫を払うと即座にセントラルミュージアムから脱出を図る。



































ゼロ「ぐっ…」

身体に走る激痛に顔を顰めながらゼロは起き上がる。
セントラルミュージアムは見事に破壊され、残骸以外何も見当たらない。

ハイマックス「やっと見つけた…ゼロナイトメアめ」

ゼロ「誰だ…!!?」

見上げると漆黒のレプリロイドが浮上していた。

ハイマックス「ハイマックス…ゼロナイトメアを処分する者…」

抑揚のない声でハイマックスは言う。
ゼロは激しい怒りを感じた。

ゼロ「俺はゼロだ!!ナイトメアなどではない!!言い掛かりは止めろ!!」

ハイマックス「詭弁を…死ね、ゼロ…デスボール……」

巨大な球体が放たれたと同時にゼロに通信が届く。

ルナ『今から転送するから動くんじゃねえぞ!!』

ゼロの身体を転送の光が包み込み、ゼロをセントラルミュージアム跡から拠点に転送させた。 
 

 
後書き
ブレードアーマー入手。
この作品ではブレードアーマーは最初から完成された状態のアーマープログラムで渡される。

ブレードアーマー

私の観点で原作ブレードアーマーを一言で言うなら劣化サードアーマー。
チップにより能力を強化出来る高い拡張性を誇ったサードアーマー。
しかしクロスチャージショットが使いにくいという欠点があったが、原作のブレードアーマーは明らかにサードアーマーを下回る性能。
バスターは使い勝手が悪くも通常エックス以上の威力を持つサードアーマーにも劣り、機動力はこの作品のレプリカファルコンアーマーにも劣る。
しかし一応原作以上の強化はされている。
強化点はセイバー(ブレード)による攻撃手段が格段に増えていること。
チャージセイバーは当然としてトリプルスラッシュ(ゼロやルインの三連撃)が使える。
まあ、これはこの作品で全エックス共通だが、ピュンパ斬りが使えるファルコンには火力で負ける。
空中回転斬り(多段ヒット)。
ダッシュ回転斬りが使える(こちらも多段ヒット)。
ブレードアーマーの固有スキルにロクゼロの技が元にした物が使える。
ジャンプ斬り上げ(ライジングスラッシュ)。
ダッシュ突き出し(ドリルファング)。
下向けセイバー(フォールクラッシュ)。
衝撃波(スラッシュショット)
一応性能はロクゼロ3属性無しEXスキル。
ドリルファングはロクゼロ3の烈風撃が元となっているため、ガードシェルバグを使えば鬼畜なまでの攻撃を誇る。
ファルコンアーマーに続いて長所を魔改造されたアーマーである。 
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