リメイク版FF3・短編集
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スクエア関係
前書き
ストーリー序盤あたりのお話、出演デッシュ。
「お前らってさ……、もしかしなくても三角関係ないし、スクエア的な関係かッ?」
とある宿屋にて、レフィアは別室だが、何故か1つの部屋に男4人の内、同行者のデッシュという男が面白がるような口振りで話し出す。
「すくえあ? 何だそれっ」
「四角形の事だよ、僕ら4人の関係性の事を云ってるんだね」
首を傾げたルーネスに説明してあげるアルクゥ。
「で……、この中で1番脈ありなのはどいつだ?」
「だから何の話だよ、おれ達の関係性とか云われてもさぁ……?」
「くあ~、ニブいねえルーネス君。……紅一点のレフィアの事に決まってるじゃないか!」
「ミャクあり、コウイッテン────うはぁ、やっぱよくわかんねぇ」
「ほほう? 問題外出たな。じゃあ、アルクゥ坊っちゃんは?」
「ぼっちゃんって……、レフィアに対する僕らの気持ちみたいなのを聞いてるんですよね? いきなり、そんな事聞かれても……っ」
「はあ~、やっぱまだお子ちゃまか? 男子たるもの、早めに目覚めとけ! ────で、さっきから黙って大人な雰囲気出しまくりな少年と呼ぶには憚られる青年よ! 君はどうなんだ……?!」
椅子に座って腕組みしたまま沈黙していたイングズに話をふっかけるデッシュ。
「 ────とやかく云う立場にない」
「おおっと嘆かわしい……、今時の若人ってヤツは!!」
「あ~、あれだ! レフィアってスタイルいいけど、性格キツいって話だろっ?」
思い当たったように云うルーネス。
「バッカだねえ、そういう子ほど根は優しくて寂しがり屋ちゃんなんだよ!……まだまだガキだね~お前らは!?こうなったら手付かずな内に、俺が出しちゃおっかな~お手て♪」
「なな、何する気ですかデッシュさん……!?」
あまりいい予感がしないアルクゥ。
「お前らには解らんだろうが、俺って……いい男だろ? 正直なとこサリーナに留まらず、あらゆる女性とお戯れしたいのさ!」
「いいオトコ、ねぇ……?」
「 ────ルーネス、何故そこで私を見る」
「いやぁ、イングズだってデッシュに負けず劣らず………的な?」
「………お前にそう云われても嬉しくはない」
「何だよ、ホメてんのに一応……?」
「そういえばイングズにはサラ姫いるんだから、レフィアがどうのとか云う話じゃないよね?」
アルクゥがふと指摘したのに対し、デッシュが猛烈に反応する。
「なにぃ?! お前、既にお姫様の領域に達していたのかあ!? ズルい……ズルいぞ! 俺にも会わして?」
「 断る 」
「うひょ~、クールに見えてやる事やってるねぃ、イングズ君!」
「……今は離れてはいるが、兵士として姫様をお守りする気持ちは変わりない」
「は? 何? じゃあお前、1度もチュ~だのその先もないのか、した事??」
呆気にとられるデッシュ。
「 ────何の話だ? 」
「うわ~出た、ウブ野郎?!……てかアレだな、大真面目なキミはきっとお姫様の方から誘われてもお断りするタイプだろ! 勿体ない……、なんて勿体ないんだ! 今すぐ俺と替われ、立場!!」
「断ると云っているだろう」
「へ、そうなのかイングズ? 姫さんから"何か"誘われても、断ってたのかよ??」
「 ────── 」
ルーネスから覗き見られるように問われイングズは、きまりが悪そうに顔を背ける。
「……あぁもう、何1つの部屋に男4人集まってるのよ! しかもうっさいわね、他の人に迷惑でしょ? 特にデッシュ、あなた静かになさいよねっ!」
そこへレフィアがやって来て叱りつけてくる。
「おおレフィア、ごめんよ……! お詫びに、どうだい今夜………俺と、聖なるひと時を───ぐほぁ?!」
鋭い蹴りを腹にお見舞いするレフィア。
「バカじゃないの、このドスケベ!……あんた達、こんな人と話てるとロクな男にならないわよっ」
レフィアはそう云って踵を返してゆく。
「おおう……、たまらなんなあ……! 是非ともベッドでカクトウギの続きを────!」
「格闘したいのかデッシュ、おれがモンクになって相手になろうか?」
何故かそこで、ルーネスが名乗りを上げる。
「ノンノン……、キミとやるつもりはないぜ。しょうがない、外へ出て他に麗しき女性を捜してくるか……!」
デッシュは1人、フラっと部屋を出て行く。
「あ、あの人……ほんとに女性に目がないみたいだね。サリーナさんが心配するのも無理ないよ」
「サラ姫様には断じて会わせない。奴が城まで行こうものなら────斬りふせる」
「(うわぁ、本気だイングズ……っ)」
戦々恐々してしまうアルクゥ。
「なぁ、それよりさ……ベッドでカクトウギって何だ? 新しい技か!? デッシュがやりたがるくらいだから、相当すげーんだろうなぁ? 教えてもらいたいぜっ」
「アルクゥ、この馬鹿者に教えてやったらどうだ。私は席を外そう」
「え? ズルいよイングズ……! 僕にルーネスの相手させて自分は逃げるなんてっ」
「二人してかかってこいよ、相手になるぜ!!」
「 ────いいだろう、私は逃げない。怪我をしても、知らんぞ」
その後、ドッタンバッタンやらかした挙げ句、3人はレフィアにこっぴどく叱られるのでした。
おわり
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