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『自分:第1章』

作者:零那
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『結婚式場/厨房』

ビアガーデン時期。
結婚式場。
まずは忙しい厨房の手伝い。
実習時間が延びる。
日によっては7時迄とか。

厨房は戦争。
出来ることをするだけじゃなく、先回りして準備したりも求められる。
足引っ張ると乱れる。
まずは流れを掴む。
出す料理の順番や作り方、仕込み方...頭に叩き込む。

2日目、早めに来てノートに流れを書き出す。
何処に何があるか把握して覚える為に棚や冷蔵庫を確認したり。
勿論双方の許可は得てる。


厨房が動かん時間帯は仕込みを教えて貰う。
ビアガーデンの準備時間に出来ることを事前に聞いた。

逆に零那がどこまで出来るか知りたいと言われた。
切る、焼く、煮る、揚げる、盛り付ける...大体は出来た。
仕事は沢山与えて貰えた。

肉を串に刺す仕込みは毎日やった。
食材の準備や仕分けから、調理、盛り付けまで、やりがいはあった。

忙しいから、手が空いたら必ず手伝って欲しいと呼ばれる。


厨房以外は、式場の準備や下準備。
内職的なこと。
マネキンのドレスの着替え。
ゴミ処理施設にトラックでゴミを持って行く手伝い。
結婚式場といっても部屋も色々あるから用途は様々。
ライオンズクラブや福祉団体や、大人の会議もあった。



手伝うつもりが足手まといになることも...
料理を運ぶのは怖かった。
狭い通路や用具のある通路とか大変だった。


此処の人は、皆が人情ある優しい人ばっかり。
社長も部長もニコニコしてた。
滅多に怒らんから怒ってる時が怖かった。

ドライクリーニングの人と比べるのは悪いけど人間の質が全然違う。

事情は皆やっぱり聞いてる。
いろいろ聞かれた。

興味本位ではなく心配してくれてるのは伝わる。
聞かれたことに簡単に説明する。
途中で『ごめん!言いたくないよね!ごめん!』って。
ガバッ!って抱きつかれて泣かれた。
脳内フリーズ。

慣れんのんです。
そぉゆう優しさとか。
対応に困る。
他人事のように話せる過去。
何百回同じ事言わされて聞かされたか解らんくらい。
感覚は麻痺してる。


此処は皆が優しい。
温かい。
知らん間に甘えてた。
仕事は一生懸命してたつもり。
休憩中、ふざけたり、じゃれあったり...甘えや弱さが出た。

此処は式場。
誰が何処で何してるか把握する必要がある。
その為、あらゆるところに監視カメラがある。

施設職員がたまたま見てた。
怒られた。
皆は、気にせんで良い。
普通や。
ちゃんと頑張ってる。
そう言ってくれた。


でも、自分は『普通』じゃあかんねや。
普通以上に頑張る必要がある。
普通じゃ認めて貰えん。
反省。

泣けるほど優しくて温かい人達に囲まれて、甘えてしまった。

反省したら切り替える。
いかなるときも己に厳しく在るべき。
また頑張る。
頑張り続ける。
それしかない。


此処は、たくさん、いろんなことが経験できて学べて楽しかった。

 
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