いつか必ず、かめはめ波を撃つことを夢見て
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第20話 崩壊!レッドリボン軍本部
ナシゴと悟空は、それぞれの筋斗雲に乗って、レッドリボン軍の本部へと向かっていた。
「ナシゴのおっちゃん、あとどれ位だ?」
「あと、10分ほどかな」
筋斗雲の超スピードで、どんどんと目的地へと近づいていた。と、そこに空飛ぶ何かが近づいてきた。悟空が、近づいてきた何かに気づき声を上げる。
「ん? なんだ、あれ」
「何かの機械のようですね。レンズが付いているから、偵察機か何かかな?」
ナシゴは、飛んできた物体が何かの機械であることは見抜いたが、その機能や名前までは分からなかった。しばらく、悟空やナシゴの周りを飛び回ると、スピードを上げて飛んでいってしまった。
「すげぇ、あいつ筋斗雲より早いや」
「とにかく、急ぎましょうか」
筋斗雲のスピードを若干上げて、二人は急いだ。
「悟空くん、見えてきました。あれがレッドリボン軍本部です」
「おぉーでっけぇなぁ」
悟空とナシゴは、筋斗雲でレッドリボン軍へ突撃をかけた。レッドリボン軍側の兵士たちは無視するわけにもいかず、警告を投げかける。
「おい、止まれ! ここはレッドリボン軍本部だぞ!」
しかし、無視して侵入してくる二人に攻撃を開始する。
だが、攻撃を巧みに避ける二人。さらには、悟空の如意棒や、ナシゴの気弾で偵察機を壊されたため、やすやすと侵入を許してしまった。
「総帥はどこに居るだろう」
総帥はドラゴンボールの近くにいるだろうと考えたナシゴだったが、悟空に借りたドラゴンレーダーでは、ドラゴンボールのおおよそのある場所は知ることが出来たが、レッドリボン軍本部のどの建物にあるかまでは知ることが出来なかった。仕方がないので、手当たり次第、建物を探しまわることにした。筋斗雲から飛び降り、レッドリボン軍本部のある土地へと降り立つ。
ナシゴと悟空が降り立った場所には、レッドリボン軍兵士たちが警戒を露わにしながら、銃を構えて立っていた。
「ナシゴのおっちゃん。あいつら、やっつけていい?」
「ここに居るのは、悪い人たちばかりですから、やっつけても良いですよ」
「よぉーし、あばれるぞー」
悟空は、そう言うなり、銃を構えた男たちに向かって突撃していった。ナシゴも、後ろから気弾を放って援護した。そうしながら、総帥のいる場所へと向かっていったのだった。
ドラゴンレーダーで、総帥のいる場所へと向かって歩き、壁を壊し、床を壊し、やっとのことで総帥の居る場所へとたどり着いた。が、どうも様子がおかしかった。
「ナシゴのおっちゃん、あそこにドラゴンボールがあるぞ」
悟空の指差す方向に確かに2つのドラゴンボールがあった。そしてナシゴと悟空がたどり着いた部屋には、長身の黒人の男と、チビな赤毛男の死体があった。
「ん? 総帥が死んでいる?」
ナシゴは、ほとんど原作を忘れてしまっていたため、総帥の身長を伸ばすというくだらない野望を知ったブラックが、総帥を殺害したというやり取りも、忘れていたのだった。
「とうとう、来たか」
長身の男であるブラックが、ナシゴと悟空に向かって言う。
「総帥を殺したのか?」
ナシゴの問いかけに、ブラックが一つ頷く。それから、ブラックは言う。
「私の名はブラック。先ほどレッドリボン軍の総帥になった男だ。どうだ、私達3人で世界征服を目指さないか? 君たち二人の力と私の優秀な頭脳を使えば、怖いものなんて無い。そうだ、そうしよう」
両手を広げて、狂気の目をしながら夢を語るブラック。
「興味ないな」
「オラ、悪者の仲間なんかになる気はねぇぞ」
「そうか、それなら仕方ない。死んでもらうしかないな」
ブラックは、懐からすばやく銃を取り出し、二人へ向けて一発ずつ撃った。しかし、ナシゴと悟空は、銃弾を見切り避けた。
「何だと……!? ならば、これならどうだ」
ブラックはポイポイカプセルから、レッドリボン軍特注のバトルジャケットを取り出し、素早く乗り込んだ。
ブラックの操作するバトルジャケットの右ストレートが、悟空に向かって放たれる。しかし、悟空は右手ひとつで、その拳を受け止めた。受け止めた悟空が、言葉を漏らす。
「よっ、ちょっと強いかな?」
しかし、言葉の割にはまだまだ力を出し切っていない悟空は余裕だった。ブラックは、バトルジャケットの拳を受け止めた悟空を信じられないような目で見ていた。
「ならば! ミサイルで!」
ブラックはバトルジャケットのジェットを使って、天井をぶち破り空へと飛び上がった。
「さらばだ」
ミサイルを撃つ、ブラック。
「悟空、ミサイルだ。蹴り返せ!」
ナシゴの助言を、素直に聞く悟空は、ミサイルを蹴り返した。
「なんだとー!!」
ブラックの断末魔が響き渡る。ブラックのバトルジャケットに命中し、大爆発が起こる。これで、レッドリボン軍の主要な人物は全て亡くなったことになり、事実上レッドリボン軍は崩壊したのだった。
「さて、戻るか。悟空くん」
「もういいのか?」
「えぇ、レッドリボン軍が崩壊した今、聖地カリンを荒らしまわる人も居なくなったでしょう。このドラゴンボールも持って行きましょう」
悟空とナシゴは、2つのドラゴンボールを手に入れると、筋斗雲に乗りレッドリボン軍本部を後にした。
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