サイカイのやりかた #毎週投稿

レビュー

  • 岡崎修一は、実に非凡で無価値なEランク武偵だ。他がそれを発話すれば、己は拒むことなく受け入れる。そんな一人の少年だ。
    無能な武偵と揶揄され、目立った良点こそ無いものの、悪点を言い出せば数知れず。そんな、一人の高校生だ。

    だからこそ──そんな彼に。岡崎修一という人間性に、私は酷く、心惹かれている。
    武偵としての才能が無い。それ故に、ある一面に於いては、また違った才能を見出すことができるのだ。

    ──築かれてゆく人間関係。それこそに。

    その中には、原作中のヒロインである峰理子の存在が多く含まれている。寧ろ、彼女が9割を占めているかもしれない。
    交錯する彼と彼女。刻一刻と紡がれてゆく、かの日々の中で、2人は何を想い、故に、日々を往くのだろうか。

    詳しく語ることこそしないが、とても微笑ましい2人だと、私は思っている。この文面で理解出来なくてもいい。
    それは、読めば理解出来ることだ。まずは読んでほしい。

    暁に於ける緋アリSSの中で、常軌を逸した作品だろう。勿論、良い意味でだ。それは私が保証する。
    少年少女ならではの恋情。これこそが、この作品の魅力だ。