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『自分:第1章』

作者:零那
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『初友達』

施設居る頃、スクーリングで殆ど毎回逢うチョコマカした男の子。
初めての外の世界の友達。
これが厄介だった。
後に職員から聞いた話では、何回も施設に電話があったって。


退園後のスクーリング。
『どこなん家』
それが始まりだった。
手癖が悪い。
施設職員知らんけど、施設からスクーリング行ってた頃に学校の階段でヤラれてる。

そんなん言うたら自立どころか警察沙汰にする。
大問題になる。
通信も辞めなあかんなる。
黙っとく方が自分の為やと判断した。

こいつ、こんまいくせにチカラ強い。
逃げれんかった。
でも何故か憎めんかった。
こんまいけん?


金にも汚かった。
こっちも手癖悪い。
女の子で友達が出来た。
でも、その子は、この男に通帳と印鑑盗まれた子...
何の因果でこんな確率で...


コイツ、とにかく目立つ!!
チョコマカ、キョロキョロ、多動、挙動不審...
入学式から目立ってた。


ウチで溜まってる高校生は、コイツの友達と、その友達。
その出逢いには感謝してる。
でも、彼氏居っても関係なく、コイツの餌食になってた。

皆が居る部屋でも隠れてチョッカイかけてきたり、風呂入ってる時に入ってきたり。

好きじゃ無い。
屈辱。
ヤメて欲しい。
逃げたい。


今叫べば皆が何とかしてくれる。
でも、せっかく楽しくワイワイやってる邪魔はしたくない。
我慢すれば済む。
そんなん養父の時に良く解ってる。

皆は、なんとなく気付いてるっぽい空気やった。
堪えきれずに泣きながら耐えたから目も赤い。
何事もないフリしてドライ飲んで笑ってた。

皆が帰るのは大体日付が変わる前後。
そりゃそうか。
高校生。
遅い位やんな。
皆、心配してる家族が居る。
それが普通。

独りになりたくなかった。
アイツは皆と帰るフリして戻ってくる事もある。
怖い、淋しい、辛い...

鍵をして皆と一緒に家を出た。
家メッチャ近所の子が居る。
マサ。
ウチが溜まり場になる前はマサんちが溜まり場だった。
母親と兄貴とマサの3人家族。

自室はあるものの母親がうるさ過ぎて居心地は悪いらしい。

泊まらして貰えるか頼んだらアッサリOK。
一安心。
ヤンキーの彼女に合わせて0ゲージに拡張とか舌ピとか、一生懸命釣り合う様に悪ぶってた。

純情な高校生。
純粋な恋愛。
青春やな。

夜中、彼女の話をいっぱいしてくれたマサ。
彼女を恐れてるって感じでおもしろかった。

朝方にチャント自分ち帰って支度して出勤した。

 
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