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妖精の義兄妹の絆

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天空の巫女と亡霊

「…ウェンディ。」
「え?え?」
ブレインがそう呟いた。地に這いつくばっている連合軍は何故ウェンディの事を知っているのか疑問を抱く。
「どうしたブレイン。」
「知り合いか?」
レーサーとコブラがブレインに尋ねる。
「間違いない、天空の巫女。」
「天空の…、」
「巫女?」
連合軍は何のことか分からなかった。
「なにそれ~。」
当のウェンディ本人もまったく身に覚えがないようだ。
「これはいいものを拾った。」
ブレインは乱れた髪をかきあげ言った。
「来い。」

ぐわん

「きゃあ。」
「!!」
ウェンディは杖から放たれたブレインの魔力に捕らえられた。
「ひっ。」

キュルルル

「ウェンディ!!!!」
「シャルルー!!!」
シャルルは連れていかれるウェンディを叫びながら懸命に追った。
「何しやがる、この…。」
ナツがそう言って立ち上がろうとしたとき、
「金に…、上下の隔て無し!!!!」

ドッ

「うわ。」
「が。」
「くあっ。」
「きゃあ。」
ホットアイの攻撃によりナツたちはダメージを受けてしまった。
「シャルルー!!!」
「ウェンディー!!!」
あと数センチで手が届きそうになった。

がしっ

ウェンディはシャルルの手を掴んだと思った、が、
「あ。」
「あれ?」
シャルルの手だと思って掴んだのは実はハッピーの手だった。
「!!!」
「きゃあああああ。」
「ナツー、うわー!!!」
ウェンディとハッピーがブレインの魔力に捕まったそのとき、



「させるかァァァァァ!!!!」



連合軍の後方からものすごい速さでこちらにやって来る者がいる。
「誰だ!?」
ナツが後ろを振り向くのと同時にナツの横を過ぎ去った。
「まさか!?」
シャルルがそう言うとウェンディは涙を滲ませ叫んだ。
「お兄ちゃん!!!!」
そこには水を纏ったタクヤが走っていた。
「水竜の狼爪!!!」

ザァァァァン

タクヤの両手を巨大な水の爪へと変化させ、ブレインの魔力を切り裂こうとした。
「うじが…もう遅いわ。」

ギュム

「きゃあああああ。」
「ナツー、うわー!!!」
ブレインの魔力によりウェンディとハッピーは消えてしまった。
「ウェンディー!!!!」
「ハッピー!!!!」
「てめぇぇ!!!!」
「うぬらにもう用は無い、消えよ!!!」

ドドドドド

ブレインは再度連合軍めがけて魔法を放った。
「ふせろォーっ!!!」
レンの掛け声で全員地面にふせたが、広範囲に広がっており威力も絶大でありみんなが諦めかけたとき、

だん

「!!!」
「岩鉄壁!!!!」

ゴガッ ズガガガガ

地面が盛り上げられブレインの攻撃を防いだ。

ドゴゴォン

そして、すべての攻撃を退いた。それを成したのは蛇姫の鱗のジュラだった。
「ジュラ様!!!」
「おおおっ!!!」
「すごいや!!」
「ありがとう、助かったよ。」
ヒビキはジュラに礼を言った。
「あんたもなにげにありがと。」
ルーシィはヒビキに礼を言った。先程の防御の際に起こった土煙があたりを遮っている。
「あいつらは!!?」
ナツがそう言って辺りを見渡した。土煙が少しずつ晴れていく。
「!!」
タクヤが何かに気づいたのとほぼ同時に土煙が晴れた。
「いねぇ!!!くそっ!!!逃げられた!!!」
そこには六魔将軍はおろかウェンディとハッピーの姿はどこにもなかった。
「ウェンディ。」
「完全にやられた。」
「あいつら強すぎるよ。」
六魔将軍との圧倒的な実力差を思い知らされた。
「ジュラさん、無事でよかったよ。」
リオンがジュラに言う。
「いや、危うい所だった。」
そう言うとジュラの腹部に包帯の上から血が滲んでいた。
「そのキズ…。」
リオンはジュラでさえも深手を負うほどの相手なのかと再度六魔将軍の強さを確認した。
「今は一夜殿の‘痛み止めの香り’で一時的におさえられているが。」
「六魔将軍め。我々が到着した途端逃げ出すとはさては恐れをなしたな。」
一夜がボロボロの格好で言う。
「あんたボロボロじゃねーか。」
すかさずグレイがつっこむ。
「みなさんにも痛み止めの香りを。」
そう言って一夜は腰に巻いてるホルスターから痛み止めの香りを出しコルクを抜いた。
辺りに痛み止めの香りが漂う。
「いい匂い。」
「痛みが…やわらいでいく…。」
みんなの体から痛みが和らいでいくのを感じた。
「さすが先生!!!」
「また、呼び方変わった…。」
このボケは何回繰り返されられるのかとルーシィは心のなかで呆れた。
「あいつら~…ウェンディとハッピーを…。」
「ぜってぇ許さねー、あのやろーども。」
ナツとタクヤは怒りを露にする。
「てか、お前誰だ?」
「あ、あぁ。俺は化猫の宿のタクヤだ。お前は?」
「俺は妖精の尻尾のナツだ。」
二人が自己紹介を終えるとシェリーが口をはさんだ。
「そういえば、化猫の宿からは二人が来ると言っていましたわね。」
シェリーは思い出したように言った。そこにルーシィがタクヤに質問した。
「なんであんたは遅れてきたの?ウェンディたちは何も言ってなかったけど。」
「合流地点に着く前に闇ギルドにあって、ウェンディたちを先に行かせて一人でやろうと考えたんだ。
言わなかったのは連合軍の作戦を敵に知らせないため。ま、無駄だったみたいだが。」
「とにかくタクヤが無事でよかったです。」
エマがタクヤに言った。そのとき、突然ナツが叫びながら走った。
「どこだー!!!!」
「ナツ!!!」

ギュッ

「んが。」

どたん

後ろから羽をはやしたシャルルにナツのマフラーは引っ張られ、その場に倒れた。
「羽!?」
「猫が飛んでる。」
みんなシャルルの姿を見て驚く。
「これは翼“エーラ”っていう魔法。ま…驚くのも無理無いけど。」
「ハッピーとかぶってる。」
「なんですって!!!」
シャルルが一番驚くのだった。
「とにかくウェンディとオスネコの事は心配ですけど、
タクヤが来たといってもやみくもに突っ込んでも勝てる相手じゃないってわかったでしょう。」
「シャルル殿の言う通りだ。敵は予想以上に強い。」
ジュラがシャルルの意見に同意する。
「それに、」
シャルルはそう言って視線を移動させた。
「!!」
ナツもシャルルの視線の先を見る。
「エルザしっかりして!!!」
「う…うあ…。」
そこにエルザが苦しそうな顔をして座っていた。
「そんな…痛み止めの香りが効かないなんて!!!」
「エルザ!!!」
エルザに痛み止めの香りが効かないようだ。試しに痛み止めの香りを増強したが効果はない。
「ルーシィ…すまん…ベルトを借りる…。」
「え?」
ルーシィの有無も言わさずエルザはベルトを取った。ベルトが取られたためルーシィのスカートが地面に落ちた。
「きゃあああっ。」
その光景をトライメンズは見逃すことなく目撃した。タクヤの目にも写った。
「タクヤ!!不潔です!!!」

バシィィィン

「ふぶぅ!!?」
タクヤはエマに強烈なビンタを入れられた。
「な…何してんのよ…。」
「このままでは戦えん。」
そう言いながらエルザは右腕をベルトで強く縛った。

ガシャン

「切り落とせ。」
エルザは剣を投げやり、そう告げた。
「「!!!」」
「バカな事言ってんじゃねえよ。」
グレイはエルザを怒鳴った。
「わかった、オレがやろう。」

ガシ

リオンは剣を拾い上げ了承した。
「リオン、てめえ!!!」
「やれ。」
「よせ!!!」
グレイは必死にリオンを止める。
「今、この女に死んでもらう訳にはいかん。」
そう言ってリオンは剣をかまえる。
「けど…。」
「どれだけ甘いんですの!?妖精さんは。」
シェリーがルーシィに怒鳴る。
「あんたに何がわかるっていうのよ!!」
「やるんだ!!!早く!!!!」
エルザも限界が近いようだ。
「やめろリオン!!!」
リオンはグレイの声に耳を貸すことなく集中する。
「よさないか!!!!」
「そんな事しなくても。」
ヒビキとイブもリオンを説得する。
「エルザ殿の意志だ。」
だがそれをジュラが止める。

ギュオ

そして、剣が降り下ろされた。







ガキィ

しかし、それをグレイが剣を氷づける事で止めた。
「貴様はこの女の命より腕の方が大事か?」
「他に方法があるかもしれねぇだろ?短絡的に考えるなよ。」
リオンとグレイが口論をしている間に、
「あ…。」

ドサ

体力が限界だったのかエルザは気を失ってしまった。
「エルザ!!!」
「まずいよ!!このままじゃ毒が体中にまわって…。」
そのとき、
「ウェンディなら助けられるわ。」
みんながシャルルに視線を写す。
「今さら仲間同士で争ってる場合じゃないでしょ。力を合わせてウェンディを救うの。ついでにオスネコも。」
「あの娘が解毒の魔法を?」
「すごいなァ。」
そこにタクヤがシャルルの説明に補足する。
「解毒だけじゃない。解熱や痛み止め、キズの治癒もできるぞ。」
「あ、あの…、私のアイデンティティーは…。」
一夜は顔に脂汗をかきながら呟いた。
「治癒って…失われた魔法“ロストマジック”じゃなくて?」
「まさか天空の巫女ってのに関係あるの?」
シェリーとルーシィがタクヤたちに質問した。
「あの娘は天空の滅竜魔導士、












天竜のウェンディ。」
シャルルの一言にみんなは驚愕した。
「ドラゴンスレイヤー!?」
「詳しい話は後!!ってゆーかこれ以上話すことはないけど。
今、私たちに必要なのはウェンディよ。そして目的はわからないけどあいつ等もウェンディを必要としている。」
「…と、なれば。」
「やる事は一つ。」
「ウェンディちゃんを助けるんだ。」
「エルザのためにも。」
「ハッピーもね。」
「おっし!!!!」
「よっしゃあぁ!!!」









「行くぞォ!!!!!」
「オオッ!!!!!!」
今ここに連合軍は一つとなった。












一方その頃、古びた廃村
ここはかつて古代人の都があった。そこにある洞窟は村の神事の際に巫女が籠り神託を得たという。
そこに六魔将軍とウェンディ、ハッピーがいた。

どかっ

「きゃっ。」
「ぎゃわ。」
ウェンディとハッピーは洞窟の奥に突き飛ばされ尻餅をついた。
「乱暴にするな!!!女の子なんだぞ!!!」
そのとき、
「もびゅ。」
ハッピーはブレインに顔をつかまれていた。
「むーむー。」
「ハッピー!!!」
ハッピーは息が出来ずにいた。
「フン。」

ポーン

ブレインはハッピーを投げ飛ばした。
「きゅううう。」
ハッピーはそのまま気を失ってしまった。
「ブレイン、この女は何なんだ?」
レーサーはブレインに質問する。
「ニルヴァーナに関係してんのか?」
「そんなふうには見えないゾ。」
「そうか!!!売ってお金に…、」
ホットアイがすべてを言い終わる前にブレインは答えた。
「こやつは天空魔法…治癒魔法の使い手だ。」
「治癒魔法だと!!?」
「失われた魔法。」
「スースー。」
「これは金の臭いがしマスネ。」
ミッドナイト以外各々の思ったことを言った。
「こんな小娘が…。!!!まさか!!?」
コブラは何かに気づいたようだ。ブレインはコブラの発言に笑みを浮かべた。
「その通り、奴を復活させる。」
「わ、私…!!!悪い人たちに手は貸しません!!!」
ウェンディは六魔将軍を前にそう宣言した。
「貸すさ…必ず…。」
ウェンディは終始ブレインを睨み付ける。
「うぬは必ず奴を復活させる。」
ブレインの意味深な発言にウェンディはただ睨み付けることしか出来なかった。
「レーサー。奴をココにつれてこい。」
ブレインはレーサーに命令する。
「遠いなァ、1時間はかかるぜ。」
「かまわん。」
「なるほど…あいつがいればニルヴァーナは見つかったも同然。」
コブラはブレインが何を企んでいるのか分かったようだ。
「コブラ、ホットアイ、エンジェル。貴様等は引き続きニルヴァーナを探せ。」
「でも、あの人が復活すればそんな必要無いと思うゾ。」
エンジェルはブレインの命令に異論を唱えた。
「万が一という事がある。私とミッドナイトはここに残ろう。」
「ミッドは動く気がないみたいデスが…。」
ホットアイの発言通りミッドナイトはまだ眠っている。
「しゃあねえ、行ってくるか。」
コブラが面倒くさそうに言った。
「ねぇ?競争しない?先にニルヴァーナを見つけた人が、」
「100万J!!!のったァ!!!デスネ。」
「高いゾ。」
エンジェルはホットアイのふざけた提案につっこんだ。
「一体…どんな魔法なの…?ニルヴァーナって…。」
ウェンディはハッピーを抱えて呟いた。ヒビキたちからは古代人が封印するほどの破壊魔法としか知らされていない。
ウェンディの声が聞こえたのかブレインが答えた。
「光と闇が入れ替わる魔法だ。」
ウェンディはブレインが何を言っているのか理解できなかった。








場所を戻し、ワース樹海
連合軍はウェンディとハッピーを助け出すために2つのグループに別れて行動していた。
ワース樹海入り口付近にはヒビキとルーシィそして、毒で倒れているエルザの3人。
救出組はさらに3つのグループに別れている。
ナツ、グレイ、タクヤ、シャルル、エマのグループ。
ジュラ、リオン、シェリーの蛇姫の鱗グループ。
一夜、レン、イブの青い天馬グループ。
ウェンディとハッピーを救出すべくワース樹海へと足を踏み入れた。
「みんな、急いで…お願い…。」
ルーシィはエルザの看病をしながら願った。
「プーン。」
ルーシィの星霊であるプルーもそう願っているようだ。
「全員樹海に突入…完了…と。」
ヒビキがモニターを操作しながらそう言った。
「君はいかないの?」
ヒビキはルーシィに尋ねる。
「エルザをおいてはいけないでしょ。それにどう考えてもあたしが一番戦力にならないし。」
「そんな謙遜を…。噂は聞いてるよ3mのゴリラを倒したとか
ファントムのマスターを再起不能にしたとか、アカリファじゃ一人で千人と戦ったって。」
「尾ヒレつきすぎ。」
ルーシィは自分の膨れすぎた武勇伝につっこんだ。
「そーゆーアンタはいかないの?」
今度はルーシィがヒビキに尋ね返した。
「女性二人をおいてはいけないよ。」
「意外とやさしいのね。」
ルーシィはヒビキに対する認識を改めた。
「それに僕の魔法はみんなにココの位置を知らせることができる。
ウェンディとハッピーを救出しても、この場所に帰れなかったら意味ないからね。」
ヒビキの冷静な対応にルーシィはエルザを見て静かに頷いた。














ワース樹海内、ナツ、グレイ、タクヤ、シャルル、エマサイド
「天空の滅竜魔導士ってさぁ、なに食うの?」
ナツの質問にタクヤは答える。
「空気だ。」
「うめぇのか?」
「知るか。」
「それ酸素と違うのか?」
グレイはナツとタクヤの会話を聞きながらつっこんだ。
そこにシャルルが口を挟む。
「あのコもタクヤもアンタに会えるかもしれないってこの作戦に志願したの。」
「オレ?」
「同じ滅竜魔導士でしょ?」
今度はタクヤが口を挟む。
「俺たち、7年前に滅竜魔法を教えてくれたドラゴンがいなくなったんだ。
お前ならドラゴンの居場所知ってるかもと思って。」
「俺たちってまさか!!?」
グレイが何かに気づいた。
「あぁ、俺も滅竜魔導士だ。」
「お前もっ!!?」
「だから、この7年探し回ったが結局見つけることはできなかった。
俺たちの親の名前はウェンディが天竜グランディーネで俺が水竜マリーネ。」
タクヤの説明に間髪入れずにナツは質問した。
「オイ!!!いなくなったのって7月7日か!!?」
「俺はそうだが、ウェンディはわかんねぇ。」
「イグニールとガジルのドラゴンも、タクヤとウェンディも7年前…。」
ナツがぶつぶつと独り言を言っていたとき、

バキィ すてェん

「んがっ。」
ナツは前を向いていなかったため、木の幹に顔をぶつけて転んだ。
「そうだ!!!ラクサスは!?」
ナツはすぐに上体を起こし、グレイに聞いた。
「じーさん言ってたろ?あいつは滅竜魔導士じゃねぇ。」
そのとき、
「な、何コレ!!?」
「!」
シャルルは目の前にある異様な光景を目の当たりにしていた。
「木が…、」
「黒い…、」
「き、気持ち悪ィ。」
樹海の木が複数本黒くなっている。
「どうなっているんですか?」
「わかんねぇ。けど、変な魔力を感じるぞ。」
エマの言葉にタクヤは答えた。
「ニルヴァーナの影響だって言ってたよな、ザトー兄さん。」
「ぎゃほー。あまりにすさまじい魔力なもんで大地が死んでいくってなァ、ガトー兄さん。」
突然野太い声が樹海の中から聞こえてきた。
「誰だ!!?」
グレイがそう叫んだ瞬間、

ガサガサ ガサッ

「ちょ、ちょっとぉ、」
「ニルヴァーナの影響だって、」
「さっき言ったぜ、ガトー兄さん。」
「そうかい、ザトー兄さん。」
「囲まれてるわよ!!!!」
周りから次々と人が出てき、タクヤたちは囲まれた状態となっていた。
「うほぉ!!!サルだ!!!サルが二匹いんぞオイ!!!!」
「どちらかと言えばゴリラだろ。」
「今はそんなこと言ってる場合じゃないですよ!!!」
ナツとタクヤはエマに叱られてしまった。
「こ、こいつら妖精の尻尾だ!!!こいつらのせいで…。」
そこにもう一人のサル顔な男が現れた。
「オオ!!!もう一匹増えたー!!!!」
「確かに、あれはサルだな。」
タクヤは頷きながらナツの意見に賛成する。
「いい加減にしなさい!!!!」

バシィィィィン

「「ぐほぉっ!!!?」」
とうとうナツとタクヤはエマにビンタをくらわされた。
「六魔将軍傘下、裸の包帯男“ネイキッドマミー”。」
「ぎゃほおっ!!!!遊ぼうぜぇ。」
裸の包帯男のリーダーとされる二人の男が言った。
「敵は…6人だけじゃなかったっていうの…!?やられた…。」
「そうですね、とても危険な状況ですね…。」
「こいつァ丁度いい。」
「ウホホッ、丁度いいウホー。」
グレイがそう言うとナツもサルのものまねをしながら言った。
「もういっちょやってやんぜ。」
タクヤも二人の意見に同意する。
「何言ってんのアンタたち!!!」
「これだけの人数相手じゃ…!!!」
シャルルとエマは3人を止めにかかった。
「拠点とやらの場所をはかせてやる。」
「今いくぞ。ハッピー!!ウェンディ!!」
「全員沈めてやんぜ!!」
3人はシャルルとエマの忠告を受け入れず、戦闘モードに入っていた。
「なめやがってクソガキが…。」
「六魔将軍傘下裸の包帯、」
「死んだぞ、テメーら。」
ガトーが同じ事を言い終わる前にザトーが口を挟む。
「何なのよ、妖精の尻尾の魔導士は…それにタクヤまで…、今の状況わかってるのかしらっ!!!」
シャルルはあり得ないと頭のなかで混乱していた。






一方、青い天馬サイド
ここでも闇ギルドに囲まれていた。しかも一夜の姿は見えない、どこかではぐれてしまったんだろう。
「黒い一角獣“ブラックユニコーン”!!?」
「何で奴等がこんな所に…。」
レンとイブも今の状況を把握しきれないでいた。






こちら、蛇姫の鱗サイド
同様に闇ギルドに囲まれている。
「これは一体…。」
「囲まれているだと!?」
「こんなに伏兵がいらしたなんて。」






そして、
「ちょ、わ、私はみんなとはぐれて…一人に…、いや、だから決して怪しい者じゃメェーン。」
はぐれた一夜も闇ギルドに囲まれていたのだった。


















時を同じくして、洞窟内
「重てぇ…、これじゃスピードが出ねぇぜ。」
「主より早い男など存在せぬわ。」
レーサーはブレインの命令で大きな棺桶を運んできた。
棺桶には強固な鎖が何重にも巻かれており、簡単には開かないようになっている。
「ひっ。」
「棺桶!!?」
棺桶を見て怖がっているウェンディにブレインは言った。
「ウェンディ、お前にはこの男を治してもらう。」

バチン

次々と棺桶に巻かれていた鎖が解かれていった。
「わ、私…そんなの絶対にやりません!!!」
「そーだそーだ。」
ウェンディは頑なに拒み続ける。
「いや、お前は治す。治さねばならんのだ。」
そう言い終わると棺桶の鎖は全て解かれ、蓋が開いた。
そこにはある一人の男が眠っていた。
「!!!」
ウェンディは目を疑った。
「この男はジェラール。かつて評議院に潜入していた。つまり、ニルヴァーナの場所を知る者。」
ブレインは眠っている男の説明をウェンディに伝えた。
「ジェラールって…え?え!?」
ハッピーは楽園の塔での事件を思い出していた。
「ジェラール…。」
「知り合いなの!?」
ハッピーはウェンディとジェラールが知り合いだということに驚いた。
「エーテルナノを大量に浴びてこのような姿になってしまったのだ。」
確かに、ジェラールの体のあちこちにはひび割れたような跡がある。
「元に戻せるのはうぬだけだ。恩人…なのだろう?」
ウェンディはブレインの声は聞こえておらずただジェラールを見つめることしかできなかった。


 
 

 
後書き
はーい、ということで9話完成でーす。最近リアルが多忙で全然書けずにいましたがなんとか更新することができました。
これからはできるだけ原作2話分を小説1話分にしようとおもいます。
字がたくさんあって読みにくいかと思いますが内容はたっぷりにしてあるつもりなので
どうかよろしくお願いします!では、感想待ってまーす。 
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