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『自分:第1章』

作者:零那
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『自立寮』

施設内には9棟の寮がある。
3棟が児童。
残りは職員が住み込んでたりする。
使ってない寮もある。

その使ってない寮を掃除して、ひとり暮らしの練習として住む事に。
それが自立寮システム。

休みの日も、他の児童とは完全に別行動。
御飯の材料は貰う。
自分で作る。
朝も1人で起きる。
チャント食べてから出る。
女子寮に挨拶して、職員室に挨拶して、それから出勤。


自立寮期間、約2ヶ月。


寝坊、1回やらかした。
自立寮ではラジカセを借りれた。
音楽がいつでも聴ける。
嬉し過ぎた。
音楽が流れるラジオを初めて聴いた。
私物のカセットを出して貰って音楽ラジオを録音した。
それが祟って遅刻...
自覚無さ過ぎて恥ずかしくてラジカセ自粛しました。


通信のスクーリング、テキスト...正直チョットしんどいとか独り言。
1人の空間で、叱ってくれる職員も居らず...

だんだん『自由』ってのが逆に怖くなってきた。

外の世界に出てしまえば何もかもが自由...

誰も気にかけてくれない、叱ってくれる人も正してくれる人も居ない...

実は、束縛されて時間ごとにやる事が決まってるってのは、守られてたんや無いかなって思った。


選択の余地無く、正しい道を歩まされるんやから...



職員と話し合った。
寮長は自分を引き取るって園長に言ったらしい。
勿論そんな例外は認められん。

不安や恐怖心が膨張していって自律神経乱れたり過呼吸なったり。
それでも独りやから自分で助けを呼ぶことすら出来ん。
更に独りになることが怖くなった。


大体、みんな此処を出た後は自宅に帰る。
仮に一人暮らしするにしても地元。
悪友だとしても友達は必ず居る処に帰る。
そんな子が殆ど。
零那は完全に独り。
知らん処で知らん人しか居らん。
頼れる人やか居らん。


それでも、時期が来れば独りで生きていくしかない。
強く逞しく...
自分らしく...
生き抜くんや!!

今からこんなんでどうすんや。

 
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