ハイスクールD×D~進化する勇気~
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第三十話
翌日、俺は理由をでっち上げて修学旅行から抜ける事に成功した。
まあ、ヴァーリとかにはバレたかもしれん。だって勘は鋭い方だしな。
後は納得いかない感じになっていたのは班員全員だ。
しかしなんとか納得してもらって俺は帰る……フリをして妖怪の里へと向かう。
妖怪の里へ入るには色々とプロセスが必要らしい。
まず一つ目、妖怪を探さないといけない。これには普通の人間じゃ妖怪の里へ入る事は出来ないからだ。
しかしこの点に関しては問題はない。なぜなら……八坂が俺の事を待ってくれているからである。
二つ目。その妖怪に気に入られる事。これも問題はない。
三つ目。これが一番面倒くさい。妖怪の里へと向かう道中を他の人間に見られてはいけない。
これが一番面倒くさいのである。
まあ、これに関しても大丈夫だろう。
そして八坂に案内されて俺は妖怪の里へと足を踏み入れた……。
そこは古風な街並みが漂う場所だった。
しかし道を行き交うのは人間ではない。
至る所にたくさんの妖怪がいる。
あ、あれ……首無しに河童じゃないか?あんなのもいるんだな……。
と、そんな中で一際目立つ女性を見つけた。
銀色の髪で西洋の女性騎士が着るような鎧を身に纏っている。
「あれって……ジャンヌ?」
「ああ、そういえば世界終末の日の際に共闘していたのですね。ジャンヌさんはここで妖怪の子供達のお世話をしてもらっているんです」
へぇ、あのジャンヌがね……。
「…………?」
「…………(グタ~)」
と、ジャンヌに近づいて頭を傾げている女の子。その女の子の言った事になのかグタ~となるジャンヌ。
赤色の髪を肩辺りまで伸ばしており服装もどこか日本とは違う感じがする。
なにより……彼女の背中にある武器……あれって槍…か?
「ああ、彼女もいらしてたんですね」
どうやら八坂さんは知っていたようだ。
「彼女は?」
「はい、英雄派の最高戦力と言っても過言ではない方です。名前は貴方も知っていますよ」
俺も知っている?
「彼女の名前は……呂布、中国三国時代に最強と謳われた武将の末裔です」
「呂布!?」
その名前を知らない人間はいないであろう人物の名前。
呂布、それは八坂の言った通り中国三国時代において最強と謳われている武将の名前だ。その理由は簡単、戦いにおいて誰にも負けた事がないからである。
唯一苦戦したのは劉備・関羽・張飛という当時は義勇軍を率いていた武将達に苦戦したのを最後に苦戦する事もなく、しかし当時の曹操に策を用いて捕縛され、首を飛ばされて死んだという人物だ。
という事はあの子が持っている武器は方天画戟か?
「そんな人物の子孫が……あの子?」
実際に見てもそんなに強そうには感じられない。
「でも本当に強いです。それに彼女は世界終末の日の際にも参加していましたよ?」
「マジで?気づかなかった……」
「仕方ありません。あの時は本当に緊急事態だったのですから」
と、八坂と話していたらどうやら俺の存在に気づいたらしくジャンヌが驚いた顔をしている。そして呂布の方も俺の存在を認識してトタトタと遅く走り寄ってくる。
「い、イッセー!?」
「ああ、ジャンヌ。イッセーだよ」
「で、でもなんでこんな所に……」
「八坂といる時点でわからないか?」
俺は八坂を親指で指し示す。
「あ、ああそうね……あ、恋」
恋?
恋と言われた呂布は
「ご主人様……」
そう言って俺に抱きついてきた。
今、俺、すごい驚いた顔をしていると思う。だって八坂もジャンヌも驚いた顔をしているもん。
え、何?ご主人様?俺が?
「ああ、そういえば恋はイッセーにゾッコンだったわね……」
「ゾッコン?何で?というか恋って?」
「簡単よ。イッセーの戦っている姿を見て自分が仕える人物がこの人しかいないって思ったから。それと恋ってのは真名。まあ、イッセーなら言っても大丈夫かなって思って」
そんなのがあったんだな……。
「ははは、早速やっているな」
「あ、曹操」
と、笑いながら曹操がやってきた。
「今回は大変な事になってるな」
「まあ、君がこの里にいる時点で大体の事情は聞いているだろう。八岐大蛇だけは何としても復活させてはならない」
「ああ、そんなの復活しちまったらどうなるかわかったもんじゃないからな」
「ああ、だからこそ俺たち英雄派はこの妖怪の里の警護をしているんだ」
知ってるよ、だからこそ俺も来たんだからな。
「さて……そこで見ている君、そろそろ出てきてもいいんじゃないか?」
と、曹操がある場所を目線で射抜く。
「…………なんで禍の団の派閥の一つである英雄派がここにいるんだい?」
そこから出てきたのは……木場だった。
「木場?お前、なんで……」
「イッセー君が見慣れない女性と一緒に歩いていたからね。尾行していたんだ」
ああ、そうか、なるほど。人間に見つかったらいけないだけで悪魔には見られてもいいんだな。
「なるほど。そういえばお前はグレモリー眷属の一人、木場祐斗だったな……ふぅ、ここまで来たからにはお前には嘘を言っても意味はないだろうな。いいだろう、真実を話してやろう」
そして曹操は真実を話し出した。自分達にはテロをする気は微塵もない事。この京都で行われようとしている最悪な計画の事……。
話終わった後の木場の表情には驚愕しかなかった。
「そんな事になっていたんだね……僕にも、何か協力出来ないだろうか?」
「ふむ、そうだな……確かに木場祐斗の禁手は強力……それにイッセーの使っている雷切を使える……いいだろう、協力を感謝する」
「ありがとう「しかし、まずは雷切を完成させろ。そこからだ」……わかっている、必ず完成させるさ」
「ふっ……待っているぞ」
そう言って木場はどこかへと去っていった。
「いいのか?」
「ああ、あの目は信用出来る目だ」
そうか、曹操が言うなら信用しようかな。
「さて、それじゃ例の頭がある場所に連れていってくれ」
「わかりました、皆さんもどうですか?」
「そうだな」
「そうね」
「うん」
そして皆で最後の頭が封印されている場所へと皆で向かった。
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