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D.C.Ⅲ〜ダ・カーポⅢ〜過去の人がやってきた⁉︎〜

作者:双葉雷華
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立夏「体育祭!」清隆「編集会議ですね」

 
前書き
この話はプロローグ的なノリです。
時期的には新学期が始まってもうすぐ5月になるぐらいです。 

 
ここは風見学園公式新聞部の部室、そこには詰襟の学生服を着た黒髪の男子学生と本校生徒であることを示す後ろ側に裾のついた上着とスカートを兼ねるワンピースタイプの服を着た女子生徒が2人、セーラー服にブリッツスカートを履いた女子生徒が3人が部室の机を囲むように座っている。まあ1人は机の上に腕で枕を作り眠りこけているが・・・
「それではこれよりゴールデンウィークあけの公式新聞部春季体育祭の記事について担当分けをしたいと思います」
そう言って金髪の女子・・・森園立夏は会議の始まりを告げた。
「お、お〜むにゃむにゃ・・・」
「「あはは・・・」」
気の抜けた返事に銀髪の女子、芳乃シャルルと茶髪で横の辺りで括った髪型をした女子、葛木姫乃が乾いた笑みを零す。
「葵、気の抜けた返事をありがとう。皆も学年が上がったし私とシャルルは本校生になったから締めるところは締めて行きましょ。ってことでさら?」
「は、はい?」
「そこの寝坊助を起こしてくれる?」
「あっはい、分かりました」
立夏に呼ばれた青い髪で腰まであるツインテールの少女瑠川さらは未だ居眠りしている少女を起こすために席を立って隣で寝ている少女を揺すって起こす。
「葵ちゃん、起きてください」
「うん、む、無理です」
少女ー陽ノ下葵は無理と言って起きない。なんだかんだで見慣れた光景になったさらが葵を起こす風景を見て今日も活動してるんだなと実感している清隆だった。
「無理って森園先輩が睨んでますよ?早く起きないと・・・」
「後3・・・」
「3分ですか?」
「30年・・・」
『長いわ‼︎』
全員が葵の発言に声を揃えて突っ込んだ。
今度は清隆が未だ居眠りしている葵の耳元に近付きこう呟いた。
「葵ちゃん起きないと、バイトの時間になるよ?」
「ま、マジですか!?今何時ですか!?急がないとってあれ、清隆さん、それに皆さん?」
清隆の言葉で一瞬にして目が覚めた彼女は急いで帰る準備をしようとして周りを見て止まる。
「ようやくお目覚めかしら、陽ノ下葵さん?」
「あ、え、えっと、あ、あははは………」
葵の対応に立夏はため息をついた。
「全く、この子はいっつも、いっつも居眠りばっかりして」
立夏は困ったように呟く。
「すいませんです!もうバッチリ目が覚めました!」
葵は何度も頭を下げた。
「それじゃあ今度こそ体育祭の記事に関する役割分担会議を始めるわよ」
立夏はそう宣言した。












清隆side
「役割はどういう風にしましょうか?」
姫乃がどんな役割にすべきかルル姉に質問した。
「う〜ん、学年対抗競技を担当する人とと各クラスの応援の様子をチェックする人と、生徒へのアンケートを採る人とかかな?」
「後、体育祭での学食特別メニューを調べる人なんてどうですかね?それなら私が行きます」
るる姉の答えに葵ちゃんが付け足し、付け足した項目に立候補した。
「うんいいじゃないかな。立夏さんもそれで構いませんよね?」
立夏さんに確認を取る。
「ええ、私もそれで構わないわ」
立夏さんも異論はないみたいだ。
「それなら人数は学年対抗競技に2人、各クラスの応援が2人、生徒へのアンケートと体育祭での学食特別メニューが1人でいいじゃないですか?」
そしたらさらが分かれ方について提案した。
「そうね。それじゃあ担当の分け方だけど、恨みっこなしでじゃんけんにしましょ」
立夏さんがそう言って立ち上がる。
「あっタカくんは座ってね」
「えっ?何で?」
俺が立ち上がろうとしたらルル姉がそれを制した。
「これに勝った人はタカくんと一緒の担当ってことなんだよ?だからタカくんは一番最後」
ルル姉意味がわからないだけど。
「それじゃあ、行くわよ!最初はグー、じゃんけん・・・」
『ポン!』
結果は
立夏さんとさら、姫乃がパーでルル姉がグーだった。
最終的に俺は立夏さんと一緒に各クラスの応援の様子を取る担当になった。
そしてルル姉とさらが学年対抗競技担当に、姫乃が生徒へのアンケートを担当することになった。
「あの、いまさらですが体育祭特別メニューって、今年もあるんですか?」
「確認したわけじゃないからわからないけど多分あると思うわ。一つの恒例になっているもの」
「去年は凄いことになってたもんね。確か【ネギトロロニンニク牛丼】だったよね」
あれは色んな意味で全生徒のトラウマだろう。なんせ充満するニンニクの匂い、吸血鬼じゃなくても失神しそうだったのを覚えている。
その後も会議は順調に進んだけど、るる姉達からの冷たい視線があったが悉く無視した。












「それじゃあ今日はここまでにしましょ、皆体育祭当日は絶対非公式新聞部には負けないわよ」
やはり少し私怨が混じっている気がした。
「そうだわ、帰り桜公園に寄りましょ」
それぞれが帰る準備をしていたらいきなり立夏さんが桜公園に行こうと言い出した。
「どうしたんですか立夏さんいきなり?」
質問することにしてみた。
「何かトップ記事のネタがありそうな予感がするのよ」
そうは言うが今から行くのは少し寒い。
「行くのは明日にしませんか少し寒いですし。何より明日から5月になるから体育祭の役割を決めたんですよね?」
「そうね、でも今日行かないといけない気がするわ。なんとなくだけど」
「分かりましたよ。俺も付いていきますよ」
結局俺が折れるしかないんだよな、はあ~
「タカくんが行くなら私も行こうかな」
ルル姉も参加すると言い出した。
「私も行きます。兄さんだけど何だか心配なので」
どういう意味だよ、それ
「わ、私も先輩が行くなら行きます」
「私もバイトの方には遅れるって連絡しときます」
さらも葵ちゃんまで参加すると言ってきた。
「決まりね、それじゃあ行きましょ」
そう言って全員が部室から出ると部室に鍵をかけ鍵を返しに行った。


「今年は何だか開花が早いわね」
俺達が今見上げているのは桜公園の奥にある魔法の桜の木がある場所だ。
3ヶ月前俺達はここでこの桜を触れて願ったとき桜の木がまた咲きだしたのだ。
その後非公式新聞部と部員(と言っても俺の事だが)を掛けて調査勝負をした。結果は有耶無耶になり謎は迷宮入りしたが、俺達は大事な過去の記憶を取り戻しこの桜の下で花見をしたのだ。
「何もないみたいですけど、どうするんですか?」
「そうね最後にお願いごとをして帰りましょうか。皆前の時言ったように信じて願って」
皆言われたとおりに木に手を当て願った。
俺はこれからも皆と幸せで居れるようにと祈った。
そしたらそれは起こった。
急にあたりがまぶしい光に包まれ、しばらく目を強く閉じてしまった。
次に目を開けたが特にこれといった変化はなかった。
「立夏さん何もないみたいですけど?」
「おかしいわね、立夏さんの観察眼が確実に何か起きたって言ってるんだけどな。もう帰りましょ」
その立夏さんの言葉で皆それぞれ帰ったりした。
でもこの時から異変は起こっていたんだ。 
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