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Hounds 〜ハウンズ〜

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序章

 
前書き
処女作でもあるので拙い文章ですが、楽しんでくれると嬉しいです。頑張って書いていきます。変な改行があるかもしれません。  

 
暗い闇が空間を覆っていた。外では激しい雨が降っていて、時々鳴る雷がその空間を照らした。そこは部屋だ。大きなベッドや高価そうな置物もある。ただ異様なのは窓が割れ、物が散乱し、筋肉質の男がワイシャツ姿の男の首を鷲掴みしながら上に待ち上げ今にも殺すような様子だというところだ。そこにまだ幼い甲高い声が響く。

「父さんを離せ‼︎」

子供の声だ。震えながら振り絞られた叫びは、子供の父を掴む男の視線を引きつけた。それに気づいた父は抵抗を強めた。だが男は少しも動かない。父は抵抗が無駄だと悟ると、最後の抵抗と思い息子に逃げるよう警告した。

「ぐっ、、、に、逃げろぉ!母さんと一緒に!遠くへ!ぐあぁぁぁ!」

男は手に力を入れ、父は一層苦しい表情になった。父の警告を聞いて、子供の頭には逃げるという選択肢が濃厚になってきた。だが、なぜだか子供は立ち向かおうとしていた。苦痛に耐える父の顔が、恐怖よりも怒りを生まれさせる。子供は静かに、近くにあった長めのガラス片を手にとった。ここで不意に男が話し始めた。

「無駄なことはやめた方がいい。任務の邪魔をするものは排除することになっている。死にたくはないだろ?」

男の言葉に子供は躊躇いを得た。だが、子供の瞳は男を倒すことに燃えている。男もそれを感じ取っていた。子供は手にしたガラスを自分の手が傷つくことも厭わずしっかりと握りしめて男へと走り出した。

「うあああぁぁぁ!」

恐怖を打ち消すために大声を出す。
男は子供を単純に蹴りで弾き返した。うっ、という嗚咽のような声を漏らしながら子供は吹っ飛んで行き壁にぶつかる。父が声を出せずに必死な抵抗をするが、先程と全く状況は変わらない。

「そろそろ終わらせるか。」

男が手に力を入れる。生々しい、ゴキッという音を立てて父は死体になって床に落ちる。意識を保っていた子供はうっすらと、横たわった父を見て目を見開いた。再びガラスを持って男に立ち向かう。

「わああああぁぁぁ!」

男は少し驚いていた。そして喜んでいた。

「ふっ、まだ向かってくるか。」

またも一蹴。男は飛んで行った子供の元へ行き、小さく耳打ちした。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





「‼︎」
驚いて体を起こした。時間は午前8時見慣れた部屋の間取りが視界に入る。

「、、、アニメみたい。」

どうやら夢だったようだ。懐かしい夢を見た。もう一度時計を見る。やっぱり8時。

(寝よ、、、。)

ベッドに潜ろうとしたところでドアがノックされた。若々しいはっきりとした声がドア越しに届く。

「リーダー?起きましたか?朝ご飯出来てますよ。起きてください。」

「うーーーー。」

リーダーと呼ばれる軽い天パの青年は現代で言うケータイと同じ役割を持つ端末を手に取り。メッセージを打ちこむ。
ドアの外の青年が声を掛けて待っていると、彼のケータイにメールが届いた。何かと思ってメッセージを見る。

『あと五分〜〜。』

そこにはこう書いてあった。送り主はもちろん部屋の中。口元をピクピクさせて返信する。

『どこの小学生ですか!いいからさっさと起きてください!ご飯が冷めます!』

しばらくして、返信が来た。

『その熱い想いをご飯に伝えろ!きっと熱いままで居てくれるさ。』

今度こそキレた。躊躇せずにドアを蹴り中に入った。中ではベッドに入っている何かがビクッと動いた。それに近づき、じっとする。耐えきれなくなってか、ベッドから何かがゆっくりと出てくる。そして強張った笑顔で話し始める。

「あははは、おはよう。クールちゃん。どうしたの?目なんか細めちゃって、眼科行く?」

クールと呼ばれた甘いマスクの好青年はそのすらっとした髪をなびかせ無言でリーダーの後ろ襟を掴み部屋の外に引きずり出す。

「あ〜〜ごめんよ〜。ふざけたことは謝るから引っ張るのやめて〜。」

廊下に出たところで手を離す。リーダーが立ち上がる。体のあちこちの埃を手ではらう。

「まったく、クールちゃんいつも僕の扱いひどくない?」

「何か言いました?」

「何でもないです。」

速攻、前言撤回した。冷や汗をかいたところで、クールが話しかける。

「それより手伝ってください。ダイヤさんが起きないんです。」

「はいはーい。」

この家は奥に延びる長屋のようになっていて、二階建てだ。二人の部屋は一階にあり、向かいあっている。
一階にはあと二つ部屋があるがそのドアは開けっ放しで、中には住人はいない。二階には先程出た、ダイヤと呼ばれる少女ともう一人の部屋がある。
二人で二階へ向かう。上からは声が聞こえた。凄く砕けた口調だ。

「Hey〜。ダイヤ〜。起きようぜ〜。早くしねぇとbrakefastがcoolになっちまうぞ〜。」

クールがその男に話しかける。

「ガンさん、起きましたか?」

ガンと呼ばれた黒縁の眼鏡を掛けている金髪に少しの茶髪を混ぜた男はクールを見て、お手上げといった様子で首を降った。

「ダメだねこりゃ。meじゃダイヤをwake upさせられないね。っと、リーダーは起きたの。good morning!」

「はいはい。グッモーニン、グッモーニン。何で朝からテンション高いのあなたは、、、。」

気だるそうに返すリーダー。クールがガンに話す。

「そうゆう訳でガンさんはもう下に行っていいですよ。後はこの人がやりますから。」

「All right!じゃ、後は任せたぜ。リーダー。」

ガンが下に降りていく。リーダーはため息をついて文句を言う。

「僕がやるの〜?」

「しょうがないでしょ。ダイヤさんを起こせるのはあなたしかいないんですから。」

「分かったよ、、、。」

リーダーはドアをノックして、部屋の中に呼びかけた。

「ダイヤちゃーん起きて〜。頼むから〜。」

するとリーダーのケータイにメールが届いた。そこには四文字熟語のように短絡的な言葉が載っていた。


『五分要求』

横から覗き込んだクールの表情が固まる。

「あはは、やっぱり五分なんだ。皆考えは一緒だね〜。」

「何であなた達は変なとこだけ似てるんですか!リーダー、さっさと起こしてくださいよ!」

「はいはい。ちなみに今日の朝ご飯は?」

「今関係ないでしょ、、、。コロッケですよ。あっそうか。」

何か思いついたようにドアの前に立つ。もう一度自分でわざとらしく呼びかけた。

「あーあ。朝ご飯は僕特製のコロッケなのになー。これはしょうがないですね。ダイヤさんの分は皆で食べちゃいましょうかー。」

言い終えると、ドアから大きく一歩下がった。リーダーが首を傾げる。すると部屋の中から何かが向かってくるような音が響いた。次の瞬間、
バタンッと勢い良く開けられたドア。
運悪くドアの開く側にいたリーダーが情けない声を上げて開いたドアと壁に挟まれる。出てきたのは黒髪でロングヘアの美少女。息を荒くして、目をキラキラと輝かせている。

「おはようございます。ダイヤさん。」

やっと、という感じで話すクール。ダイヤは急かすようにせめ寄った。

「朝食要求。」

「もう出来てるんですよ。早く下に行ってください。」

「任務了解。」

ダイヤは目にも止まらぬ速さで下へと降りて行った。開いたドアがゆっくりと閉じていくと、壁に張り付いていたリーダーがずるずると倒れていった。

「さっきの分、お返しですからね。じゃ、早く行きますよ。たぶん皆さん待ってますし。」

リーダーを置いて先に下へ降りる。

「僕、一応リーダーだよね、、、。それに僕いなくてもよかったじゃん、、、。」

一人呟いた後、皆が待つリビング兼食卓に向かう。丸いテーブルに乗っている、朝食としては豪華な食事を囲んでいつものメンバーが座っていた。

「遅いよ!リーダー!食べ盛りの子供を待たせるなんて!」

この幼い口調の子供の愛称はチビ。愛称は見た目から来ている。

「おめぇはもっと食ってデカくならなきゃいけねぇかんな!皿は小っせぇけどよ!あははは!」

馬鹿にするように話すのはギラついた目をした青年、どこかクールと似た面影があるのは彼らが双子の兄弟だからだ。愛称はヒート。

「うっさいな!これから食べる量が増えるんだよ!いつかお前も抜かしてやるかんな!」

「皆朝からfineですね!meもテンションをupで行きますよ!」

ウキウキした様子でガンが話す。ため息をつきながら自分の椅子に座るリーダー。

「これ以上うるさいのは勘弁だよ。素直に、、、。はい、じゃいただきまーす。」

『いただきまーす。
Let's eat!
朝食、、、開始』

リーダーの号令にそれぞれのいただきますで食べ始める。待ってましたと言わんばかりにダイヤがコロッケに食らいつく。

(相変わらず凄いな)

それに釘付けになるチビ。ダイヤが不思議そうに視線を向ける。慌ててチビも自分の目の前の食事に手をつける。

一通り皆が食べ終わった頃、クールがリーダーに話しかけた。

「リーダー、次は何をするんですか?そろそろ墨蛇区に警察も手を出せそうですし。」

「んーそうだねえ。だからもう、いこうかなって思ってるよ。」

『‼︎‼︎‼︎』

その場の全員が食事の手をやめた。

「やっと大仕事か。今までチマチマしたやつばっかだったかんな!久しぶりに腕がなるぜ!」

血の気の多い目で話すヒート。普段のおちゃらけた表情から真剣な顔でガンも続く。

「最近まともにgunもshootしてないですしね。」

「じゃ、早速あのバカの本邸の見取り図取っとくよ。僕もあいつのふざけた政治にはうんざりしてたしね!」

「任務、、、全力。」

皆のモチベーションを確かめてリーダーは話す。

「皆張り切ってるね。かくいう僕もあいつのことは大嫌いだからね。やる気満々だよ。それにチビちゃん情報によるとケルベロスも関わってるらしいし。」

ケルベロス。それは現在、犯罪大国となっている。この日本の中で最も大きく凶暴な犯罪組織である。政治家の暗躍、殺人の依頼、コンピュータによるハッキングなど日本で発生する大きな犯罪の多くはこのケルベロスが関与している。リーダーが話を続ける。

「だから今回は油断できないよ。では指示を出します。チビちゃん。」

「はーーい!」

「さっき言ってた見取り図、どんくらいかかる?」

「今日中には全然いけるよ!」

「さすがチビちゃん。クールちゃんはチビちゃんのサポートね。」
「はい。」

「武器の補充と手入れはガンとヒートとダイヤちゃんで。」

「了解!」
「All right!」
「任務了解」

「で、僕は全体のサポートして、見取り図が出来次第作戦を考えるからよろしく。」

皆でうなずく。リーダーが最後に声をかける。

「じゃあ今回も皆で頑張って行きますか!」

そう、彼らの名はHounds。この悪にまみれた世界を正そうとする者達。 
 

 
後書き
読んでくださった方、本当にありがとうございます。序章はこんな感じです。まだまだ物語はこれからです。次から本格的にハウンズ達の戦いが始まります。次回も読んでくれると嬉しいです。 
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