つぶやき

ボーンアックス
 
神座廻り―――ポーズトレスのイラスト、描いてみた(ガトウ)
ボーンアックスです。

 今回はとあるADVのCGの、ポーズをトレスし自分のキャラに置き換えたイラスト・第一段です。
 ……鋭い人は、タイトルとポーズだけで何のゲームか分かると思います。

 イラストだけじゃあれなので、原作通り―――小っ恥ずかしいオリジナルの碑文、及びそれを読んだ者の感想もあります。
 長いです、ご注意をば
 中二全開と言うか常識全壊というか、非常に痒くなりそうなので、苦手な方は更にご注意を。
 ……とある『厭魅凄艶』と言うBGMを合わせれば、より雰囲気がでる……と思います。

 また、話の前後の『世界』に繋がりは有りません。
 統治後の世界観に合わないじゃないか! と言う突っ込みはご遠慮ください。

 宜しい方は↓へ↓へ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 



………………


今度の階は、一面を除き青緑色に染められた階だった。
碧色は目に優しいとか何とか言うが、此処はそれと同時にまた別種の『優しさ』があると受け取れる。
だがどうも、押しつけがましい気がするのは気のせいなのか。
如何にも「これをお前も望んでいる筈だ」と言っている気がする様な……。

それでも、その配色は見ているだけで、親しき友人と常に傍にいるような安心感を齎してくれるかのようだ、と言うのは変わらぬ事実。
何処を見ていようとも心安らぎ、思わず眼だけでなく体すらも止まってしまいそうだ。

……だが残る一面―――黒緑に染められた箇所だけは、如何も眼を逸らしてしまいたくなる。
何とか眼を向けようとするも自然とそっぽを向いてしまい、視界の端に入る事すら嫌に思える。
たった一箇所だけ色が違うのだから、本当は大なり小なり気になっても仕方がないというのに。

別にその黒緑色が、不快に思えるような奇怪な塗り方を施されている訳ではない。
ただ、妙な違和感を発している。

多面に及ぶ安堵と、一面に置ける不安。
一体どのような理なのか。

……部屋の中央には例によって像が据えられていた。若き青年と思わしき男だ。





顔に十字の傷があり、包帯を巻かれた歪さ目立つ左腕。
外見だけで判断すれば死線を掻い潜り続けた戦士にも思える。
……けれど、滲み出る雰囲気は如何にも寂しげな印象が強く、何度考えを巡らそうとそれを拭いきれない。
まるで、手を伸ばし続けて、それでも尚掴めぬ何かを求めているような……。

―――台座の碑文には、こんな事が刻まれていた。


『その者、強固なる繋がりを求めた
 命を得て、生まれ落ちてから絶えず差し出した手を弾かれ、繋いだ手を断ち切られ、悲劇を繰り返すその中で一つの掻き消えぬ光を求めた

 立場が、環境が、其れを拒もうとも一心に願い、光源へ向けてひた走る
 立ち止まったが最後、自分の中にある光すら消えてしまいそうだから
 ……されど状況は変わらない
 悪化もしないが、改善もされない

 何故受け入れた情を食い捨てられてしまうのか、己はそれらを求めてはいけないのか
 俺は何故その運命を背負っているのか、まさか俺は愛されてはいけない何かを持っているのか?
 ……そんな筈はない、自分とて一個の生命の筈だ
 例え羽虫の如くか細くとも、得るべき恋愛はきっとある、取るべき友愛がきっとある

 だが世界は非情にも牙をむき続け、男は尽く裏切られ続けた
 それが離別であれ裏切りであれ、また別の形であれ、平等に去っていく
 ……しかしそれでも内にある影と、外に及ぶ光から眼を逸らさなかった
 其れ故だろうか。男の求める“繋がり”の有り方が何処かねじ曲がり始め、歪な物と成り果てたのは
 他者へと向けられてさえ、固定された縁と変わっていったのは

 まず男が選んだのは嘗ての繋がり、その証を己に科し、己に元ある個性すら一つの取るに足らぬものとした事だ
 お前達は此処にいる、お前達は此処にある、消えてはいない消えさせない、消させてなるものか
 盲目的に突き詰めた彼は、周りから見れば当然、異常そのものだった
 彼が彼足るものを埋もれさせてまで、見えぬ何かを繋ぎとめ、事を成そうとするのは異質の一言に尽きた

 だが彼は止まらず、理解を得ようともしない
 次に選んだのはこれからの繋がりを防護するべく、力を振う事だった
 繋がりを冒涜する悪辣を察知したならば、それが一厘にも満たぬ可能性であってすら、尽く斬り伏せる
 お前は障害となる、俺の温度を奪う害悪となる、だからこそ此処で朽ち果てろ
 その憤激を湧きださせ、斬り付け、斬り裂き―――斬り落とした

 自らの中で完結させ、つなぎ止め、悪であろうとも事をなし、悪罵を掛けられるよりも恐ろしい事象から、只管に刃を振い遠ざけ続ける
 深い情と鮮やかなる血の交える様を繰り返し……男はふと思った

 例え自分がどれ程羨望を抱き、どれほど守護に徹してすら、繋がりはたった一つの離別と共に断ち切れてしまう
 その別れが永遠であろうと無かろうと、薄れ、掻き消え、忘れ去られてしまう
 許されない、許し難い
 繋がりとは変えられぬ価値ある物、温かく優しき存在であるというのに

 その非人道的忘却を許しているのは何者か
 その者が居るからこそ自分は、他者は、尊ぶべき温度を薄れさせてしまうのか

 ……ならば丸ごと書き換えてしまえ

 余りに過去を想い、余りに未来を求めたその男は、遂に座を塗り替える
 死して尚―――否、別の存在へ転生して尚、その者を忘れず覚えていられる世界へと
 親しき者との繋がりをより確固たるものとし、その繋がりを断ち斬ろうとする者を死力を持って排除する世界へと

 彼の生み出せしこの世界は、ある意味では不変、しかしある意味では常に移り変わる世界とも言える
 嘗て己が何であったか、最も親しき隣人とは誰であったか、其れを覚えていられるからこそ、過去の失敗を別の形で払拭出来る
 次なるつながりへ手を伸ばす事が出来る
 廃却してしまった温度を、拾い上げる事が出来るのだから

 繋がり有る心情が、友情が、愛情が、恋慕が、先達を貴ぶ胸懐がどれ程素晴らしいものかを……森羅万象あらゆるものよ、その魂にまで刻みこめ

 “これぞ彼の成した理、彼の代の座、彼が背負いし真実の総てである” 』


「……」

 要するにコイツはアレか。
 超絶的なまでに、特大の寂しがり屋だった訳か。

 青緑の安心感は言わば『繋がり』の発露、眼を背けたくなる黒緑は『離別』の発露か。

 殺され奪われ裏切られ続けて、それでもある意味では腐ることなく情を求め続けたのは、素直に凄い。
 けどそんな人恋しさをこじらせ過ぎて、『離別』をとことん直視せず、『繋がり』のみを凝視するそのあり方を、遂には他人にまで全部押しつけやがったらしい。
 
 端的に言えば、分かれ告げる方も告げられる方にも、ずっと人が嘗ての繋がりを覚えていられるように、記憶や文明そのものを書き換えたって事だ。
 確かに雅で甘美な思い出を持つ者、親友を持つ者にとっては都合のよい世界だろうし、記憶が一定ぐらい残るのは、自我の消滅を恐れる者にとってはこの上なく嬉しいだろう。

 だが皆が皆そうじゃない。
 一人になりたい奴とか、手にしたつながりが煩わしかった者、己自身が気に入らない者は一体どうするのだろうか。
 しかも繰り返す度に変わり続けるのじゃあ無く、ずっと覚えて居る想い出もあるだろうから、人格が引き摺られて可笑しくなりそうだ。

 少なくとも俺自身は明確に “こうだ” とは判断しがたいが、薄淋しいからと言って全部思い通りにするのは正直どうなんだ……?
 まあ、コイツの場合は環境が悪かったんだろうな。
 何度も何度も失っていれば、そりゃあ誰だってやさぐれる。そうとしか言えない。

そんな感想を胸に抱き、俺はその部屋を後にした。






 ―――いかがでしたでしょうか?

 名を付けるなら、『縁《えにし》不変』と言った所でしょうか。

 ……と言うかほぼイラスト紹介じゃなくて、自分の黒歴史発散所になって居た様な……。
 ……では! また次回!

 ボーンアックスでした。





PS・もしかしたらまた書くかも……。
  ……その時に、自分のキャラを描いて欲しいとメッセージが有れば、もしかしたら……? 
八代明日華/Aska
 
kkkのBGMなら
『禍津血染華』がお勧めです。ベイ中尉のテーマソングの和風版ですが、和風故のかっこよさがありまする。

あとは『刹那・無間大紅蓮』。あの冒頭のアインザッツと一音だけ外れてる所とボーカルがついてないところがもう……。マリィはもういないんや……って……。

最新作まだかなぁー。第九天が主人公のやつのプロットが有るらしいんですけど……Diesアニメ版前後で発売されないかなぁ。 
ボーンアックス
 
八代明日華/Askaさん
 はい、見事にハマりました……。
少なくとも突き抜けて壮大なスケールに魅了されたのは事実でございます。
最初、暇つぶしに調べただけなのに……。
 個人的には此処にもこんな事を書いている様に、kkkの神座廻りの話が好きです。
“彼” の心根とか、歴代の者達が抱いた願いとか、あとはBGMと像のCGが何か好きで……。 
八代明日華/Aska
 
ようこそ既知感の檻(ゲットー)へ
ボーンアックスさんも神座万象沼に……?