つぶやき

ボーンアックス
 
神座廻り―――ポーズトレスのイラスト、描いてみた(デュランダル[クイーン])
ボーンアックスです。

 とあるADVのCGの、ポーズをトレスし自分のキャラに置き換えたイラスト・第四段です。
 今回はコラボ―――黒鉄狼牙さん作のSAO二次創作、“『Darknight Queen』”よりヒロインのクイーンです。
 またも理がギャグ(?)みたくなっている上、やっぱり画質悪い&線ガタガタ下手糞なイラストですが……それは流しちゃってください(エッ

  注意事項としましては
 ・イラストだけじゃあれなので、原作通り―――小っ恥ずかしいオリジナルの碑文、及びそれを読んだ者の感想もあります。
 ・長いです、ご注意をば
 ・中二全開と言うか常識全壊というか、非常に痒くなりそうなので、苦手な方は更にご注意を。

 そのほか……とある『厭魅凄艶』と言うBGMを合わせれば、より雰囲気がでる……と思います。

 また、話の前後の『世界』に繋がりは有りません。
 統治後の世界観に合わないじゃないか! と言う突っ込みはご遠慮ください。

 宜しい方は↓へ↓へ








……………



階下へと降り、辿り着いた今度の部屋。
そこは第三天の如く真白に染められた一室だった。

……だが性質は自体はまるで違う。

あちらが尽く滅菌された一滴の緩みも許さぬ純白で有ったのに対し、こちらはとても穏やか……いや和やかで、言われずとも自然に心身共々緩めてしまいそうだ。
更に良く見ればその色も完全な白ではなく、どちらかと言えば乳白色に近いだろう。

しかし何故だろうか……どこからともなく鼻孔をくすぐる、良い匂いが漂ってきているかに思える。
……意識したら、なんか腹へって来たな。さっきまでそんな状態じゃあ無かったってのに。

一体ここは、どのような理なのか。

部屋の中央に据えられた像は、髪の長い一人の女の子。





黄昏に染まる第五天の様に、緋色螺旋の少女の様に、僅かながら笑みを浮かべているが、醸し出す空気は彼女等のどちらともまた異なっていた。

慈愛は……どうにも違う。かといって狂喜では勿論ない。
例えるならそれは――― “幸福”だろうか。

いかれた物が広がっているのに乱舞するでなく、己が渇望より優しく抱きしめるでもない。
とても無邪気に、偽りなく嬉々として眺めている……そんな感じか。


―――台座の碑文には、こんな事が刻まれていた。


『その者、生物の三大欲求が内一つに魅入られた追及者なり

 その欲とは、即ち食べる事。
 彼女は“食”に関する事柄をを何より大切に想い、食物を口へと運ぶ瞬間に何よりも幸福を感じていた
 元は同じ食物の筈……しかし何故味が違うのか。同じ器具で調理した筈……しかし何故感触が異なるのか
 甘味、苦味 酸味 渋味 辛味 塩味 旨味―――ありとあらゆる味覚の本流に、彼女は魂まで魅了されていたに違いない

 そんな彼女に不幸があったとするならば……生まれた世界が“現実の世界”と表裏一体に存在する裏側の世、“偽りの世界”であった事
 彼女本来の有り方が“武器”として設定され、生まれ落ちた事に他ならないだろう
 何故武器なのか、そして彼等は何故自分達を手に取るのか、“その刻の”彼女には理解できなかった
 ただ理解し、そして感情強く育まれる時は、彼らと共に食事をとる時。
 しかし……舌へ、喉へ、脳へ送り込まれし甘美なる味覚は、個体毎にそうあるべきと設定された偽物
 肉を食む感触、入り混じり福を醸し出す美味―――それらをどれだけ上物と謳おうとも、結局は嘘に他ならない
 つまりは皆一寸ですら何も変わらぬ、同じ物を口に乗せている
 ましてや“武器”の身……個々によって取得や有様を変えるなど、より起こり得ない事象なのだ
 なればこそ、彼女は心の底から渇望した―――譬え醜悪の一言に尽きる、不味だとしても構わない。自分の持つ感性で、自分だけの感覚で、それら味覚を感受したいと

 されど少女は表と裏を行き来出来ぬ身。“武器”として寄り添い、また“人”として恋慕する主とは違い、裏側に固定された存在
 表側へ顕現するには何もかもが足らず、全てに置いて手など無かった
 ……本来ならば
 何と、彼女の強き思いは何時しか、“武器”と言う物と人との間柄を超えて育んだ主との絆を媒介し、現実へ降り立つ特殊な体を得るまでになる
 終わりなき渇望、三大欲求の一つを愚直に追及し……何より愛の域まで高められた感情が故に成せた、正に神の御技、奇跡の所業だった

 しかし現実は非常、そして残酷。彼女の夢見た楽園は、何処にも存在などしていなかった
 裏側の世界とは違い、現実は地獄そのものだったからだ
 見目に麗しき草花は枯れ散り、頬を撫でる優しき風は鑢の如き熱風、戦火により人々は病的なまで痩せ細る。
 一番強く望んでいた食物など味気無いを通り越し、いっそ裏側の方がどれだけマシだったかと絶望する程に廃れ果てていた
 ―――其処で漸く、裏側の世界が生まれた理由と、主達が裏側に降り立ち成していた事柄の真実に気が付き、少女は二重の負により絶望する
 自分が武器として生まれたのは“此方の世界”に影響を及ぼす為だったのか
 ああ、ならば自分はその事に幸福を感じなければならぬ……私は一種の異常者だったのか
 意味すら存在しえない自問自答と鬱心に苛まれ、目の前の地獄に少女の感情は死にかけた

 だが、巡り合わせは常に働き、合縁奇縁を運ぶもの。一つの微かな希望が、彼女の絶望に亀裂を入れた
 それは……裏の世界で獲得した財が現実に及ぼす光明が、偶然にもある食材を復活させていた事にあった

 一にも二にも食を渇望していた少女を知る主は違反を犯してまで食物を手にし、彼女へ差し出す
 結果から見ればたった一欠けら口にしただけ。―――されども彼女はこの上なく感涙する
 染み出る味覚の、鼻を擽る香りの、喉を通る感触の何と甘やかなことか
 彼女はただ滂沱し、感謝し、その身に降りた幸運と興奮から打ち震えた
 同時に伝来する過去の記憶
 皆して草原の上に座り、何気ない食事な傍らただ笑い合った、その光景

 もっと食べたい。もっと口にしたい
 自分だけではまだ足りない、皆で笑いあい、皆で卓を囲みたい
 己の良く知る戦友達と語らい、己の知らぬ者達と声を掛け合い、笑いあいたい

 少女の強烈な渇望へ切望が加わり、余りにも率直素直な願いだった為に、主は愚か戦友達すら異論唱えず賛同する
 世界を巡り人と出会い、確かに鬱屈とした膿こそ彼女等を阻んだものの……しかしより抱きし想いは強くなる
 世界より光を絶やす根源を探す彼等が辿り着いた先は―――神佇む奥底の“座”
 総勢二十の拙い軍勢は、しかし億をも通り越す那由他の道力をもって、絶望を塗り替える
 そうして自然、一番に渇望の強かった彼女が、その座に腰を据えることとなった

 生まれ居出た世界は、食が何より尊ばれる世界
 以前より口にできた食材すら多様化し、更に以前の世界からは考え付かない物すら食物と化し、万人を満たす“食”が全てを覆い広げた
 何よりも食を優先し、それこそ価値ある物だとみな認識した
 しかし特に広がったのは―――賑やかに卓を囲み、食を育むその価値。その平和な光景だろう

 人よ、食を貴ぶべし
 親しき者と笑み合うべし
 その様が何よりも幸福であり、そして何よりも大切なのだから

 “これぞ彼女の成した理、彼女の代の座、彼女が背負った真実の全てである”』


「……」

 何でだろうか、自然と笑みが零れてきた。
 でも、それも当然かもしれない……何せ、とても平和な世界なんだから。

 まあ闘争、紛争こそあっただろう。
 この世界は、何に置いても食が優先されているだけであり、人の根源全てを強制した訳ではない。
 ……それでも温かさを大事に想い、育てていくその優しさ。
 無邪気だと感じた、その理由も分かった―――語らい食するその様が、筆舌に尽くしがたいぐらい嬉しかったんだな。

 何かと自由な理ではあり、凶悪な化け物が生まれる可能性も否定できないけれど、信頼できる主に加え、十八人も座まで到達できる仲間が居たんだ。
 もしかすると、案外長く続いたかもしれない。

 一見苦笑する “食いしん坊万歳” も、極めればとても面白い事になるんだな。


そんな感想を胸に抱き、俺はその部屋を後にした。








 ―――如何でしたでしょうか? 黒鉄狼牙さん。
 理に名を付けるなら、そのものずばり『万食千望』! ……そのまんまやんけ……。

 まあぶっちゃけて言うと、グルメ細胞無しでスケールが色々と違う『ト○コ』みたいな物ですね……結構マジで。
 そして……何気に今までの中で一番マシ―――どころか一番平和な世界だという。
 ―――食いしん坊恐るべし

 あと、主要人物(クイーン)を中心に置き、周りへ輪を書くように他の守護者達(エース達)描写したら、結構賑やかになりそうですよね。
 オマケに個性も千差万別と言う……。


では、ボーンアックスでした。



PS.リクエスト募集、まだしています。
  碑文込みか、イラストだけか。
  どちらでも良いので、下手糞な絵で描かれても良いという方はぜひ応募ください。