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ロックマンX~朱の戦士~

作者:setuna
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第三十八話 Snow Base

 
前書き
ドラグーンを下したルイン。
次は… 

 
司令部でルインの戦いぶりを見ていたダブルは口笛を吹きながら呟いた。

ダブル「えげつねえな」

戦闘において残虐な嗜好をしているダブルをしてこの発言。
元から敵に対してエックスとは違い非情になれる彼女だが、これは想像以上だ。
あれではどちらがイレギュラーだか分からない。
奴なら最高に面白い戦いが出来そうだ。

ダブル「ディザイア先輩よお。あんたには悪いがこいつは俺がもらう。こんな上等な獲物を他人にやれるかよ」

奴と戦うにはもう少しレプリフォースを追い詰めてもらわなければならない。
ダブルは作業を再開する。



































エックスは現在、スノーベースの攻略をしていた。
ここに存在するレプリフォースの大将を討ち取るために。
アーマーも完成し、万全の状態となったエックスは歩みを進めるがどういうわけか、メカニロイドが1体もいない。
寧ろそれどころか破壊されている。

エックス「どういうことだ?」

しかし、向こうで聞こえた銃声に反応したエックスは急いでそちらに向かう。





































「全く、数ばかり多くて嫌になるな」

二丁の拳銃を持つレプリロイドがメカニロイドの残骸を見遣りながらぼやいていた。

エックス「誰だ!?」

エックスは即座にレプリロイドにバスターを向ける。

「うお!?」

肩を震わせながら振り返るレプリロイド。
それは腰にまで届く銀髪をポニーテールにした少女型レプリロイドだった。
少女型レプリロイドは即座に拳銃を捨て、ホールドアップする。

「待て待て!!俺はレプリフォースでもイレギュラーでも無いぜ!?」

エックス「じゃあ何でこんな所に…」

「材料の回収。俺はジャンク屋を営んでいてね、聞いたことはないか?時々ハンターベースにジャンクパーツを売りに来る…」

エックス「噂で聞いたことくらいなら…まさか君が?」

時々、ハンターベースにジャンクパーツを売りに来る少女型レプリロイドがいると聞いたことはあるが、まさか目の前にいる少女がそうだと言うのか?

「そういうこと。この辺りにはイレギュラー化したメカニロイドがよく出るからな。寒冷地のメカニロイドのジャンクパーツを手に入れるためによく来るんだ。結構高値で売れるしな」

エックス「とにかくここは危険だ。いつレプリフォースに気付かれるか…」

エックスが少女の身を心配して言うが、少女は苦笑しながら言う。

「今、パーツ集めがいいとこなんだよ。見逃してくれ、頼むよ」

手を合わせて拝み倒す少女にエックスは頭を悩ませた。

「勿論、危なくなったらすぐに逃げるよ。見逃してくれる代わりにとっておきのパワーアップパーツをやるからさ」

半ばエックスに押し付けるようにパーツを渡す少女にエックスは思わず苦笑した。

「んじゃあ、そういうことで、そいつは“ハイパーチャージ”って言ってバスターのエネルギーチャージの効率を飛躍的に高めて、チャージ時間を半分に出来るんだ。本当なら1000ゼニー払って欲しいけど見逃してくれる今回は特別だよ」

エックス「待ってくれ、君の名前は?」

「俺の?俺の名前はルナってんだ。俺はそう名乗ってる」

エックス「?」

ルナ「俺、誰に造られたのかさっぱり分からないんだ。気づけば何もない荒野で倒れてて、世界を放浪していた時、たまたまジャンク屋を営んでいたじいさんに拾われて、この名前もじいさんがつけてくれたんだ。俺が拾われたのが月夜だったって単純な理由でさ、まあ気に入ってるからいいんだけどさ。だから俺の本当の名前を知る奴はどこにもいない」

エックス「…すまない、悪いことを聞いた」

ルナ「別に気にしてない。じゃあな!!今度会ったらご贔屓に!!」

ルナは明るく言いながらジャンクパーツの回収に向かう。

エックス「変わっているけど悪い奴じゃなさそうだな…しかし、彼女のアーマーはルインのアーマーと似ているような…」

パーツをバスターに装備しながらエックスは奥へと向かう。








































ハイパーチャージの恩恵でチャージ時間が格段に短くなったエックスはストックチャージショットの弾幕を張りながら、全身する。
硬い敵にはプラズマに切り替えながら迎撃していく。
途中で氷の塊のようなメカニロイドが道を阻んできた。

エックス「氷には炎だ!!ライジングファイア!!」

ドラグーンのDNAデータから得た特殊武器、ライジングファイアでメカニロイドの氷を蒸発させ、プラズマチャージショットを喰らわせる。
プラズマによる追加ダメージでメカニロイドは爆散した。




































次の場所は氷の壁が大量にある場所であった。
氷の壁はプラズマチャージショットで吹き飛ばし、迫り来るメカニロイドを破壊しながら奥へと進み、少し凍結した扉を強引に開いたエックスは奥にいるレプリロイドを見遣る。
トドを模した寒冷地での戦闘に特化したフロスト・キバトドス。

エックス「この基地を守護しているフロスト・キバトドスだな?」

キバトドス「何だあ?誰かと思えばガキじゃねえか。俺様の相手がこんなガキとは舐められたもんだぜ。まあいい、ぶっ潰してやる!!覚悟しな!!」

キバトドスの豪腕がエックスに襲い掛かるがエックスはそれを回避しながらストックチャージショットを全弾喰らわせるが、キバトドスは全く堪えていない。

キバトドス「オラアッ!!」

エックス「ぐっ!!」

キバトドスの拳を受け止めるが凄まじいパワーにエックスはいくらか後退する。

エックス「プラズマチャージショット!!」

キバトドス「ぐおっ!?」

反撃とばかりにプラズマチャージショットを喰らわせると、僅かばかりにのけ反った。

エックス「どうだ!!」

キバトドス「少しは効いたぜ!!」

裏拳を繰り出し、エックスを吹き飛ばすが、即座に体勢を立て直し、再びプラズマチャージショットを喰らわせる。

キバトドス「ぐっ…」

エックス「ストックチャージショット!!」

体勢を崩したところをプラズマチャージからストックチャージに切り換え、同じ箇所にチャージショットを全弾叩き込む。

キバトドス「舐め…んなああああっ!!フロストタワー!!」

氷柱がエックスに向けて降り注ぐ。
それをかわすが、氷柱に気を取られすぎたためか、キバトドスの接近を許してしまった。

キバトドス「うらあああああっ!!」

エックス「がはっ!!」

キバトドスのパンチをまともに受けたエックスは向こうの扉の奥まで吹き飛ばされた。
扉の奥には…。

エックス「こ、これは…」

奥には無惨に破壊されたレプリロイドの山があった。

キバトドス「俺様に挑んできたイレギュラーハンターだよ。しかしこいつらは弱すぎて話にならなかったぜ。最終的には命乞いまでしやがったんだぜ?まあ、命乞いするそいつらを破壊するのは少しは楽しめたぜ」

エックス「な、何だと…?命乞いした者まで殺したのか…?」

キバトドス「馬鹿が、戦争なんだぜ?敵は全て破壊するのが常識だろうが」

エックス「ふざ…けるな…!!」

怒りで表情を歪ませながら、立ち上がるエックス。

エックス「フロスト・キバトドス…お前は正真正銘のイレギュラーだ!!お前は俺が必ず倒す!!」

キバトドス「ガキが…調子に乗ってんじゃねえぞ!!」

エックス「ライジングファイア!!」

キバトドスが殴り掛かるがエックスはそれをかわすとチャージしたチャージライジングファイアを喰らわせるとキバトドスの身体が炎に包まれた。

キバトドス「あ、あぢぃーーーー!!!!」

悶えるキバトドスを冷たく見据えながら、ストックチャージショットを全弾、顔面に喰らわせる。

エックス「ダブルサイクロン!!」

次はチャージダブルサイクロンをキバトドス目掛けて放つ。
繰り出されたチャージダブルサイクロンはキバトドスを壁まで吹き飛ばす。

キバトドス「ぐああああああ!!!!」

エックス「ライトニングウェブ!!」

更にライトニングウェブでキバトドスの足を拘束するとエックスの全身からエネルギーが吹き荒れる。

キバトドス「ま、待てよ!!もう俺は戦えないんだ…た、助けてくれ…せ、正義の味方なんだろ!?」

エックス「ふざけたことを!!同じように命乞いした者をお前は一体何人殺したんだ!!」

キバトドス「た、頼む!!この戦争だって元々は上官が起こしたんだ。参加したのだって上官命令だったんだ」

エックス「………」

エックスはバスターを下ろし、ライトニングウェブを解除すると、兵器を破壊しようとする。

キバトドス「ギャハハハハハ!!甘ちゃんが!!騙されやがって!!!!」

ライトニングウェブが解除されたのを見て、エックスを背後から殴り掛かろうとするが、エックスは腰から筒のような物を抜くとそれを振るう。
キバトドスの両腕が宙を舞う。

キバトドス「ぎゃああああああ!!!!!!」

キバトドスが痛みに悶えて絶叫する。
エックスの手にはビームサーベルが握られていた。
接近戦の武器の重要性を知っていたエックスはケイン博士に頼んで専用のビームサーベル<Xブレード>を造ってもらっていたのだ。
因みにエックスが望むビームサーベル出力はΣブレードやZセイバーと同等だったために出力を上げるのが大変だったと後にケイン博士は語るのだった。

エックス「お前の考えなんてお見通しだ。勝てない相手ならば相手の優しさに付け込んで攻撃する…普段の俺なら引っ掛かっただろうが…残念だったな」

再びアーマーからエネルギーが吹き荒れる。
Xブレードを構え、全エネルギーをXブレードに集中させる。

エックス「受けろ…俺の全エネルギーを込めたチャージブレードを!!」

全特殊武器のエネルギーも強引に込められた一撃はキバトドスのボディを切り裂き、キバトドスを爆砕した。

エックス「…お前が殺した者達の気持ち、少しは分かったか……。」

答えが返ってこないのを承知の上で言うエックス。
こうしてスノーベースは攻略された。 
 

 
後書き
オリキャラ登場。
X5で出すと言っておきながらこの話で出してしまいました。
実は彼女はルインと同じ転生者。
ルインとは違いゼロシリーズが好きなために、そちらが大幅に印象が強い。
姿はロックマンZXAの女主人公モデルA。
能力も同じなので、Xシリーズでいう新世代型に相当するが、彼女の本格参戦はX7まで待って欲しい。
一人称が俺で、喋り方が男なのは、女だということで舐められること多いために男口調に。

オリジナル武器

Xブレード。
その名の通り、エックス専用ビームサーベル。
見た目はX3のゼロのビームサーベル。
ケイン博士は数日間飲まず食わずで制作。
エネルギー出力を上げるのにかなり苦労したとか。
一応はチャージ可能。
性能はロクゼロのZセイバー。
一応、三連撃は横、縦から切り上げ(ロクゼロのライズフォームと同じ)。

特殊武器・必殺技入手

エックス特殊武器

フロストタワー

通常、チャージ版は原作の性能に準ずる。

ゼロ必殺技

氷烈斬

原作に準ずる。

ルイン特殊武器

無し

ルイン必殺技

氷烈斬

性能はゼロと同じ。


 
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