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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?

作者:海戦型
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お前らに本も(ry インターミッション

 
前書き
stsとかあんまり覚えてない。というかほぼ覚えてない。
・・・いっそのことぶっ壊して別の話にするか?

時に皆、四宝少女なえか☆マギカ・第10話にこれといって意味はないけどタイトルロゴ入れてみたのに気付いてる?
(あ、レゾナの苗字仮で付けてたのを消し忘れてる・・・こっそり修正しとこ) 

 
「・・・で、結局『ターゲット』の能力は全く情報が取れないままガジェット80機を無駄に浪費して、イノーメスカノンの5cm×10cmの銃口にピンポイント狙撃を喰らって武器が爆発しておめおめ逃げ帰ってきた訳ぇ~?」
「うん。凄い狙撃だった」

この馬鹿はこちらが眉間にしわ寄せて怒っているのに気付いてるだろうに事も無げに二つ返事で返してきおった。正直ぶん殴りたい。

「・・・ターゲットの弟のデータ取ってきてどうすんのよこのお馬鹿!」
「だって・・・ヘリから降りてくれないから落としてでも無理やり降ろそうと思ったら、普通に避けられたんだもん!」
「もんじゃないわよもんじゃあ!何今更カワイコぶり始めてるのよぉ~!!」
「そ、そんなこと言うなら自分で行けばいいじゃない!」

ぎゃーぎゃーと騒ぐ2人の女性。人を馬鹿呼ばわりしている眼鏡をかけた方がクアットロで、サイドの髪の毛がやたら外に跳ねている方がディエチという。今日、ディエチはクアットロに頼まれてターゲット―――スカラ・グランセニックのレアスキルの正体を探りにいったのだが、結局得たデータはどれも彼の能力の核心に到るものではなかった。

「いい!?あの男は絶対ぜーったいに何か秘密を隠してるのよぉ!間違いないのっ!!」

本人は上手く隠したつもりなのかもしれないが、正直普通に隠しきれていない奇行と異常な結果。管理局内で10指に入るか入らないかの魔力。レアスキルなどと言っているが、見る人が見ればその説明は無理あんだろと思う程度には秘密があるに違いないのだ。が。

「・・・秘密を隠されていると、困るの?」
「困るでしょ私達が何れ天下を取る時とかに!!」
「・・・天下を取る必要、あるの?」
「え?そりゃ、あるでしょ。私達戦闘機人だしぃ・・・ホラ居場所が無いって言うか、差別とか・・・悪いこととか色々したし管理局が横暴だしぃ」

急に疑問提起されて驚きつつも、取り敢えず思いつくことをしどろもどろになりながら挙げていく。
彼女たち「ナンバーズ」は全員が戦闘機人と呼ばれるサイボーグのような存在であり、非人道的な実験の末に生み出された完成体である。いわば存在そのものが禁忌であり、ただそこにいるだけで捕縛対象とされる。そういう呪われた存在なのだ。なのだが・・・

「いや、居場所くらい用意できるでしょ?管理局だって最近なんか上の方が騒がしいし、”零番隊”が内部で動いたとかで大騒ぎじゃない?「ドクター」ならこれを機にどっかに逃げられると思うんだけど」
「いやまぁ確かにそういう噂はあるけどぉ・・・」

零番隊とは管理局最高評議会の子飼いの暗殺部隊である。存在すら知られていない極秘の部隊であり、そのメンバーは全員が”人殺し全般”に特化した教育を受けている。零番隊一人で100人の魔導師を殺せるし、1000人の魔導師が囲う要人もまた殺せる。勿論裏の仕事や証拠隠滅も完璧にこなし、「ドクター」さえその尻尾を掴んだことはない史上最悪の暗殺集団だ。

目的は言わずもがな、評議会にとって都合の悪い存在の除去、暗殺。今まで管理局の膿でしかない評議会が権威を保ち続けていたのはこの零番隊のおかげであり、彼女たちが自由になるにはどうしても邪魔な存在だった。・・・が、つい昨日掴んだ情報によると零番隊の存在を看破した挙句捕縛を試みた大馬鹿者が管理局内部に現れたとかで大忙しらしい。

逆を言えば零番隊が動いているという事態を悟らせるほどの緊急自体とも言い換えられるわけで、おそらく評議会は今、他の事には構っていられない筈だ。ぶっちゃけ逃げるなら今がチャンスである。態々ミッド圏に留まらず、地球とかに逃げれば戦闘機人云々抜きでも普通に暮らせないでもない。

「差別だって、人以外の存在は結構ミッドチルダに流れ込んでるし、今更私達が珍しい訳でもないでしょ?」
「漂流者から移民までイロイロいるのは確かだけどぉ・・・」

ここ十数年は特に次元漂流者や管理外世界からのスカウトが増えて、所謂「ホモ・サピエンス」でない存在というのは相当増えている。中には身体が100%機械で出来ている者も存在し、ディエチの言うとおりサイボーグのような存在は珍しくも無くなりつつある。
あくまで非人道的な手段で生み出されたことが問題な訳であって、彼女たちを受け入れる社会的地盤は存在するのだ。

「それに悪いことって言ったって・・・最近やってることって言えば資材や資金の横流しとか横領ばかりで、まともに人を襲ったのってぶっちゃけ襲撃事件の時以来だよね?」
「うむむむむむ・・・それを言われると弱るわねぇ・・・」

言われれば言われるほど、自分たちはそんなに悪い事をしてないのではという思いに駆られるクアットロ。だが、ここで彼女たちが何を言い争おうが結局のところ指針を決めるのはドクターである。

「でも肝心のドクターが最近部屋に籠りがちなのよねぇ・・・何作ってるんだかねぇ~」
「ヴァイス・グランセニック・・・次は必ず勝つ!」
「目的すり替えるんじゃないわよぉ!!」

最近すっかりこんな会話が板についてきたなぁ、と思うクアットロ。何かが違う、と心の底で警鐘が鳴るのだが、何が違うのか分からないまま今に至るので無意味な警告だった。

なお、後に彼女たちはこの時にドクターが何をしているのかを見極められなかったことを深く後悔することになるのだが、その話とそれに至る経緯が語られるかは不明である。



 = = =



「牛のダシと甘辛さで汁が美味い、肉うどんこそ最強だぜ!なぁ、兄貴!」
「いいや、揚げがふわっと甘いきつねうどんこそ至高・・・ですよね、スカラさん」
「いやいや、シンプルなざるうどんこそが頂点でしょ!そう思いませんかスカラさん?」
「ならばサクサクのごぼう天は極上だ・・・ここは隊長に同意するところだと思わんかスカラ空曹?」
「あっ!隊長汚いぜそれは!・・・で、兄貴は何を?」
「この店はおでんとおにぎりが何気に美味いんだよな。そばは粉っぽくて不味いけど」
「「「「うどん頼めよ!!」」」」

この店の真に凄い所は外の立て看板に「まずい蕎麦あり」って堂々と書いてて、事実その通りな所だと常々思っていたのですよ。かといってそのままうどんを食べると店主さんに良い様に乗せられた気がしてしょうがない。故に今回はおでん一択!!どうだ、店主!!

・・・おでんの売り上げが伸び悩んでいたらしく、サービスでがんもどきくれた。ミッド圏では和食もちょくちょく存在するが、おでんはまだ未知の領域らしい。意外とチャレンジ精神旺盛な店主さんだ。・・・ん、味も申し分ないな。

「しかしお客さん、随分迷いなくおでん取ったね。ひょっとして和食好きか、地球行ったことある?」
「一応両方。あ、タコ串ある?」
「あー、仕入れでちょっとな・・・今はないが、次に来るころには商品にしとくよ」

ちょっと店主さんの質問にビビった。まさか前世で日本人でした等とは言えまい。地球には任務がてら一度行ったことがあるし、嘘は言ってない。しかし店主の口ぶりからすると未だメニュー追加に向けて色々と試行錯誤しているようだ。うどんも美味いしおでんも美味いのにミッド出身だというこの人には頭が下がる。
しかしこうして社会人が集まると結局話は仕事の方へ流れて行き、いつの間にかみんな頼んでいたおでんをつつきながらの情報交換に早変わり。売上的に店主さん大勝利でガッツポーズである。

御上が騒がしいだの今回の狙撃について上が判断を渋ってるだの、話はいろいろ。プライベートに関わるものも当然出た。期待の新人レゾナちゃんのスカウトとか。

「・・・で、そのルナエッジさんに”ここの任期が終了したらうちに来ないか”って・・・なんでも既存の部隊を造り替えて事実上の新部隊にする事を考えてるらしいです」
「ルナエッジったらあの”四星”の?大丈夫かよ・・・戦いの度に被害を出し過ぎるって一時期問題になってたじゃねえか」
「あいつは人を助けるために必要とあらば何でも壊すからな。小言を言われても容赦なくぶち壊すのは、それだけ人命を重んじているからさ・・・事実、あいつは民間人には被害を出していない」
「そういえば隊長はお知り合いでしたね。隊長は誘われなかったんで?」
「主のこともあって誘わなかったのだろう。それに知り合いならば伝手になる。敢えて誘わないのも伏せた札になる、と言った所か」

ほうほう、若人はいろいろ考えてるなぁ。俺はもう精神的におっさんなので半分くらい話についていけません。難しい事は全部相棒のティーダ君と弟に任せる。それが俺のやり方だ。出来る奴がやればいいし、その出来るが俺にとってのヘリとバイクだ。最近は供給過多で需要がバイク寄りなのだが・・・あ。
そうだ、任務じゃなくてプライベートなら乗るのに問題ないのでは?別に犯罪者を轢かないといけない決まりなんかないしね。今度有給とってかっとばそう!それがいい。

「シグナム隊長、有給取りたいです」
「溜まった6件の事案が片付いてからにしろ」

現実は非情である。取りたくても取れない空気って、あるよね・・・って、ん?・・・6件、だと?一日1,2件ペースでもカツカツな業務内容なのに・・・6件!?

「ええっ!?もう6件も溜まってるんですかぁ!?だって今回潰した所が最大のテロリスト基地だって!終わったら買い物にでも行こうって言ってたじゃないですかぁ~!!」
「スマン。武器密売を潰したら今度は違法薬物による資金調達ルートが浮上してな・・・」
「全くここは本当に人使いが荒いなぁ。可愛いティアナの為にいい加減休み取りたいのに・・・」
「俺だってお前の妹より超可愛いラグナと存分に遊びたいぜ!!」

ぱっちん、と心のスイッチがプッシュされた音がした。あ、これはちょっと面倒くさいぞ?この二人、両方妹持ちで妹ラブな二人なのだ。スイッチが入った以上、迸る愛の放出が始まるぞ!
そして予想にたがわず互いの発言を聞いたティーダくんと愚弟の間で火花がばちばちと鳴り響く。ラウーンドワン・・・ファイッ!!

「・・・ヴァイスさんの妹なんかよりうちのティアナの方がスーパーデラックス可愛い」
「・・・うちのラグナの方がウルトラスーパーデラックス可愛いね」
「いいえ、それは勝手な思い込みと記憶の改竄です。うちのティアナの方がスウィートエンジェル可愛いです」
「客観的にものを見れないようだな?街ゆく人100人に聞いてもウチのラグナの方が超銀河シンデレラ可愛いって言うに決まってるぜ」
「喧嘩売ってんですか!?」
「てめえが大安売りしてんだろうが!!」

二人同時にがたんと椅子を押しのけて立ち上がるシスコン二名。今にもデバイス抜きそうなまでの殺気にビリビリ大気が震えるが、そこで第3勢力が介入した。

「妹でかわいいと言われては私も退けぬな!見よこれ、この写真!八神家(うち)の末っ子!ツヴァイっていうんだ!!これが可愛くてな!!」
「写真つきだと!?負けるかぁッ!配布用写真の10枚や20枚持っていないとでもッ!」
「ふっ・・・携帯端末の待ち受けをラグナとの2ショットで固定している俺に隙は無ぁい!!兄貴と3人で映ってるのも勿論あるぜ!!」

アンタもか、シグナム隊長。前に八神家にお邪魔したことあるけど、あんた達一家は本当にツヴァイちゃんにゾッコンだな。ああなってしまえば酒が無くとも酔っぱらったようにハイテンションになって語らいだすので付き合ってられん。もう収拾がつかないので・・・

「でさー。ヴァイスの奴泣きながらおねしょしたシーツ持ってきて『助けて兄貴』って、今にも泣きそうな顔で・・・ぷっ!あの顔は写真に撮っておくべきだったなぁ!それ以来おねしょが怖くて寝る前にトイレに行くようになったのさ」
「へー。先輩にもそういう時代があったんですねー!」
「・・・っておい兄貴ぃぃぃーーーー!?何話しちゃってんの!?何故人の恥ずかしい過去を後輩に暴露しちゃってんのぉぉ----!?!?」

取り敢えず弟話でほっこりすることにした。



 = = =



夜の自室。俺には、皆が寝静まった夜にこっそりやらなければいけないことがあったりする。とても重要な仕事だ。こればかりは真の意味で俺にしか出来ないし、一切手も抜けない。これをやらないことは、皆の命に直結すると言ってもいいだろう。

「シグナム隊長はやっぱりレベルが突出してらっしゃる・・・ガン攻めだから底力上げて来たけど案外避けるからな・・・気力限界突破ももうつけたし。ここは無難にポイント持越しでいこう」

シグナム・ヤガミ Lv.49

インファイトLv.7  騎士道
指揮官Lv.2     カウンターLv.8
気力限界突破    ガード
連続行動      ダッシュ
切り払い      底力Lv.4
Eセーブ

「レゾナちゃんは、ちょっとポイントが足りないな。元から結構優秀だし、昨日ポイント使ったばっかだからな・・・一回休みだ」

レゾナ Lv.31

援護防御Lv.2    アタッカー
ダッシュ      集中力
ガード       気力+撃破
完全防御      EXPアップ

「ヴァイスは・・・ちょっと試しに地形適応空Sに上げてみよう。ひょっとしたら明日から空飛ぶかもしれん。飛べ、弟」

ヴァイス・グランセニック Lv.43

援護攻撃Lv.3    ヒット&アウェイ
ガンファイトLv.6  魔導師
支援攻撃      見切り
撃ち落とし     闘争心
アタックコンボLv.2 連携攻撃

「ティーダ君は・・・んむ、大分ポイントが溜まったことだし、そろそろ技量上げて再攻撃を習得させるか」

ティーダ・ランスター Lv.42

ガンファイトLv.5 援護攻撃Lv.2
見切り      Bセーブ
魔導師      ヒット&アウェイ
戦意高揚     アタックコンボLv.2
連携攻撃     再攻撃(new!)

ぽちぽちと画面内のステータスを操作し、ポイントを管理し、そして本人たちの気付かないままに特殊能力を付加する。彼等は全く自覚のないまま、自分たちの力と才能を底上げされているのだ。それは負担を伴わず、自覚が無いがゆえにそれを異常と感じることが出来ない。
―――実を言うと、「これこそが俺のチートの本懐」なのだ。所謂「原作キャラの強化」を本人の意図しない所からも行える。俺と定期的に会える人間であることが、強化権限解除の条件。「強化できる人間の人数に制限はない」し、「ステータスの能力ももちろん強化できる」。

簡単に言えば、俺がどこかの基地所属になって働いた場合、その基地に所属しているメンバー(人間・非人間に関わらず)全員のパイロットポイント(能力強化に必要なポイント)を掌握し、自在にコントロールできるということ。要は―――「俺は限定的ながらチートを作れる」。
考えてもみてほしい。いくらへっぽこな能力の人間でも、この力とポイントさえあれば「絶対に大成する」としたら。才能のない人間を、一握りしかいない「才ある者」と同じ位の実力に仕立て上げられるとしたら。もう、人さえいれば後は魔力ランクも何も必要はなくなるのだ。だって能力も魔力も「後で必要なところまで上げればいい」のだから。

例えば射撃の才能が無い奴はポイントで射撃を上げるなりガンファイトを覚えさせるなりすればいい。例えば格闘戦に特化しながら伸び悩んでいる奴は、格闘やインファイト、底力を上げてやればいい。弱点をなくすも長所を伸ばすも自由自在。生まれついての能力を持っている人は凄く少ないので実質育て放題。
パイロットポイントは模擬戦や訓練での仮想敵を倒しても溜まる撃墜数依存なので、訓練時代でエースクラスを育成することも可能だ。ティーダはわしが育てた、という事である。アイツ未だに自分の魔力ランクがじわじわ上昇していることには気付いてないみたいだし。

無論このパイロット能力には俺のそれに比べて制限が多くあるのだが、それでも一般人を鍛えてプロの格闘家にするくらいの真似が出来る能力だ。管理局内で行えばもれなくパワーインフレ間違いなし、なのだ。ただ、ポイントを本人とミスマッチな内容にセッティングしては単なるポイントの無駄。だから慎重を期さなければいけない。

「幾らチート能力があるからって、全員守っちゃいられないからね」

例えばもしも敵陣の中で孤立すれば。質量兵器の直撃を受けたら。星の裏側で死にそうなほど強い敵が立ちはだかったら。深追いしすぎて反撃を喰らったら―――俺にはもう助けようがない。死んでしまえばそれまでなのだから。そこまで正義の味方ごっこして魂をすり減らすような生き方は死んでも御免だったから。
俺は正義の味方じゃないんだから、助けないぞ。ドラマのヒロインが助かればハッピーエンドなんて思っちゃいないけど、俺は他人の求める正義の味方をする気はない。俺が味方するのはいつだって自分の欲望だけだ。

「だから自分の身は自分で守ってくれよ・・・?俺の指示なんかいらない、自分で考えて自分でやるんだ。守る人も自分で決めろ。そのための力は俺が用意する」

力があっても、不幸な人全員は救えっこない。自分で守れるのは、自分の周りの世界だけだ。俺はそこまでする気はないから―――やる気のあるお前らが救ってくれ。だってスパロボじゃどんな雑魚でも味方になればエースに出来る。プレイヤーの愛さえあれば。絶体絶命の状況でも切り抜けられる実力とシチュエーションを整えることが出来れば、皆は死なない。


スパロボのチートって言うのはロボットの性能じゃないんだ。
本当のチートは、ひどい性能の敵でも大群の相手でもない。
どんな強敵でも必ず勝つための道が存在することなんだ。

その戦いに勝てるように味方を選んで、強化して、ロボットを改造して、タッグや小隊を編成して、皆を勝利に導くために必死こいて指示を飛ばし続ける。
強化パーツの配分を考えて、必要ならばパイロットの乗せ替えを行い、地形適用を調べ、地形効果を調べ、最適な位置へと移動させる。
射程を調べ、命中率やクリティカル値・エネルギー消費量に見合った最適の武器を選択し、精神コマンドを必要なときに必要なだけ使用する。
こちらの命中率に溜息をつき、相手の命中率に悲鳴を上げ、当たるか当たらないかで一喜一憂し、生き残らせるために他のユニットとの噛み合せを模索する。

そうしていくつもの縫い目を潜り抜け、勝てない戦いを勝てるように仕立て上げ、例え相手が神であろうと、そこに諦めない意志がある限りは必ず勝利に辿り着ける。

これが俺の導き出した、俺のチートの使い方。プレイヤーでなくなったが故の究極の無責任。


画面の向こうにプレイヤーが願う様に、俺も自室の中で願うのだ。



「みんなの格好いいところを見せてくれよ、ってね」



―――スカラ・グランセニックの名を知る市民は少ない。だが、スカラ・グランセニックの周囲の人間は彼をこう呼ぶのだ。「幻の名教官」、と。


・・・翌日、ヴァイスが今まで使えなかった筈の飛行魔法を突然使えるようになって部隊が大混乱に見舞われたのは言うまでもない。 
 

 
後書き
スキルスロット数は6+レベル10アップ毎に一つ増加(※スパロボにそんな仕様はありません。)
気力は気力限界突破・・・+20、気力覚醒・・・+50と都合のいい感じに換算してマックス220。ザ・パワーでもなければこれ以上は上がらない。

という訳でスパロボチートはこれにて閉幕です。書きたいと思ってから納得のいくラストに辿り着くまで結構時間がかかって大変でした。ぶっちゃけsts篇の構想は全く練ってないので間を埋めるストーリーをちょくちょく挟んで素材を用意し、準備だけしている形です。原作辿るだけのルートとか退屈で死にそうになるので絶対やりたくないんですよ。
それでは皆さん、読んでいただきありがとうございました! 
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