ドリトル先生と伊予のカワウソ
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第二幕その七
「そちらはどうでしょうか」
「野球の試合ですか」
「先生は八条大学の方ですよね」
「医学部にいます」
「その八条グループが経営している八条リーグの試合が行われるのです」
「あのリーグですか」
八条リーグと聞いてです、先生は加藤さんに言いました。
「日本のもう一つのプロ野球である」
「そうです、そのリーグの試合がありまして」
「どのチームとどのチームの試合でしょうか」
「愛媛レッドソックスと讃岐ホワイトソックスのです」
この二つのチームの、だというのです。
「試合です」
「そうですか」
「はい、観戦されますか」
「そうですね、面白そうですね」
先生は微笑んで加藤さんの言葉に答えました。
「それでは」
「はい、では」
それではと言ってでした。先生はこの日はでした。
その坊ちゃんスタジアムで野球の試合を観戦することにしました、勿論動物達も一緒です。その時にです。
ふとです、加藤さんは先生にこう言いました。皆バックネットの席にいます。
「先生はイギリス生まれでしたね」
「はい、そうです」
「イギリスでは野球は」
「最近やっとです」
「やっとですか」
「はい、する人も出てきました」
「イギリスはサッカーやラクロスですね」
「それとラグビーですね」
このスポーツもというのです。
「他にはテニス、それとクリケットですね」
「そうしたスポーツが盛んですね」
「そうです、ただ僕は」
「先生は、ですか」
「スポーツを観ることは好きですが」
それでもだというのです。
「することはです」
「苦手ですか」
「そうなのです」
このことを言うのでした。
「どうにも」
「そうだったのですか」
「この体型ですから」
笑っての言葉です。
「することは苦手です」
「学生時代スポーツは」
「していません、全く」
先生は笑って加藤さんにお話しました。
「苦手だったので」
「そうなのですか」
「体育の授業も」
学生時代のそれもというのです。
「からっきしでした」
「ですが観戦はですね」
「嫌いではありません」
「それで野球も」
「イギリスでは観ませんでしたが」
先生は今は日本にいます。日本では野球も盛んなので。
「今は観ます」
「そうですか。では」
「はい、今もここで」
「野球を観ましょう」
「それでは」
こうお話してでした、先生は松山でまずは野球を観戦するのでした。試合は一進一退の状況でした。お互いに一歩も引きません。
その試合を観つつです、加藤さんは先生にこんなことを言ってきました。
「実はこの松山にはです」
「何かあるのですか?」
「高校野球の名門もありまして」
「そうなのですか」
「松山商業といいまして。甲子園はご存じですね」
「日本の高校生の野球の全国大会が行われる球場でしたね」
先生は自分が大学で学生さん達が教えてくれたことを加藤さんにお話しました。
「それでしたね」
「そうです、そこで何度も優勝している学校です」
「何度もですか」
「松山、いえ四国人は野球好きなんですよ」
加藤さんはにこにことしながら先生にお話します。
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