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リンネの記憶

作者:とあーる
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チャプター3 森の探検

「ナイーブ、今日は森へ探検に行かないか!?」
ツバサの声で起こされた。
「森!?行きたいよ!」
とリリィ。
「僕も森は大好きだよ」
とイーゼル。
「じゃあ今日はみんなで森に行きたいな♪」
とコロン。
「よし、じゃあ今日はみんなで森にピクニックでも行こう!」
ツバサがそう提案すると僕以外の三匹が声を合わせる。
「さ~んせ~い!」
おいおい僕はどうしたんだ。まだ僕の意見聞いてないじゃないか…まぁ…良っか。こうしてここで暇してるより森とか歩いた方が気分転換になる。
ツバサが丁寧に僕を起こしてくれる。
「おはょ~もう朝だよ~」
そんなのわかってる…でも不思議なんだ、目が僕の言うことを聞かないんだ。
「おはよ~…ってまだ起きないのかよ。仕方ないなぁ。ここは少し手荒にやっても仕方ないな。」ツバサが言う。
――!
「コロン、弱めに…ナイーブに向かって…おにび…頼む」
ツバサの指示にコロンは震えるような声で答えた。
「…は…い…」
やはりポケモンにも仲間に攻撃するのは間違ってるって考えはあるのか…
そんなことを考えていると間もなく灼熱の炎が僕を襲った。
「うわっ…あちっ…あちちっ…」
文章におこすとそんなに僕の熱さは伝わらないが相当熱かった。
「あ、ナイーブおはよー。向こうに湖があるから体洗っといで」
ツバサが言うがアイツ…わざと言ってるに違いない…言ってるときの顔がにやけてたし…
僕はとりあえずツバサの言うことに従って湖へ行った。早く火を消さないと焼け死んでしまいそうだ。
―ボチャンっ…
「ふぅっ、助かったな…真面目に死ぬかと思ったよ」
火はジュウと音を立てて消える。
「おはよ~ナイーブ。目、覚めた?」
いつの間にか近くに来ていたツバサが言う。
「もちろん、あんた達が僕を燃やしたのかい?」「だって…君が全然起きないから…ね」
それでもやることには限度があるだろう。まぁ仕方ない。もとはといえば僕がすぐに起きなかったのが悪いんだし、ポケモン達も僕に好意を持ってやったことだから不思議とこれ以上の文句は出なかった。
「で、お前が寝てる間今日どうしようって話になってさ…」
ツバサが途中まで言いかけると僕が口を挟む。
「森…でしょ?」
「!…何でわかんの!?」
「だって僕…聞いてたからさ…でも不思議なんだ…耳は聞こえたのに目と口は全く開けられなかったの」
「えっ…なにそれwwただ眠かっただけだろww」
――そうだったらいいがな…
面白おかしく話ながら僕らはツバサの寝床へ帰った。
「あっツバサ、お帰り~。ナイーブ、死んでなかった?」
「あっ居るよ。ほら」
ツバサはいきなり僕に話を降ってくる。
「あっあのぅっ…おはよう…ございます…」
リリィが突っ込む。
「なぁ~に男の子がびびってんのよ!もっとシャキッとしなさいシャキッと!あと、君はもう私たちの仲間なんだから敬語…使わなくて良いわよ」
エヴァンゲリヲ○で言うとミサトさんタイプのきれいな女の子だ。
「はっ…ハイッ」
「ほれ、もぅワンテイクっ」
「みんな…おはよー…」
少しためらいながらも出るだけの声を出して言ってみた。
「ナイーブ、おはよー」
「おはよー」
威勢のいい声が返ってくるのを聞いて僕の緊張がほどけた。
「うん、おはよー」
「ツバサにも聞いたかもしんないけど今日はみんなで森までピクニックにいくよ♪」
コロンが嬉しそうに言った。
「そ…そっか。楽しみだなぁー」
僕は一瞬口ごもった。
寝ながら話を聞いていた事を悟られないために…
――もしかしたら…森にいけば何で僕がポケモンに転生しちゃったのか分かるかもしれないな…
僕が上の空で思っていると
「ほら!ぼおっとしてないで!いくよ!?」
リリィがそういいながら僕のしっぽを引っ張った。
「こらこらリリィ、森は逃げないからそんなことまでしなくていいよ」
ツバサがリリィに言う。
「…ごめん…」
照れる彼女のかおは可愛かった。白い顔にピンクに染まったほおがくっきりだった。
「さぁ、気を取り直して森へ出発だぁ!」
ツバサが言うとみんなが
「オオーッ」
と合わせて言う。
ついていけなかった僕は
「お…おお~っ…」
と弱々しく呟くだけだった。 
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