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絶対の正義

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第十一章


第十一章

『任せて下さい』
『はい、わかりました』
『それでは岩清水さんにお任せさせて頂きます』
『今回も』
 同志達は次々に書き込んでいくのだった。
『それではそういうことで』
『その日は』
『はい、頑張りましょう』
 岩清水はまた同志達に対してまた書き込んだ。
『いじめをなくす為に』
『いじめをする奴を滅ぼしましょう』
『何をしてでも』
 同志達も書き込んでいく。そうして後日。岩清水は修和高校をまた訪れた。そうしてあの古館を呼んだのであった。それも時間のある昼休みにだ。
「また見学でしょうか」
「はい」
 温厚な顔で笑って答える岩清水だった。
「一つ面白そうな場所がありましたので」
「面白そうな場所ですか」
「そこを見学したいと思いまして」
「それで私を呼んで下さったのですね」
「そうです」
 こうとだけ答えるのだった。
「宜しいでしょうか」
「はい、喜んで」
 古館もまたにこやかに笑って彼の申し出に応えるのだった。
「それではそこに行きますか」
「御願いします」
「それで何処でしょうか」
 岩清水に対して問う古館だった。彼は岩清水をただの受験生の関係者としか思っていなかった。彼の本当の顔にはここでも気付いてはいなかった。
 そうしてそのまま。彼に問うたのだった。
「その場所は」
「体育館です」
「体育館ですか」
「今は開いているでしょうか」 
 こう彼に対して問うのだった。
「体育館は」
「あそこはですね」
 体育館と聞いた彼はまずは少し考える顔になった。それから岩清水に対して答えた。
「お昼は開いていないのですよ」
「開いていませんか」
「はい、それでですね」
 このことを話したうえでさらに言うのだった。
「鍵を取って来ますので」
「それではその間は」
「ちょっとここで待ってて下さい」
 古館は完全に善意の来客に対する態度だった。
「すぐに戻って来ますから」
「はい、わかりました」
 岩清水は紳士的に古館の言葉に頷いた。そうして彼が自分に背を向けて鍵を取りに行くとだった。すぐに懐から携帯電話を取り出してメールを打つのだった。
 古館はすぐに戻って来た。そのうえで岩清水をそこに案内するのだった。
「あそこの設備は凄いのですよ」
「そんなにですか」
「我が校の自慢の一つです」
 こうまで言うのだった。
「筋肉トレーニングの為の設備も充実していまして」
「そういうものまであるのですか」
「進学校ですがスポーツも重要視していまして」
「文武両道ですね」
「はい、そうです」
 まさにそうだと答えるのだった。
「ですから本当に設備が充実しています」
「成程」
「それでですね」
 さらに岩清水に対してその体育館のことを話すのだった。話しているうちにその体育館の前まで来た。そうしてすぐにその鍵の扉を開けた。
「さあ、どうぞ」
「ああ、そういえばですね」
 岩清水はここでまた言うのであった。にこやかな笑顔のままで。
 
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