「冥王来訪」の感想


 
コメント
アリアイリスディーナとカティアのドイツ統一は非現実的ではあるものですが、二人はドイツを愛しています。その夢(ドイツ統一)のためにそうする意志を持つ彼女たちなら、バイエルン人でさえも彼女たちの愛を受け入れるべきだと思います。なぜなら、神は人々に隣人を愛することを求めています(これはウンベルトによるクオーレ批判に対して僕の反論です)。 
作者からの返信
作者からの返信
 
>ウンベルトによるクレーオ批判
 作家ウンベルト・エコーは、日本では、ショーン・コネリー出演の映画にもなった「薔薇の名前」の原作者の印象が強いですが、本業は記号学者のようですね。
 おそらく1963年に書いた『ウンベルト・エーコの文体練習』(原題”Diario Minimo”)に収録されているクレーオの書評である「フランティ礼賛」の事でしょうか。
 内容は覚えておりませんが、イタリア統一運動に心血を注いだイタリア人をくさす内容で、少年院に送られる悪童をほめそやす話だったと思います。
エコー自身が出自があいまいな人で、彼の祖父は孤児であり、市役所でECOの姓を貰った人物なのも関係しているでしょうね。
 それとも最晩年の小説である「プラハの墓地」でしょうか。
あれもイタリアに関する話だったような気がします。


>アイリスディーナとカティアのドイツ統一は非現実的
 二人とも世間知らずのお姫様なんですよね。
アイリスディーナは、父が東ベルリンのパンコゥに自宅を構えることが出来た特権階級の出身ですし、カティアは陸軍中将の娘でしたから、気高い理想に殉じようとする精神が涵養できたのでしょうね。
 アイリスディーナは陸軍将校なのに教会通ってましたからね。
処罰の対象ではないですが、査定や出世に響きますよ。
 普通は陸軍大尉になれないと思うのですが、人口が半分以下になったせいで軍隊でも出世できたのでしょうね……

>バイエルン人
 オクトーバーフェストって、バイエルン州のミュンヘンの祭りなんですよね。
柴犬外伝で、西独軍が東独軍をこの祭りに誘っているんですが、凄い嫌がらせなんですよね。
ソーセージの食べ方やビールの飲み方でもめるプロイセンやベルリンっ子の連中を、バイエルンの祭りに呼んで、英米にかぶれた西ドイツの思想を押し売りする行事に良く666中隊は参加したなと思ってます。
 統一を進めるために、親善を深めたいアイリスディーナの考えなんでしょうね。
旧軍出身のハイム将軍じゃなければ、多分OKしなかったでしょうね……
(ベルリンっ子は、バイエルン人を南の田舎者と馬鹿にするそうです。
バイエルン人は、ドイツ経済を支えているのは南部の工業地帯で、北と東は口やかましいだけのお荷物という考えです。
そういう関係なので、当然1990年のドイツ再統一に、一番反対したのはバイエルンでした)