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マブラヴオルタネイティヴ~鳥と獣と海賊と~

作者:レスト
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プロローグ

 
前書き
以前から言っていた二作品目です。

こちらは完全に作者の趣味が入っているので、読者の方には解りづらい描写があるかもしれません。

では、本編どうぞ 

 


『ジェネレーションシステム』


 この世界の根幹を成すそのシステムに1つのイレギュラーが混じる。そのイレギュラーの名前は『アメリアス』。
 彼女は当初、自らをアプロディアと名乗り、世界の秩序の為に戦っていた。だが、彼女の真の目的はジェネレーションシステムの中でも特別な機体、『バルバトロ』の破壊であった。
 バルバトロを破壊し、彼女は封印されていた強大な力と『裏切り』を司るコードを使い、世界を自分の支配下に置こうとする。
 しかし、それを阻止する人物と部隊が存在した。
 その人物の名は『コード・フェニックス』。愛機であるモビルスーツ、マスターフェニックスを駆り、彼はジェネレーションシステムを取り戻すために戦場を駆け抜ける。
 そしてその彼と共に戦うのは、この世界とジェネレーションシステムの存在を知り、理解することで、システムの軛から外れこの世界を正しく認識する者たちが集まった部隊『ジェネレーションズ』であった。
 その部隊は、ジェネレーションシステムが構成する様々な世界に介入し、その個々の世界の火種を消すために戦ってきた部隊である。
 アメリアスと彼らの戦いは熾烈を極めた。だが、最終局面は彼らにとっても意外な展開を迎える。
 彼らに敗北したアメリアスは彼女が持ち得る力の全てを失い、ただ幼い子どものような存在になったのだ。
 戦意の喪失どころではなく、自分の存在事態を正しく認識しきれていない彼女と敵対する理由が失われ、この戦いは集結したように思われた。
 しかし、暴走したジェネレーションシステムはアメリアスという存在を許しはしなかった。
 暴走したシステムはイレギュラーな存在である彼女を飲み込み、その強大な力を持ったコードである彼女を取り込もうとしたのだ。
 既に無害な存在である彼女の消去はコード・フェニックスをはじめとした彼らの本意ではない。その為、システムから彼女を連れ戻すため、彼らは本当の意味での最後の戦いに挑む。
 そして―――――



ジェネレーションシステム中枢


 様々な世界を構成するシステムの中枢では、それを証明するように多種多様なモビルスーツやモビルアーマーの姿があった。
 だが、その内の大半は既に残骸と化しており、その戦場は終息を迎えようとしている。
 その戦場の中、4機のモビルスーツの姿があった。
 その内の2機は白と赤を基調とした機体。フォルム自体はそれぞれ違いが有るが、お互いに『不死鳥』の名を冠する機体。コード・フェニックスが操るマスターフェニックスと、彼に協力する腕利き部隊の中でもトップエースと呼ばれるパイロット、マーク・ギルダーが駆るフェニックスガンダムである。
 そして残りの2機は片や全身が白亜の装甲で包まれ、頭には特徴的な一本角がある機体、ユニコーンガンダム。そしてもう片方は額と胸、両肩にドクロのマーク、そして全身を黒い板状の金属パーツをマントのように羽織る機体、クロスボーンガンダムX1・フルクロスであった。
 この2機のパイロットはそれぞれ、バナージ・リンクスとトビア・アロナクスという2人の少年である。まだまだ若いというよりも幼い2人であるが、機体の相性や個別の技能により、パイロットとしての腕前は部隊の中でもトップクラスであった。

「このエリアの残存する敵機は全て排除した。後はシステム中枢に突っ込むだけか」

 機体のコクピットで現状を確認とステータスチェックをしながら、マークは呟いた。その声音は冷静なもので、戦場では仲間に安心感を与える威厳に満ちていた。
 そんな彼の言葉に通信で答える声があった。

『それは俺の役目だ。ここまで、手伝ってくれただけでもありがたい。あとは俺に任せて帰投しな』

 マークとは違い、どこか飄々とした喋り方ではあるが強い意志を含んだ声。そう答えたのはコード・フェニックスであった。
 マークは彼の言葉に一瞬眉を潜め、返事を返そうとするが、その言葉を紡ぐ前に彼の小隊に所属する2人の少年からの言葉の方が早かった。

『ここまで来て引き下がるつもりはありませんよ!』

 自分の決意を表すようにそう声を発したのはトビアであった。そしてトビアに続くようにバナージも言葉を発する。

『自分達の存在する世界がどうなるのか……それがこの戦いで決まるのなら、最後まで見届けたいです』

 2人の少年の言葉に面食らう表情をするコード・フェニックス。通信機越しに見たその彼の表情に内心苦笑しながら、マークは子供に便乗する自分を情けなく感じながらも意見を口にする。

「このまま単機で先行するのは自殺行為だ。それにこちらとしてもそちらをシステム中枢に無事に送り届けるという任務がある。それを今更放棄する気はない」

『……すまない』

 コード・フェニックスのその返答を了承と受け取り、その4人は機体のスラスターに火を入れた。
 そしていよいよ、システム中枢であるコアユニットが存在するエリアに進入した瞬間、その4機を襲う新たな機体が姿を表す。

『あれは……バルバトス?!』

 青を基調としたその敵機を見ると声をあげるコード・フェニックス。その声を通信機越しに聞いていたマークは敵機の情報を詳しく聞き出そうとするが、その前にコクピットのモニターに映るバルバトス、否、正確にはバルバトスミラージュが動きを見せたことにより、反射的に叫ぶ。

「各機、散開!」

 マークの指示が発せられると4機はそれぞれ四方に散る。そのすぐ後、これまで4機がいた空間に高出力のビームが光の帯を伸ばしてくる。その光の太さと着弾した箇所を確認するとその威力が破格なものであると、即座に頭が理解した。

「ちぃ!フェニックス、コイツは俺たちが抑える!お前は中枢を!」

『ッ!了解した!死ぬなよ!』

 マークはコード・フェニックスに通信を送りながら、フェニックスガンダムに装備されている二丁のビームライフルをそれぞれ両手で構え、バルバトスに向けて光条を放っていく。
 状況的にマークの指示に従うことが最善と判断したコード・フェニックスは、その事に歯噛みしながらも機体を加速させ、更に奥のエリアに向かう。
 奥に進むマスターフェニックスの機体に気付いたバルバトスは、回避行動を取りフェニックスガンダムの攻撃を避けながらも、クナイのような投擲武器をその機影に向かって投げる。だが、そのクナイは横から放たれた光に飲まれることとなった。
 その光が放たれたと思われる方にバルバトスが頭部を向けると、そこにはビームマグナムを両手で構えるユニコーンガンダムの姿があった。
 バルバトスの注意がこちらに向いた事を確認したマークは、即座にトビアとバナージに指示を飛ばす。

「バナージはそのまま牽制を続けろ!」

『はい!』

「トビアは俺と一緒に奴を抑える、ついてこい!」

『了解!』

 指示を出すと即座に返ってくる了承の言葉に心地よさを感じながら、マークは操縦桿を操作し、バルバトスに肉薄すべく機体を加速させた。そしてそれに続くようにクロスボーンガンダムがフェニックスガンダムと共に駆けていく。
 未だに続く、ビームマグナムの光の帯とビームガトリングの光の雨による牽制で、回避行動を余儀なくされるバルバトス。
 しかし、それでもバルバトスの名は伊達ではないのか、機体を小刻みに動かし、ギリギリのところを回避し続けるその機体は、一方的な攻撃に反抗するように反撃の狼煙を上げる。
 自分に接近する2機に気付くと背部に装備されている孔雀の尾羽のようなパーツを円形に展開し、複数のビームを放ってくる。

「トビア!」

『うおおおおおおおおお!』

 敵の攻撃がビームであると分かった瞬間、マークはトビアの名を叫ぶ。それに呼応するようにトビアは自らの機体をフェニックスガンダムの前に躍り出させる。
 バルバトスの放ったビームは広範囲にビームをバラまく、面制圧の攻撃であった。これは敵が攻撃を避けることができないようにするため、1発1発の威力を弱めた物になっている。しかし、弱くなっているといっても、元々のスペックが破格なその機体が放てば、並のビームライフルを超える威力を叩き出す。
 この攻撃は放たれた時点でマークもトビアも避けることはほぼ不可能であった。ユニコーンから放たれるビームガトリングの弾幕が“雨”だとすれば、バルバトスの放ったそれは“津波”なのだから。
 機体の正面を覆うほどのビームの壁に対して、しかし2機は防御するのではなく突っ込んでいく。
 敵の攻撃がビームであるのであれば、トビアが駆るクロスボーンガンダムは最高のアドバンテージを発揮する。
 機体に装備された4機のIフィールド発生装置と機体が羽織っているABCマントがビームであるその攻撃を部分的に無効化し、2機が通れるだけの穴を穿ち出す。
 ビームの壁を抜けた瞬間、マークは機体をロールさせ、トビアの機体の前に躍り出る。そのままバード形態に変形させたフェニックスとバルバトスとの距離を更に詰めさせる。

「ここらで幕引きと行こうじゃないか!」

 意気込みの言葉と共に彼はその目を更に鋭くさせ、その口元には勝利を確信した笑みを浮かべる。
 フェニックスガンダムの特徴的なウイングバインダーから液体金属が噴出し、機体全体を包む。そして機体自体が1つのエネルギー弾と化し、真っ直ぐに突き進んでいく。
 バルバトスは迎撃の為に動こうとするが、シールドのIフィールドで攻撃を凌いだユニコーンガンダムとクロスボーンガンダムの牽制射撃の為、それをできずにいた。

「捉えた!」

 そして、弾丸と化したフェニックスガンダムはその切っ先をバルバトスの胸部にめり込ませる。
 その瞬間、勝敗が決したと確信した3人の頭に直接響くようにある声が聞こえてきた。

(………けて)

「「「?」」」

 それは弱々しい女の子の声。そしてその声は段々と強く響く。

(……助けて)

(何かに怯えた声?いや……だがこれは……)

(この感じ……以前どこかで?)

「君は………誰?」

 マークはその声を冷静に分析し、トビアはその声の感覚にどこか既視感を覚えた。そして、問いかけるようにバナージは声を出す。バナージの疑問はマークもトビアも思っていたことなのか、聞こえてくるその女の子の声を待っていた。
 だからこそ、次に聞こえてきた声に3人は驚く。

(タケルちゃんを助けてよ!!!!!)

「「「ッ!!!」」」

 これまでの弱々しい声ではなく、願うように、縋るように、叫ぶように聞こえたその声に3人は眉を潜めた。
 その声に気を取られていたからだろう。3人は気付かなかった。撃墜したと思われたバルバトスから眩い光が漏れ出していたことに。
 そしてそれに気づいたとき、3人は機体ごと光に飲まれ、その空間から、そしてこの世界からその存在を消すこととなった。







 
 

 
後書き
と言う訳で、導入部でした。

次回からマブラヴ世界に行くことになります。
しかし、トータルイクリプスの内容も絡めたいので、オルタ本編は結構先になるかもです。

あと、ガンダム勢三人にはそれぞれヒロインをつけたいと思っています。
ご意見があれば、感想の方にお書きください。

それと作品の設定はなるべく改変しないようにするつもりですが、間違っていたらご指摘の方よろしくお願いしますm(_ _)m

ご意見・ご感想をお待ちしております。 
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