『自分:第1章』
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『悪徳詐欺』
臣君、展示販売で親関係とか何人かに売ってた。
ローン組ませてたから...
そりゃ売りまくって稼ぎまくる言うてたけど、身内?
悪気や良心は無いん?
騙して買わして稼ぐくらいなら、ウリやった方が100倍ラク。
犠牲者出んし。
チンピラのシンさんがアポ取り大会以降来てない。
高松の時、補佐が席外した瞬間に、シンさんに携帯取られて登録されてた。
連絡してみた。
[あれから見んけど何かあったん?]
[忙しいけんのぉ~。稼いだ?]
[あんな高いもんローン組ませてまで買わせれんやろ!詐欺やったらシャレんならんし]
[まぁ詐欺やろ!]
[マジ?ほんまに本気で悪徳なら速攻辞める!]
[本社叩かれよるしなぁ~知らんの?]
[外部情報はいらんし...]
[はぁ~っ!!]
[いや、マジ。寮にもテレビとか無いで?]
[絶対怪しいわ~]
電話できるか聞いて、着信来たから事務所出た所で話した。
ヤバい感じっぽい。
寮に帰りよる時、マサの兄貴から着信。
シンさんが話してたこと、似たような内容のことを言われた。
翌日、施設職員数人から着信とメール。
大阪本社、詐欺やらデート商法やら、悪徳商法でニュースなったらしい。
マジで辞めよ!
朝礼後、辞める言うた。
勿論、辞める理由聞かれた。
『客も呼べん、お金も入らん、貯金も無くなった、携帯も払えんなったら止まるし、もう嫌やけん。』
此は此で本音。
ニュースのことは皆が知らんっぽい。
言いにくいわな...
彩さんも、今朝、コソッと辞めるって教えてくれた。
親が危篤で実家継ぐからって。
部長にイヤミ言われた。
『そんなことで辞めるなら何処も続かん!次絶対売れや!』
いやいや、無理。
呼ぶ気にもなりません。
売る気にもなりません。
だから辞めます。
どこ行っても続かん?
ノルマ無いとこか時給くれるとこなら此処より続きますよ。
『そんな理由じゃ納得せん!ハッキリ言え!何が気に入らん!』
事務所に響き渡って静かになった。
言うしかないか。
辞める人増えて潰れてしまえ。
こっちも、わざとらしく怒鳴りつけるように言った。
『本社が詐欺!悪徳商法でニュースなっとるって色んな人から連絡きよんじゃ!一応こんなんでも心配してくれる人居るんですよ。信用無い商品やか大事な人間に売れるわけ無かろうが!!』
部長絶句。
事務所もザワついた。
『其処座って待っとけ!』
シンさんに状況メール。
家も職も無いの知ってる。
松山駅迎えに来てくれるって。
部長が寮から零那の荷物持ってきた。
『誓約書書け!ほら!』
拇印、5本指...何に使う気やっちゅうねん。
実家の住所も番号も名前も誤魔化した。
どうせすぐバレるやろうけど。
これ以上、詐欺じゃ詐欺じゃ言うて騒がれても困るけん追い出そう思たんやろ。
シンさんからメール。
高速飛ばしよるけん駅居れよって。
誰も頼る人おらん。
帰るとこもない。
やからってシンさんに頼ってえんか...其れは其れで問題やと思った。
それでも頼るしか無かった。
恵ちゃんに迷惑や心配かけるわけにはいかんかった。
ましてや転がり込むとか出来ひん。
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