つぶやき

ボーンアックス
 
神座廻り―――ポーズトレスのイラスト、描いてみた(謎の女性プレイヤー)
ボーンアックスです。

 今回はとあるADVのCGの、ポーズをトレスし自分のキャラに置き換えたイラスト・第一段です。
 ……鋭い人は、タイトルとポーズだけで何のゲームか分かると思います。

 イラストだけじゃあれなので、原作通り―――小っ恥ずかしいオリジナルの碑文、及びそれを読んだ者の感想もあります。
 長いです、ご注意をば
 中二全開と言うか常識全壊というか、非常に痒くなりそうなので、苦手な方は更にご注意を。
 ……とある『厭魅凄艶』と言うBGMを合わせれば、より雰囲気がでる……と思います。

 また、話の前後の『世界』に繋がりは有りません。
 統治後の世界観に合わないじゃないか! と言う突っ込みはご遠慮ください。

 宜しい方は↓へ↓へ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

………………


降りた先、次の階はコレまた奇妙だった。

赤みがかった黒檀色と、第二天ともまた違う緋、その二色に染まっている。
しかしその別れ方は第一天のような、キッチリと別々へ明確に分けたものではなく、螺旋を描くようにして絡み合っている。
何処を見ても二色が眼をつき、決して一色のみが眼に入ることはない。

そして何故か抱きしめられているようにも思えた。
……だが、第五天みたく包み込むような優しさはまるでなく、痛みすら覚えてしまう程きつく縛られている感じだ。
強烈過ぎて、何故だか『愛』すら感じてしまうぐらいに
息苦しさこそないが、常に “こっち” が追い詰められている感触を受ける。

―――決して、決して逃がさない。
この階自体がそう発言し続けているかのようだ。
一体どのような理なのか。

俺は、部屋の中央に添えられている像を見やった。





これまた何の偶然か、第五天と年の頃同じに思える少女だった。
容姿からして可愛らしい、という言葉だって普通に似合うだろう。
……だがやはりと言うべきなのか、雰囲気がまるで違う。

第五天は癒しを与えてくれる穏やかさを放っていたが、此方の少女は容姿に反し強烈な狂気、いや『狂喜』を感じる。
しかもそれは自分だけでなく、今此処にいる俺、まだ見ぬ他者へも分別無しに放たれている。
誰かを抱きしめたいではなく、誰だろうと抱きしめたら放さない……いっそ少女であるからこそ恐ろしいとも思えた。

―――台座の碑文には、こんな事が刻まれていた。


『その者、愛に飢えた狂い人なり
 ただ刃を振え、ただ目の前の者を滅せ、考えるなその前に動け、其れを繰り返せ
 嘗て、それを強制される星の元に居たのか……世に生まれ居出てからこれと言った感嘆も受けず、淡々と無色なる日々を過ごしていた

 だが、少女はある日気が付いた
 その日彼女が負った役目は特別ですらなく、単純に無視できぬ障害足る敵対勢力の殺害であった
 ―――しかし、刃にて手に掛けようとした相手は、そしてその周りの戦士たちは恐るべき強さを誇り、死の淵に立ってすらただ足掻く 
 ……結果こそいつもと変わらず、少女は勝ち残り「宿」へと還っただけ、されど前日までとは確実に違う。
 この事が彼女の心に大きな光を生み、ある種起きてはならない転期を齎した

 醜く足掻くその所作は、彼女にとっては勇者の逆転劇
 己に振り掛る凶刃は、母の差しのべたる慈愛ある御手
 彼女にとって一見見苦しい、もがき足掻き、そして抗うさまは……何にも代えがたい美麗なる宝物、己が真に愛するべき事象と、そう映ったのだ

 他者がそうある様を眼に焼き付けたい、そしたまた自分も美しき世界の一部でありたい
 瞬間、彼女は人間すべてに『恋』をし、『愛』を抱いた

 彼等はとても美しかった
 この輝きを真に持てる他者が、他の人間が狂おしいまでに愛おしい、だからそれを与えてあげたい
 その渇望が限界まで高まり……彼女は遂に凶行を起こす

 まず初めに行ったのは、灰色を乗せ掛る邪魔な「宿」の者達を皆殺しにする事
 追い詰めて笑い、追い詰められては嗤い、歓びに叫び、喜びに猛り……嬉しき狂乱の中で彼女は生き残った
 次に行うのは己が定めるべき獲物を選ぶ事
 中途半端な希望を持ち得られては、どうせ最後に絶望される、それでは意味がない
 求める者は、いっそ行き過ぎなまでに堅く、硬く、また固い意志

 相手を求めるだけであったなら、彼女は途中で挫折していただろう
 問題は彼女自身すら「もがき、足掻き、抗う」事を求めていた事にある
 まだ足りない……数の暴力、覆せぬ実力差、その中に身を置けば私はより美しき輝きを放てる

 求め、更に求めて、求め続け―――幾許かの年が過ぎ去った時、此処で彼女は決定的な壁にぶつかった
 それは至極当たり前の現象、皆が彼女を恐れ始めたのだ
 何故無視をする? 何故抗おうとしない? 何故自害する? 何故黙って斬られる? 何故反撃しない?
 ……やめろ、そんな詰まらない事はやめろ、もっと抗って欲しい、抗わせて欲しい
 自ら輝きを失うな、何故鈍り腐っていくことを望むのだ

 絶対的な獣を直視し、その暗雲を振り払おうと、己が全てを注ぎ込む事 
 威圧する強大な難敵相手に一歩踏み出し、鮮血流してまで武を振う事
 それが人にとって尤も煌々たる力を持てる瞬間、己が生き甲斐ただ一つの渇望なのに

 彼らに失望したくない、抱いたこの愛を失いたくない……ならばどうすれば良い?
 ―――此処で彼女が至った結論は、余りにも恐ろしい物だった

 ならばいっそ私が世界となろう

 恐ろしき渇望はその強さが故、嘗ての支配者に挑むと言う彼女にとってはこの上ない宴も合わさって……遂には座に至り、塗り替えてしまう

 彼女の生み出した世界は、陳腐に表わすならただの地獄だ
 親は子へ力を向けようとし、我が子が最初の凶刃から逃れられるかを試す
 隣人は隣人を愛し、されどだからこそ暴なる力を向け合う
 人が居なければ輝けぬからこそ、愛すからこそ他者を滅ぼし尽くす事はなく、しかし争いは決して止まぬ

 人よ争え、その先にこそ、輝かしき至高の光ある
 相手が未だに足掻くなら、己も奮起し足掻き続けろ
 なればこそ汝はあらゆる万物をも押し退け、美麗なる御姿を持つ事が出来るのだ

 “これぞ彼女の成した理 彼女の代の座 彼女が背負いし真実の総てである”』


「……」

 正直……開いた口が塞がらない。
 何なんだこの少女は。
 可愛らしい容姿のクセして、その実とんでもない物を広げてやがった。

 人は追い詰められてこそ価値がある?
 足掻き続ける遍く人達を愛し、全ての人間に恋をしているからこそ、己の望む世界を広げたい?
 ……何処までハタ迷惑な奴なんだ。前の奴以上に押しつけがましいぞ。
 しかも前の奴はちゃんと周りの事も、まあ一応は考えていたが……この少女は論外だ。
 何せ自分が見たいだけ、自分が愛して居たいだけで、世界を丸ごと塗り替えたらしいからな。

 碑文にも書いてあったが、確かにこの娘は超えてはいけない一線を越えちまってる。
 しかも今の今までずっと無色透明―――いや、無色且つ灰色の世界に居たもんだから、初めに得た輝きとやらの強さも相俟って、限界点を通り越す勢いで思いっきり吹っ切れてしまったのか。

 詰まる所、緋は彼女の愛と喜びの象徴で、黒は逃げ場のない狂気を現している訳だ。
 親しい者に命を狙われ、また自分も狙い、更には誰に狙われているかも分からず、しかし皆それを快楽だと感じ、故に止められない。
 ……第四天とは違った意味で、まるで逃げ場がねえ。考えるだけで背筋が凍りそうだ。

 性欲すら単なる渇望を増やすための道具でしかないと思えば、俺にとっては先の男よりもより生きにくそうな世界だ。

そんな感想を胸に抱き、俺はその部屋を後にした。






 ―――いかがでしたでしょうか?

 名を付けるなら『恋慕惨争』と言った所でしょうか。

 ……やっぱり、ほぼイラスト紹介じゃなくて、自分の黒歴史発散所になって居た様な……。
 で、では! また次回!

 ボーンアックスでした。





PS・もしかしたらまた書くかも……。
  ……その時に、自分のキャラを描いて欲しいとメッセージが有れば、もしかしたら……?