『自分:第1章』

中学卒業時､保護所から警察まで関係各所､各々お世話になった処に挨拶。


高校生活の始まりと共に園児ﾎｰﾑから女ﾎｰﾑに移動。

園児ﾎｰﾑでは食前に必ず般若心経３回唱えるｼｽﾃﾑだった。
それは女ﾎｰﾑには無かった。
御飯の時間に皆が揃わんからか。


裏の寺で空海の像の周りに集まり般若心経を唱えるｼｽﾃﾑも､自分は強制連行やった。
でも男女ﾎｰﾑの子達は来てないのが多かった。


毎朝６時に裏の鐘を突くのも児童が順番にしてた。


別棟に在る仏間に児童が集まり､くそデｯｶｲ数珠を廻しながら般若心経を唱える。


そんな行事に参加するのは嫌だったし､お経なんか意味も解らずに唱えて良いものなんか怖かったし。
何より幼児が般若心経を唱えてる姿が恐怖だった。


高校生活以前に女ﾎｰﾑ内部が大変だった。
担当も零那と一緒に女ﾎｰﾑに来た。
零那は担当を毛嫌いしてた。
やから態度も悪い。
必要最低限の事しか応答せん。

それが女ﾎｰﾑの中学生は気に入らんかったらしい。


ムッちゃんは基本が園児ﾎｰﾑ。
逢うことが無くなった。

雪さんは男女ﾎｰﾑに行き来してるから前より逢うようになった。

園児ﾎｰﾑに居た時は､女ﾎｰﾑの子と遊んだり喋ったり普通にしてた。


でも､生活空間となると変わるんやろな。
施設独特の『古い子が偉い』みたいな？


零那の態度が気に入らん。
担当は毛嫌いして喋らん。
そのくせ雪さんには媚び売っとる。
そんな的外れな事言われた。


媚びやか売ってない。
話したい人と話してるだけ。
話したくない人とは話さんだけ。
必要なことには応答してる。
何が悪いん？


そんな事言うだけで数人揃って部屋来る方が汚いんちゃうか。
偉そうにモノ言いよんどっちぞ。
やるんなら堂々と１人で来いや。
女ってのはホンマ醜いし好かん。


仲良いときはベｯﾀﾘくっついてるのに､些細な事でコロッ!っと手の平返したり。

特に仲良しな子が居たとする。それでも他の子とも話すよね。
それに､仲良いからって不満がひとつも無いってのは難しい。
なんせズｯﾄ同じ家で生活してるんやから。

やから､言った言わんとか良く揉める。
友達を取られたくないって変な嫉妬もあったら当人関係なく周りが喧嘩を引き起こすから尚更汚い。
かなり面倒。


不満は本人に言うのが一番。
直せれるなら直して貰えばいい。
性格の問題で直らんなら周りが耐えるか諦めるしかない。
完全に迷惑をかけんように生きるのは無理やし。

どっちの味方どっちの敵とかってのが一番バカバカしい。

そんな餓鬼のイジメに付き合わされるのも嫌。


ズｯﾄズｯﾄ零那は女で在ることが嫌やった。
この時も汚い醜い女集団を見ながら女である事を呪った。


男が思うより､女だけの世界は醜い。
生き地獄。


出来る限り女とは関わらんように生活した。
それはそれで気に入らんらしい。

『うちらの事避けて何がしたいん』って。

『何もしたくない。関わりたくない。』


結局何をどうしても気に入らんねやったら関わらんのが一番。


馴れ合いやかしたくない。
一匹狼は慣れてる。
何も求めてない。
やから何も求めるな。


必要以上に関わりたく無いから関わらんだけ。
そんなに零那と関わりたい？
相手にして欲しい？
遊んで欲しい？
理解不能。

せや無かったらいちいち突っかかってくるな。
面倒なだけ。
無駄な争いする必要もない。

ほんま面倒極まりないだけやから気に入らんなら放っといて。

こっちもアンタら気に入らんけど耐えてやっとんやからな。
お互い様。
それが集団生活やろ？
古くて偉そうにするなら､先輩らしく堂々と毅然とした態度で居て下さい。


みっともないですよ？