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ZOIDS 紅の獅子

作者:大牟
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プロローグ

延々と続く砂漠の一角に、紅いライガータイプのゾイドが佇んでいた。

「あ~あ、いつになったら砂漠以外の景色が見られるのかしら?」

砂漠の枯れた風に、そう呟いた彼女の紅い髪が美しく靡く。

「さて、外の空気も入れたし早くハッチ閉めちゃお。」

彼女はライガータイプのゾイドのコクピットシートに座り、ハッチを閉める。

それと同時に、センサーから敵反応のアラームが鳴る。

「ん?こちらに近づくゾイドの反応・・・」

彼女はパネルを操作し近づくゾイドを特定する。

「モルガが二体にレッドホーン、帝国軍の識別はなし・・・盗賊か。」

『そこの紅いライガー!大人しく俺達にそのゾイドをよこせ!』

レッドホーンから男の声が発せられた
盗賊のリーダーなのだろう。

「いきなり現れて何あんたら?そう言われて相棒を渡すゾイド乗りがいるもんですか。」

『何だぁ?女が乗ってんのか?』

「女のゾイド乗りなんて珍しくないでしょ?」

『ちょうどいい、そのゾイドと一緒に俺達のところに来てもらうぞ。』

『かなりの上玉だぜ兄貴、ヘヘヘヘヘ。』

盗賊の3人組は舌なめずりをしヘラヘラを笑う
その光景に彼女は鳥肌が立ち震えた。

「うっわ盗賊って考えてる事みんな一緒なのね、そんなだから盗賊なんてチンケなことしかできないのよ。」

その発言は盗賊達の逆鱗に触れた

『ああっ!?このアマ舐めてんじゃねーぞ!!』

『人が大人しくしてれば付け上がりやがって・・・!野郎共!多少傷がついてもいい!あのゾイドをいただくぞ!』

モルガとレッドホーンは搭載されている火器を彼女のゾイドに向ける。

「典型的な盗賊の思考ね、そんなゾイドで私に勝てると思ってるの?」

『そういうテメェはろくに武器も積んでねぇじゃねーか!』

そう 彼女のゾイドは目立った武装がなく、丸腰だ。

それでも、彼女は余裕を崩さない。

「武器に頼ってるようじゃ強いゾイド乗りになれないわよ?三下盗賊さん達?」

『このアマァ!!構うこたぁねえ!やっちまえ!!』

盗賊のゾイドが一斉に砲撃を開始した。

弾丸が彼女のゾイドを襲う。

「さあ、あいつらに私達の力を見せてやりましょう。」

彼女に呼応する様に、ライガータイプのゾイドは咆哮する。

砲弾が着弾する前にジャンプで攻撃を回避した。

「な、速い!?」

盗賊達が怯んでいる隙に

「まず1匹!」

「うわああああ!?」

空中から1体のモルガに襲い掛かり、機体を薙ぎ倒した。

「な、何だこのゾイド馬鹿速ぇ!?」

「ひ、怯むな!!撃て撃て!!」

残った2体が砲撃を行うが
ライガータイプは巧みに回避し、もう1体のモルガに接近する。

「く、来るなぁ!!」

盗賊の悲鳴と共に、モルガのビーム砲が噛み千切られた。
その砲塔を捨てると、次はリーダーのレッドホーンへ視線を向けた。

「な、何だこの女・・・!ただのゾイド乗りじゃねえ・・・!」

「もう終わりかしら?こいつらのコンバットシステムはフリーズしてるわよ?」

余裕の彼女の前に、盗賊は冷や汗をかくばかり
それでもリーダーとしての示しがあるのか、強がる態度をとる。

「こ、こっちはレッドホーンだ。そう簡単にやられはしねぇぞ!」

「ふ~ん、私ダークホーンとかアイアンコングにも勝つ自信があるんだけど」

「へ、へへへ、ハッタリかますならもっとマシなもの考えるんだな」

「ハッタリかどうか・・・試してあげるわ!」

彼女のゾイドはレッドホーンに向け駆け出す。

その時、頭部側面にある鬣状のユニットが展開し輝きだす。
そして、両爪にもエネルギーが集中し輝きを増す。

「な、何する気だこいつ・・・来るな!来るんじゃねええええ!!」

盗賊のリーダーは悪あがきの如く砲撃を繰り返すが、射線がブレた攻撃では

あのゾイドは捉えられない。

「ストライク!レーザークロォォォォ!!」

レッドホーンに向かって飛び上がり、輝く爪を穿ち

レッドホーンを一撃で倒した。

コンバットシステムフリーズのエラー音がコクピットに響く中
盗賊のリーダーが呆気に取られるしかなかった。

「な、何だあのゾイド・・・武装なしで俺達を1分も掛からずに倒しちまうなんて・・・化け物か!?」

「これに懲りたら、盗賊なんて馬鹿な真似は二度としないようにね。」

彼女は相棒のゾイドを立ち去ろうとしたが

「待て!!」

盗賊のリーダーに呼び止められた。

「あんた・・・一体何者だ!?」

「私?私は・・・・・アオイ・リュウガ
私の相棒は、ライガーゼロ。覚えておきなさい。」

そう言い残し、アオイとその相棒、ライガーゼロは走り去っていった。

「あの盗賊達の座標はあの人に送ったとして・・・これからどうしようかな・・・?」

そう考え込み、しばらくして、アオイは微笑む。

「ねぇ、次は何処に行きたい?ゼロ・・・」

ゼロはそれに応えるかの様に咆哮し

砂漠の地平線の彼方へ消えていった。


そして、アオイは

後に伝説となるゾイド乗りの少年少女と出会う。

 
 

 
後書き
次回予告


初めまして!アオイ・リュウガよ!
宛のない旅をしていたらシールドライガーと一緒にいた男の子を見つけたの。
何であんな子供がシールドライガーなんてもってるのかしら・・・?
え、バン・フライハイトってまさか・・・!それに、あの銀色のゾイドはオーガノイド!?

次回 ZOIDS 第1話「ゾイド乗りの少年」

今度もめちゃくちゃ動いてやるわ!! 
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