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改正版 後悔先に立たず、後に立つべし

作者:天竜光魔
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32話

「ダイテツ艦長、これから、私達はコクチョウに戻りたいと思います。」
「ああ、戻ってくれて構わん。危険な作戦だが、よろしく頼むぞ。」
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
「ああ、それと、不愉快な思いをさせてしまって、すまなかったな。」
「いいえ、その様な事はありませんでしたよ。」
「あと1つ、監視の名目で1人こちらの乗員を受け入れて貰う事になるだろう。どのような人材を望む。」
「それって、こちらも出さないと成立しないんじゃないですか?」
「何、先ほどの戦いの状況を聞かせて貰った。その際、上手く起動兵器と戦艦が連携できていないように感じたのだ。そこで、このハガネの副長テツヤ・オノデラ大尉を推薦したい。」
「ち、ちょっと、待ってください、艦長。」
「ワシは君の事を高く買っておる。いつか、スペースノア級戦艦に推薦するつもりだ。だからこそ、あの船での経験は将来の為になるはずだ。それに、彼らは我々の我儘でこの様な作戦に巻き込まれた。君の力で守ってやってくれ。」

 その言葉に、私は自分から巻き込まれに行った事もあり、見えないナイフに心臓を突き刺され様な痛みを感じながら、私は顔の表情を保つことに意識を集中しました。
 そして、オノデラ大尉は感動した表情でダイテツ艦長に答えていました。

「艦長、その特殊任務に不肖、このテツヤ・オノデラ必ずや果たしてみせます!」
「頼むぞ!」

 そう言って、師弟の絆を確かめ合っている2人に何とも言えない罪悪感を覚えながら、私は話しかけます。

「こちらとしては、願っても無い事ですが、実を言うと乗員は8人しかいませんし、全員が独特な個性を持っています。そのために、規律のある軍隊とはいえません。その苦労を掛けると思いますよ。」
「任せてくれ、私は艦長の期待に必ず応えてみせる!」

(この人、全くわかっていません。真面目な人なのでこちらに来て持つのでしょうか。そして、ダイテツ艦長、気が付いているのでしょう。教えてあげてください。)

「私の準備が整うまで待っていてくれ。」

 そう言って、オノデラ大尉は部屋を飛び出していきました。
 そのために、再びダイテツ艦長に尋ねます。
「本当にいいのですか。生半可な苦労ではないと思いますよ。」
「良いのだ。その事を含めて、この経験は得難いものとなるはずだ。いつも、まともな人材が付くとは限らないからな。組織である以上は仕方がないのだ。」

 そう言われたので、彼の部下になるであろう人物たちの事を考えると納得してしまいました。

「わかりました。それなら、これ以上は言いません。私達は小型機の近くで待っていますので。」
「それならば、SRXチームの紹介をしたい。着いて来てくれ。」

 そう言われたので、イングラム少佐に答えます。

「わかりました。どちらに向かえばいいのですか。」
「格納庫だ。案内しよう。」

 そう言って、イングラム少佐はアヤ大尉を伴い、部屋の外に出て行ったので、私達も出ていきました。
 イングラム少佐の後ろに着いて行き、格納庫の着くと3人の男性が話し合っていました。
 金髪のメガネの掛けた科学者風の男性と金髪の腕を組んで壁にもたれかかっている姿がよく似合う青年、そして、茶色の髪の色をした青年でした。
 メガネの掛けた科学者風の男性にカザハラ所長が声を掛けました。

「おい、ロバート。こっちだ、こっち。」
「カザハラ所長、無事だったんだね。」
「まあな、おい、ジェイル。お前と話がしたいと言っていたロボット工学者でロバート・H・オオミヤだ。」
「フム、君が私としたいと言っていたロボット工学者か。」
「そのとうりだ。君の改修したビルトラプターは見事な物だったよ。R-1にも利用させてもらったぐらいだ。」
「私にとってはいささか不満の残る仕事だった。だからこそ、ビルトラプター・アスカを作らせて貰った。」
「確かに、グルンガストの戦闘ログを見せて貰ったが、素晴らしい出来前だったよ。」
「ロバート、先に紹介をしても良いか。」
「イングラム少佐、すまない。後で、話させてもらうよ。」
「では、紹介させて貰おう。まずは、リュウセイ・ダテだ。」
「オレの名前はリュウセイ・ダテ。リュウセイでいい。これから、よろしく頼むぜ。」
「そして、こちらが。」
「ライディース・F・ブランシュタインだ。ライでいい。」
「そして、私がリーダーを務めるわ。アヤでいいわよ。」
「さらに、戦闘指揮官である私を含めたチームがSRXチームだ。」

 それに対して、私達も自己紹介をします。

「私の名前はカイ・テンノウジです。」
「私はアーニャ・アールストレイム。」
「私はジェイル・スカリエッティだ。」
「それにしても、すごいよなぁ。そっちの技術はビルトラプターのT-LINKシステムの方が、R-1のものよりずっと操作しやすいんだ。」

 確かに、それは仕方ないでしょう。
 もともと、レベルの高いT-LINKシステムを常人ではすることが出来ないレベルの実験を繰り返し行う事により信じられないほどのレベルに仕上がりましたから仕方ないのでしょう。
 もっとも、どれほどのレベルのT-LINKシステムを積み込んだのかは知りませんが。
 案の定、ジェイルが要らない事を話します。

「あの程度のものでかい。」
「あの程度って、こちらとしてもT-LINKシステムは重要な物だから最新のものにしているのだが、それですら勝てないものをあの程度って。」
「まぁ、こちらの最新のものの7割ほどだ。」
「そうなのか、じゃあ、すまないが最新のもののデータをこちらに提出してくれないか?」
「それならまずは、ビルトラプターのデータを見せてくれないか。」

 そう言って、ジェイルはビルトラプターのT-LINKシステムのデータを閲覧します。
 そのデータを確認して、ジェイルは一言洩らしました。

「彼はこの程度かね。最新のもを使わせたら着いて行けないぞ。」
「それは、どういうことだい。」
「念動力が安定していないんだ。一定レベルの念動力を発動せなければ、負荷が強すぎて良くて精神崩壊、悪ければ死亡する事になる。」
「ジェイル、私は知りませんでしたよ。」
「もともと、君に合わせて製作したからね。仕方がないよ。それに君も使いこなしていると言えるのはあの黒いガーリオンとの戦いの発光現象が起きた時のみだよ。あの時のレベルならビルトラプターに積んでいるT-LINKシステムでは着いていけなかっただろうね。」

 その瞬間、ロバートの顔が赤くなってきます。

「もし、彼が耐えることが出来なかったらどうするつもりなんだ!」
「フム、そんなこと考えてもみなかったからな。実験の段階でそのあたりは見極めているよ。」
「おい、その段階で過酷な実験を施しているのか、テメーは!」
「そうだよ、リュウセイ君。彼はいろいろと優遇されて生まれてしまった。そのために、要らぬ苦労もしょい込んでしまったんだよ。それに対抗するには、文字道理に死に掛けるレベルの実験に耐える必要があっただけだよ。」
「優遇されているのなら実験につきあう必要なんかねぇ!優遇されていないからじゃねぇか!」
 
 ロバートは大体の事情が呑み込めたのか落ち着きましたが、逆にリュウセイは凄まじい剣幕となってきています。

「それは、違うよ。優遇されるという事は、人生に大きなメリットをもたらす半面、それにより、デメリットもその人物に課せられるものだ。他者からのプレッシャーや妬みなど様々なデメリットがね。例えばだね。」

 ジェイルは彼らの背景を大体に話しているのでライの方を見て例えとしてあげます。

「名門に生まれたものは例え、本人が縁を切ったと言っても一生その家名が付きまとう。これまで、恵まれた暮らしをしてきたのは紛れもなく、その家の力なのだからから。どんなに不愉快に思っても変わりないんだよ。」

 次にリュウセイを見ます。

「そして、リュウセイ君。君は恵まれた念動力を生まれながらにして持ってしまった。確かに、君の念動力をこの程度と評したが最高値は十分に最新のT-LINKシステムに対応出来るが、反面に安定性に欠けているんだよ。それは、彼の念動力に迫るモノを持っているのだよ、君は。潜在的な念の強さは相当なものだ。それは、誇るべき才能だ。だが、そのことにより、このチームに入れてられ、この戦争に参加する羽目になった。デメリットとメリットは結構繋がっているものも多いのだよ。」

 流石に、自分の事を引き合いの出されてはリュウセイも黙り込まざる負えない様でした。
 そして、反論できないとわかると私に話し掛けます。

「おい、カイ。お前はどう思っているんだ。」
「そうですね、いまさらというモノを感じますが、私はジェイル・スカリエッティという男がどういう人種かわかっていました。それでも、彼の力が必要だった。それに彼は答えてくれています。そこには、確かに危険と思われる事もありました。無理やりされたわけではありません。ですから、感謝はしていますよ。余計な事をしなければね。」
「それは、仕方あるまい。私は知識欲の塊のような男だ。それを取っては、私は生きていけないよ。」

 その言葉を聞いて、私はタメ息しか出ませんでした。
 そして、リュウセイは下を向いて考え込みました。
 しかし、これだけ禁止事項について話しているのにイングラム少佐とアヤは何も言ってこないのが、不気味に思えます。
 そんな話をしていると今まで話を聞いていたライが声を掛けてきます。

「なるほど、念動力という特殊な力が今まで隠していたものの1つと言う事か。」
「そうですね、リュウセイ、アヤ、私とハガネに後2人ほど乗っていると思いますよ。まぁ、偽装が得意な方は知りませんが。」
「目覚めていないものの事もわかるなんて。」

 原作知識でわかっている事なのですが、それ以外にも念動力で感知する事も可能となりましたから。
 余計な物も見ることが出来るようになりましたかが、今まで抑えられていた力がようやく解放されたような開放感を感じています。

「なるほど、覚醒状態がかなり高いようだ。そこまでの感知能力あるなら間違いないな。君達が戦闘している場所から信じられないほどの念動力を感知した。そのうえに、君が把握していた念動力者全員が、力の高まりを感知している。戦闘の映像から緑の燐光を放った機体である事を予測したのだが、どちらかは確信を持つことが出来なかった。」

 どうやら、探りを入れていたようですが、私自身、アーニャが誤解されて襲われたりするよりよいので話せば、証拠つきで説明するために特に気にもしていません。

「別に隠している事ではないので、気にも留めていませんよ。」

 そう言って、念動力で近くにあった工具を浮かせます。
 そうするとジェイルとアーニャの2人を除く、全員が驚愕の表情を見せます。

「なっ、そんな事も出来るようになるのかよ。」
「もともと、貴方が乗っていった。ゲシュペンストMk-Ⅱに搭載されていたT-LINKリッパーは、T-LINKシステムで念を増幅する事により自在に動いているんですよ。そのために、能力自体が高めれば可能ですよ。」

 同じサイコドライバーであるイルイ・ガンエデンも種類は違いますが、超能力のテレポートを行使していました。
 念がどこまで高まるかによって変わるモノなのでしょう。

「なるほど、私が予想したより高い念動力者の様だ。それだけの力があるなら今からでも引き込みたいぐらいだ。」

 イングラム少佐はそう言って、残念そうな表情をしますが、念動力から本心では残念に思っていないように感じた。
 イングラム少佐自体が私に対して警戒している可能性があります。
 そろそろ時間が差し迫って来たので、オノデラ大尉が来る前に話を戻し、交渉する事にします。

「ロバートさん、話を戻しますが、最新のT-LINKシステムのデータが欲しいんですよね。」
「ああ、そのとうりだ。そのままでは、使用できなくてもこちらで工夫できる。」
「今、艦長と交渉した結果なのですが、こちらが一方的に技術を提供しなくてよくなりました。どのようなものを提供してくれますか。」
「おい、ちょっと待てそれって、金取るってことかよ。今はそんな事をしてる場合じゃねぇだろう!」
「黙ってくれませんか、建前だけでは生きていけないんですよ。それに、良い人間関係を作るにはGive&Takeは必要な事なんですよ。それに、お金は必要ありません。それよりも、そちらの技術が欲しい。」
「どんな技術が欲しいんだい。」
「誘導式の念動兵器のデータです。」

 あまり機密性の高いデータはこの場合の交渉では拒否されるに決まっています。
 どうしても、必要な物ではないでしょうから。
 ロバートさんは数分ほど考えた後、答えてくれました。

「わかった。それで、手を打とう。」
「ジェイル、データを纏めておいてください。」
「わかった。こちらとしても、面倒を省くことが出来るからね。」
「いいのかよ、ロブ。」
「ああ、いいんだ。リュウセイ。彼が言っただろう面倒を省くことが出来ると。その程度なんだよ、この話は。私達も彼らも時間を省くことが出来るというだけの話なんだ。」
「では、後ほど送ります。」
「わかった。こちらも、データを纏めて送ろう。」

 そう言って、私はロバートと握手し、交渉が終了します。
 その後、オノデラ大尉が来たので、小型機に乗り込み、コクチョウに戻りました。
 なかなかの収穫を得ることが出来ました。
 しかし、結構な時間を過ごしましたが、結局、マサキに会う事はありませんでした。
 今だに迷っているのでしょうか。 
 

 
後書き
 名前:天王寺 戒
LV:14
PP:100
格闘:182
射撃:151
技量:156
防御:182
回避:195
命中:197
SP:132
性格:冷静(超強気)
エースボーナス:???
成長タイプ:格闘・特殊
空:A
陸:A
海:B
宇:A
精神:偵察1~  
   幸運
   直感
   ??
   ??
   ??
スキル:※エヴォリュダー(勇者LV9&底力LV9&戦意高揚)
    ※サイコドライバーLV3(念動力LV10&SP回復&予知)
    ※完全記憶能力
     精神耐性
     ???
     ???
GP:156800
秘密基地(197/201)
撃墜数:14
 
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